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ヒラ公務員欧州へ行く14 ~ さよならローマ、こんにちはベネチア ~

2015/9/17 thu 風邪の状態:★(もう少しで治りそう)
イタリア ローマ→ベネチア

↑ 前回の記事はこちら

 ローマでチャンピオンズリーグFCバルセロナ戦を観戦し、野犬の一匹や二匹出てもまったくおかしくなさそうなローマの田舎道を真夜中に40分歩いて帰ったその翌日。

 間違えてローマの山中で泊まる羽目になった、ある意味この旅で最も思い出深い宿泊施設のコテージに別れを告げ、ちゃんと送迎用のバスで駅まで送ってもらい、そこからローマセントラル駅へ向かいました。

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↑ さよならローマのコテージ。君のことは忘れないよ(良くも悪くも)
↓ ローマのコテージ事件簿はこちら

 ローマにも別れを告げ、イタリア最後の目的地ベネチアへ向かいます。

 結局ローマでは時間がなく、コロッセオも真実の口もスペイン広場も見らずじまいでした。バチカン(他国)とサッカーだけです。永遠の都ローマ、機会があればまた来たいです。

 ベネチアは、ローマから列車で3時間ほどかかりました。風邪も治りかけで、長距離移動もそれほど苦になりませんでした。

 実は、この旅でベネチアに来るのは二回目です。

 ここで、これまでの行程のおさらいです。

①日本からベネチアの空港に夜中に降り立ち一泊して、特に観光せず翌朝すぐにミラノへ。ミラノではサッカー観戦とミラノ万博参加。

②ローマへ。バチカン観光と(また)サッカー観戦。

③再びベネチアの空港を利用するために同地へ。ここで初めてベネチアの観光。←いまここ

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 実は、初日にベネチアで泊まったホテルでは風邪の状態が最悪だったためか、ジャケットを忘れてしまいまして。ホテルを出て5日経過していましたが、ベネチアに再び寄るためアポなしでついでに取りにいったところ、ちゃんと保管してくれてました。

 忘れ物取りに行くにも外国だと緊張感が全然違います。しかもほぼ英語もしゃべれませんから。受付の人がビニールに入ったmyジャケットを取り出したときは本当にほっとしました。受付の方も笑顔で対応してくれました。ベネチア、いい。

 ただ、このジャケットが日本からベネチアへのフライトを含む20時間もの間着用し続けてくたくたになった汗臭い代物で、そんなものを5日間も保管させて彼らの中に一抹の不満でも芽生えさせたのではないかと思うと、ほんと申し訳ない。ベネチア、ごめん。

 そんなこんなでホテルによるなどしてるうちに、目的地のベネチアの島へ到着した頃には夕方になってました。
 ちなみに分かりやすくイメージしていただくため、ベネチア各所の位置を地図上に示してみました。

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 ぼくも行くと決めるまで知らなかったのですが、上図のとおり本土部分と島の部分と両方含んで「ベネチア」とされており、皆様がイメージする水路のある街並みは、右下の島部分にあります。

 本土部分は割と生活環境として整っている街という感じです。島と打って変わって、観光するところはほとんどなさそうでした。

 本土と島は橋一本でつながっており、島へは電車と車で入ることが出来ます。今日はこの島の中で宿泊もします。

 ジャケットを引き取った後、電車で本土から島に入り、到着後駅から少し歩いて初めてベネチアの街並みを見たときは、心底驚きました。

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 写真や映像で何度と無くこの街を見ていたとはいえ、水路が縦横無尽に張り巡らされ、当たり前のように街の真ん中を小舟が進んでいく街並みは、あまりにも現実離れしているものに映りました。

 実際に見ると全く印象が違います。

 街並みをただ見ただけでこれだけ衝撃を受けたことは未だかつてありませんでした。

 空は夕闇で暮れなずむも、建物の色はまだ失われず、街の明かりたちは水辺に映ります。夕暮れのベネチアはとても美しかったです。

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 さて宿探しです。もちろん予約済みです。宿はベネチアの駅から徒歩10分の所にあるのでローマの二の舞になることはない…はずです。街並みを楽しみながら歩き、分かりにくかったですがなんとか宿を見つけました。

 受付を済ませ、さて何階の部屋かな…と思ってたら、受付のおじいちゃんから「案内するよ」と言われました。付いて行くと、同じ建物の階段を登るのではなく、まず外に出ていきました。

なんで?


 安宿なので、もとから街の中心部というほどではありませんでしたが、そこからさらに街の賑わいから離れていき、そのうち賑わいなど聞こえなくなり、嫌な予感しかしません。

 ベネチア、お前もか。お前もなのか。


 おじいちゃんは細い路地の奥深くにどんどん進んでいきます。ろくに明かりもなく、やたら暗いです。ひんやりとした石造り、静かな通り、

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↑ ようこそ闇の世界へ(注:ベネチア)

 さしずめ魔界の入り口です。おじいちゃんがいますし怖くはありませんでしたが、裏ベネチアというか、そんな雰囲気を感じました。そうするうちにたどり着いた、別の建物の一階にある部屋に着きました。

 この部屋、レイアウトは普通の部屋できれいだし、むしろちょっとおしゃれなくらいだったんですが、民家がある通りにめちゃめちゃ面しているため、カーテン閉めなかったら外から丸見えです。通行人が歩いてて外からあいさつすることも余裕で出来ます。

 まずカーテンを閉め中を見回しましたが、トイレに違和感を感じました。きれいなんですが、なんか配置がおかしい。

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シャワーヘッドがトイレに近すぎる。あと明らかに階段の下。

おかしくないですか?ここはご覧のとおり湯船もありません。

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つまり、このわずかなスペースに、トイレ脇にあるシャワーヘッドを無理やり引っ張ってきて角度に注意しながら浴びろと。ベネチアのシャワーを。

ベネチア、やはりお前もだったか…。

 ベネチアから想定外かつ手痛い歓迎を受けながらも、荷物を置いて闇の小径を抜け出て夕食に出ました。

 近くには豊富にレストランがあり、その中から適当に選んで入りましたが、さすが観光地。メニューが8ヶ国語分は用意されており、日本語もありました。すっかりローマで食べたシーフードサラダが気に入った私はここでも頼み、他にスパゲティも頼みました。ベネチアで食べる料理もやはり美味しかったです。

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 この日ぼくがベネチアでやったことと言えば、宿を探してご飯を食べただけです。

 それだけでここまで書かせるとは、ベネチアはやはりただ者ではありません。
 明日も楽しみです。

↓ ヒラ公務員欧州へ行く1~13はこちら


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