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詩|薄くて固くて、酸っぱい果実を喰らいたい

好きなんだ。本当にごめんね。
僕はすごくすごく君のことが好きなんだ
「無分別」だと言われたって
「愚かさ」だと言われたって
そんな花言葉なんて早々に飲み下してやろう

君の一言にコロコロと変わる僕の口元
僕の一言に百面相する君
どうして隣に僕を置いてくれないの
ギリシアに帰った青年になんて渡さない

君が言った一線引く酸っぱい返事に焦る
そうだね
君が僕になびいてくれることなんてないね
そうだよね
僕が君に与えられるものなんてないね
それでもね


好きなんだ。本当にごめんね
種子タネだけじゃなくてその実までも食べ尽くしたいよ
食べ物じゃないだって
種子タネの方が美味いよって
そんなの関係ないよ。すべて美味しく喰らってしまおう

君の一言で僕の中が吹き荒れる
僕の一言で君に永遠の安らぎを
この腫れた僕の扁桃腺をどうしてくれるのさ
早く僕の身体から熱を奪って治して

君がまだあの青年が好きなんだと知ってるよ
そうだね
僕が君のその首輪をはずしてしまおう
そうだよね
君が僕に好きな首輪をつけてしまえばいい
そうやって


このクズの不器用なやさしさが永久に二人を灯すように
さあ、一緒にアーモンドの木を植えよう
いつか可愛いピンクの花が咲くよ




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