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RWC2015で唯一予定が合って観た試合が一生の宝物になった話。(HKO 第30話)

2015/9/19 Sat 18:45 イギリス ブライトン ファルマースタジアム
ラグビーワールドカップ2015 南アフリカ代表 vs 日本代表

↑ 前回の記事はこちら


 なんかとんでもないものを見た…。


 これが真っ白な頭の中に湧いてきた最初の想いでした。

 日本の勝利に沸き立つ会場を見渡すと、私から右に20席ほど離れたところに、大きな日本の旗をふり回すイギリス人のおじさんがいました。

 彼と目が合い「やったな!」と互いにジェスチャーを送ります。

 対して私の周りにいた南アフリカの人達を見てみると、ひどく落胆していました。

 それもそのはず、日本が逆転勝ちしたということは南アフリカは逆転負けしたのです。逆転勝ちは盛り上がるけど、逆転負けは本当にショックですよね。

 強烈な歓喜を得た日本と、強いショックを受けた南アフリカ。当たり前といえば当たり前ですが、このコントラストは現地にいて強く感じられたことでした。

 程なくして、周囲の南アフリカのサポーターが顔をあげ帰り始めたとき、一転して笑顔で次々と私に握手を求めてきました。

 おめでとう!いい試合だった!と。

 中には私とツーショットの写真を撮っていく人もいました。

 そして私の真後ろにいた人が「写真撮ってあげるよ!」と声をかけてきました。

 日本代表がちゃんと写りこむように、私のスマートフォンのシャッターを切ってくれました。

 ラグビーにはノーサイドの精神という、試合が終われば敵も味方もないという価値観があります。試合内容も忘れられませんが、ノーサイドの精神に立つ南アフリカの人達との、このちょっとした触れ合いもまた、とても暖かく、思い出深いものとなりました。

 ここでの経験といただいたタオルマフラー、そしてこの写真はぼくの一生の宝物です。


 ラグビーワールドカップはイギリスという国を、ブライトンという地域を明るく照らす光でした。

 スポーツがその地にもたらす影響は絶大であり、スポーツの可能性は無限です。

 ラグビー150年の歴史において、さん然と輝くこととなるこの試合は、私にそのような価値観を教えてくれました。
(つづく)

↑ 試合後円陣を組む日本代表。エディー監督の姿が見えます。

↓ヒラ公務員欧州へ行く(HKO)1~29はこちら



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