けい。

Main: 小説 【花束じゃなくてミックスナッツを】連載中。 Sub1: 詩集2つ 【…

けい。

Main: 小説 【花束じゃなくてミックスナッツを】連載中。 Sub1: 詩集2つ 【白くて青くて。そんな僕】 【甘い甘いねり飴。僕はピエロ】 他、旅エッセイ等を雑記。 創作垢X (knext_20240514)

マガジン

  • 詩集| 甘い甘いねり飴。僕はピエロ。

    喩えるなら、いつだってすぐ内側。 身体の火照り、しっとりと汗ばむ肌。 気付かれちゃいけないこのアメだま。 アメのお味はどれが好き? わからない?本当に? 本当の気持ちをコソッと漏らして。

  • 連載小説【花束じゃなくてミックスナッツを】

    大学生の日常を描いた小説を書いています。

  • 詩集| 白くて青くて。そんな僕。

    喩えるなら、遠いむかし。 いつもの帰り道、カルピスソーダの微炭酸。 着慣れたユニフォームの青ライン。 夏休みの図書室から見上げた昼の月。 忘れてしまった?本当に? 忘れられないカケラはココにあります。

最近の記事

  • 固定された記事

連載小説【ミックスナッツ】|あらすじ

コンプレックスの塊だが愛嬌漂うN原。整った顔を持ちながらも人見知りで秘密を抱える成瀬。パパ活疑惑のあるみさき。いまいち自分のことは後回しにしてしまうデンチュウ。 みんなが言う【フツウ】とは何か。 その他大勢に合わせて振る舞うべきなのか。 集団では目立つべきなのか、埋もれるべきなのか。 何が賢いのか。 何が成功なのか。 自分はどこを目指せばいいのか。 それぞれの個性と事情を抱えながら、器用に振る舞えない4人がどこか自分に似ている。あの時の自分に重ねてしまう。少しだけ甘くて、そ

    • 【愛知県蒲郡市】竹島水族館と八百富神社

      「あぁ、ここにしよう。」 たまたま。本当に偶然が重なって見つけた場所に、青春18きっぷ旅行の1日目に宿をとった。そこは、愛知県蒲郡市竹島町。三河湾の奥まった場所にあり、ごく近接して神社のある小さな島があり、橋を歩いて渡ることができる。 2024年の夏、行き先も宿もほとんど決めずに、青春18きっぷ4日分と衣類3日分と身の回り品、そしてカメラとパソコンを持ち、関西から東に向いて出発した。 始発から2本目の時間に大阪駅を出発したものの、京都駅を過ぎて滋賀県に入った頃には出勤・通

      • 詩|薄くて固くて、酸っぱい果実を喰らいたい

        好きなんだ。本当にごめんね。 僕はすごくすごく君のことが好きなんだ 「無分別」だと言われたって 「愚かさ」だと言われたって そんな花言葉なんて早々に飲み下してやろう 君の一言にコロコロと変わる僕の口元 僕の一言に百面相する君 どうして隣に僕を置いてくれないの ギリシアに帰った青年になんて渡さない 君が言った一線引く酸っぱい返事に焦る そうだね 君が僕に靡いてくれることなんてないね そうだよね 僕が君に与えられるものなんてないね それでもね 好きなんだ。本当にごめんね 種

        • 詩|アーモンド

          いつも食べちゃうアーモンド バラ科の植物だと教えてくれたのはあなた アレルギーなのかもと苦笑するあなたが可愛くて つられてしまう どんだけ好きになったって いつだって情けない僕だから いつだって自信のない僕だから いつだって泣き虫の僕だから ねえ。ちゃんと好き。 きっと全部が伝わることはないから 少しでも。少しでもたくさん伝えようと思うんだ いつも眼を細めるアーモンド こっちを見てくれと誘ってくるのはあなた 向かい合う僕の瞳を見つめ返すあなたが可愛くて つられてしまう

        • 固定された記事

        連載小説【ミックスナッツ】|あらすじ

        マガジン

        • 詩集| 甘い甘いねり飴。僕はピエロ。
          1本
        • 連載小説【花束じゃなくてミックスナッツを】
          11本
        • 詩集| 白くて青くて。そんな僕。
          2本

        記事

          詩|そらがあおくて 追加しました。

          詩|そらがあおくて 追加しました。

          連載小説【ミックスナッツ】|EP.10 その人は

           今まで何度か男の子から告白されたことはあった。けれど、一度も恋愛に興味を持てなかった。さらに言えば、男性に興味を持つことがなかった。学校自体は共学だったけど、周りには女の子たちしかいなかった。みんなが恋愛話をキラキラ話していたけれど、女の子たちが言う「カッコいい」「好き」という感覚が少しも分からなかった。  最近はLGBTとか、ジェンダーレス、ダイバーシティといった言葉をよく耳にするようになった。正直、そんなよくわからない横文字たちも恋愛自体も、まったく気にしていなかった

          連載小説【ミックスナッツ】|EP.10 その人は

          詩|そらがあおくて

          あんなに毎日見上げていた宙の粒は どこにいってしまったのだろう あんなに毎日聞いていたきみの声は もうすぐ消えてしまいそうだ まちにのこった幸せなきみと どこかを彷徨う幸せな僕 きっともう 連絡はとれるのに あいにだっていけるのに 今日も勇気のない僕だ あんなに一緒に過ごした時間は 遠くからでも眩しすぎて あんなに一緒に遊んだクマさんも 今年で立派に27歳になったよ きみから離れた僕は 重石をなくしてしまってフワフワ 大丈夫、楽しんでいるよ 連絡はとれるのに 本当は

          詩|そらがあおくて

          連載小説【ミックスナッツ】|EP.9 ゆらぎ

           少しだけ。本当に少しだけ、私たちは別々に大学の時間を過ごすようになった。別に約束をしているわけでもなければ、別に付き合っているわけでもない。といっても、平日は毎日同じ講義を一緒に受けるわけで、毎日会っている。  本当に少しだけ、N原の口から大学の友達の名前が出るようになった。秋になって始めた塾のアルバイト仲間で、釣りにもよく一緒に行くらしい。    「ねえ。今の時期の釣りってすごい寒いんじゃないの。夜中でしょ。」  あ。いらない事言ったかな。少しだけ不安になる。別に私が誘わ

          連載小説【ミックスナッツ】|EP.9 ゆらぎ

          連載小説【ミックスナッツ】| EP.8 アタリ

           正直、N原がアルバイト先の塾に新人として入ってきた頃は苦手だった。同じ大学、同じ学部であることはもちろん知っていた。100人近くいる同じ学科の新入生の中でも、入学式で一際目を引いていたのが、N原だった。男の中でも頭ひとつ抜き出た背に、明るい金髪。黒く焼けた肌に、細く釣り上がった眼が印象的だった。案の定、学部でもしばらくは噂になり、集団から浮いていたようだった。うちの学部は必修科目が多いので、必然的に一人で講義を受けているのを目にしていた。  俺は中高一貫で内部進学したから顔

          連載小説【ミックスナッツ】| EP.8 アタリ

          連載小説【ミックスナッツ】| EP.7 残暑

           和菓子が好き。そんな話をしたっけな。と考えてみるものの思い出せない。N原に渡された魚の形をした和菓子を見ながら、お礼を言う。  大学が始まる前日の火曜日。お店は定休日だから予定もなく、特に予定もないので、N原とご飯を食べにいくことになった。よく考えれば入学式の時以来、キャンパス外でご飯を食べることはしていなかった。この半年、授業のある日はほとんど一緒にいた。ただし、空き時間のほとんどをお互いに課題をこなすことに集中していたし、N原に関して言えば、物理を勉強してこなかったハン

          連載小説【ミックスナッツ】| EP.7 残暑

          連載小説【ミックスナッツ】 | Ep.6 恋愛ごっこ

           夏休みも残り少なくなった頃、意外な人から誕生日を祝うLINEが入り、驚いた。  新歓の時に連絡先を交換したイベントサークルの先輩。手慣れた文面が並ぶ。前は彼女はいないって言ってたけど、他の人に聞いたらみんな笑ってたから本当かどうかはわからない。きっと、好きになったらダメなタイプ。  少し悩んでとりあえず、お礼のLINEだけ送っておく。  またすぐに、携帯からお知らせ音が鳴る。 「ゼミに行く予定あるから、もうすぐそっち戻るし、みさきちゃんご飯行こうよ。」  バナーで内容を確

          連載小説【ミックスナッツ】 | Ep.6 恋愛ごっこ

          連載小説【ミックスナッツ】 | Ep.5 幼馴染

          「敦史。こっち。」  夏休み。新幹線に乗らなくても3時間ほどで岐阜駅まで辿り着く。ここからは幼馴染の香織と待ち合わせをして地元まで帰る。同じ日に帰る予定を立てたことに別に意味はない。記憶が始まる前から高校を卒業するまで一緒に育ってきた。香織は愛知の大学に進学して、相変わらず彼氏と仲良くやっているらしい。香織の彼氏も高校で同じ野球部だった。みんなずっと一緒にいた。 「元気にしてた?しょうもない約束守って金髪にしちゃうもんで、みんなで悪いやつと友達になるんじゃないかって心配してた

          連載小説【ミックスナッツ】 | Ep.5 幼馴染

          連載小説【ミックスナッツ】 | Ep.4 声

           美咲さんが毎月第2日曜日に花を買いに来ることに気づいたのは、受験を控えた高校3年生の9月のことだった。その時は、定期的にアルバイト先にお花を買いに来るお姉さんという意識なだけだった。名前も知らず、定期的にお店にいらっしゃる常連さんと店員というだけ。  お花はもともと好きだった。縁があって、自宅から数駅離れたところにある駅近の花屋さんでアルバイトを始めたのが、高校2年生の夏だった。平日は学校があるので、シフトは基本的に週末のみ。部活もしていないし、好きな人もいなければ、休日に

          連載小説【ミックスナッツ】 | Ep.4 声

          連載小説【ミックスナッツ】 | Ep.3 噂

           「あの派手なみさきって子、パパ活してるんだって。ヤバいよね~。」  「ねえ、噂で聞いたよ。みんな言ってるよ。どうなの?」って言ってきた友達がいた。わざわざ本人に聞くヤツの気がしれない。ナンセンスだと思うし、本当のことなど話すと思うのだろうか。訂正させてほしい。この子は友達ではない。  地元までは飛行機と電車を何本も乗り継がないといけないくらい離れた都会の大学に入学した。高校は地元では有名な進学校で、勉強漬けの毎日だった。本当は勉強など好きじゃなかったけど、地元から遠く離れる

          連載小説【ミックスナッツ】 | Ep.3 噂

          連載小説【ミックスナッツ】 | Ep.2 ホクロ

           気づけば6月になり、私は結局サークルにも部活にも入らなかった。毎日真面目に講義を受け、授業が終わればすぐに大学を出る。自宅から3駅離れた大きな駅近くの花屋のアルバイトに行ったり、地元の友達たちと遊んだり、犬の散歩に行って家でゆっくり過ごしたり、高校時代と全く変わらない生活を送っていた。今のところ、大学で友達はできていない。そもそも、自分から話しかけることもしないし、話しかけやすい容姿をしていないことはわかっている。  N原とは、挨拶だけをする関係になった。入学式以来、連絡先

          連載小説【ミックスナッツ】 | Ep.2 ホクロ

          連載小説【ミックスナッツ】 |Ep.1 春

          「やっぱりこの髪色はダメだったかな。」 新しく一式揃えた新品のスーツに似つかわしくない短い金髪を、周りはどう思っているだろう。もしかして、すごく浮いているのではないかという不安が頭を占めたまま、入学式も新入生ガイダンスも終わってしまった。当然とも言えるが、友達どころか誰とも話すこともなく、知り合いもできなかった。  周りを見ると、以前から知り合いなのか集まって楽しそうに話す者たちや、隣の席の者と、ぎこちないながらも笑顔で話をする者もいる。ハッと視線を隣によこすと、可愛げは一切

          連載小説【ミックスナッツ】 |Ep.1 春