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ヒラ公務員欧州へ行く2 〜悪夢のフライト〜

2015/9/15(日本時間)
飛行機: 成田→モスクワ(トランジットのため)

第一回はこちら↓

 前回の記事を読まれた方はこう思われたかもしれません。成田からモスクワまでの9時間のフライトならかなり眠れるな。ずっと寝ていれば、そんなに風邪も悪化しないだろう…と。しかし現実はそうはいきませんでした。

 わたし…一睡も出来ませんでした。

 飛行機の中ではいつも寝れてる自分が、一瞬のまどろみも覚えることがありませんでした。

 気を紛らわすために席に付いているモニターで映画を観ようとしましたが、ロシアの航空会社のため英語字幕とロシア語字幕しかありません。ゲームも出来るのですが、なぜか「パックマン」しかありません。9時間もやり続ければ達人になれそうな気がしますが、具合が悪いのでやめておきました。

 そして食事の時間、300人以上はいるであろう乗客の中で何故かぼくにだけメインディッシュ(フィッシュ)がいつまでたっても出てこないというトラブルに見舞われ、余計具合が悪くなりました(最終的には食べれました)。

 もう色々と嫌になり、考えることをやめ心を無にすることにしました。なにも思わずなにも感じなければすぐに時間は過ぎるはず。最後の策であり、かつ苦肉で涙ぐましい策です。エコノミークラスの長距離飛行でできることなんて限られて当たり前です。寝れないんですから。
 この試みにより、9時間のフライトは案の定余計長く、むしろ15時間くらいに感じ、さらなる疲労を溜め込み息もたえだえにモスクワに到着しました。先が思いやられます。

 こうしてぼくは無事?モスクワ空港に到着しました。乗換待ちだけですが初のロシアです。とてもきれいな空港だったのですが、何か静かで暗かったという印象があります。曇り空だったからかもしれませんが、照明が少ない気がするし、立ち並ぶ店ではBGMもかかってないし、人はいっぱいいるのにあまりガヤガヤ感がない。ブランドショップのお姉さんは普通に店先でペットボトルで水を飲んでました笑。

 日本との違いに面白さを感じつつ、ベンチに座り、再び心を無にして待機時間をやり過ごしていました。ほんとになにもする気が起きない。布団で寝たい…などと思っていたとき、隣のロシア人と思われるお年寄りのご夫婦が、二人話しながら大きなトランクを開ける姿が見えました。

 中味が丸見えだったのですが、そこにあったのは大量の絵本。絵本をちゃんと持ってきてるかどうかを確認しているようです。多分、このお二人のお孫さんが飛行機で行かなきゃいけないくらい遠くに住んでいらして、久しぶりに会うのでしょう、喜んでもらうためにと絵本を大量に持ってきたんでしょうね。喜んでくれるかな…という表情が垣間見えて、微笑ましかったです。ロシアだろうとどこだろうと、孫が可愛いのは同じなんですね。

 思いがけず少し元気をもらい、程なくして飛行機へ。イタリアへは4時間かかりましたが、機内食で得体の知れない穀物を食べるはめになったということを除けば、地獄の9時間を経験していた自分からすればとても楽に、短く感じました。そしてヒラ公務員は遂に、初めての欧州へ降り立ったのでした。

本物のロシア語。まったく読めない!

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