20250208 約2年前くらいに下書きしたまますっかり忘れ去られていた記事を掘り起こそう!
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そんな寝た子を起こすようなこと、するなよ。
このnoteを始めてもうすぐ3年。気づいたら記事の下書きが山ほど溜まっていた。200字くらいのXにチョロッと毛が生えた程度のものから、3000字を越えてもなお未完というものまで様々ある。今から投稿する記事はほぼ最後まで完成していたのでこの度少々加筆修正するなどしてアップすることにした。私のnoteはデッドストックパラダイス(昔からデッドストックという言葉に尋常じゃないかっこよさを感じている。要は売れ残った在庫品なのだが……)
↑記事とは関係ないカッコいい曲
▼以下 最終編集2年前の記事
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中学生の頃にかなり一時的ではあるが、ハマった趣味があった。
それは、オリジナル回文を作ること。
(回文とは、上から読んでも下から読んでも同じ言葉になる文章のことをいう。「竹やぶ焼けた」とか、そういうやつ)
回文に興味を持ったきっかけは、当時NHKで放送されていた「爆笑オンエアバトル」に時どき出演していた「レム色」というお笑い芸人のネタからだった。
一方はギリギリ意味がわかるくらいのシュールな回文を連呼し、一方はそれにツッコミを入れていくネタが定番で、戦隊モノのスーツっぽい派手な衣装を着用した2人が淡々とフリップをめくる姿をなんとなく覚えている。
ネタのひとつひとつについてはよく覚えていないが「リモコンてんこもり」のような短回文から、よくそんなこと思い付けたなという長回文まで、彼らの持つワードセンスの独特さは、深夜のバラエティ番組などを好んでニチャつく地味カス中学生だった自分にも響きまくった。
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ところで話は逸れるが、この「爆笑オンエアバトル」という番組システムは革新的だった。
ネタ見せした芸人10組中、放送されるのは客席投票で選ばれた上位5組のみというシビアさ。客が色とりどりのゴルフボールをレールにコロコロ流し、それぞれのバケツに入っていく様子が見られるあの投票方法も楽しかった。
エンディングで流れるオフエア芸人たちのコメントには切なさを感じずにはいられなかったし、司会のアナウンサーとオンエア芸人たちが毎回叫ぶ決め台詞の「(新しい笑いを作るのは~)テレビの前のあなたたちです!」はついつい一緒に言いたくなるキラーフレーズだった。懐かし……
ちなみに当時はタイムマシーン3号や三拍子、ホーム・チーム、流れ星、ハマカーンなんかがよくオンエアされていた記憶がある。
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閑話休題。レム色の回文ネタにセンスや知性をバシバシ感じていた当時の自分は「これ、真似できんじゃね?」と軽い気持ちで、思い付いた回文を書き留めていく癖がついた。センスも知性もあればあるだけいいし、でっけ~憧れを手にするには出来そうなことからするしかないのだ。
努力の方向性が間違っている気もするが、こうして冒頭で記したオリジナル回文を自作するという趣味が爆誕したわけである。
冷静に考えたら端的に言ってまぁキモいし大手を振って人に言える趣味ではないな。
部活に恋に勉強に、と正しい青春を謳歌するべきだ、時間は有限なんだと、周囲を見て気づけないところが私たる所以というか。いつも皆よりだいたい2周遅れくらいで世のスタンダードに気づいている。もちろん今もそう。
ちなみにこの回文を書き留めたノートはもう存在しない。恐らくはるか昔に葬っている。キモ暗い趣味には違いないが、今となっては内容をほぼ全て忘れているため、何ならちょっと読み返したいとすら思っているが。
ということで、これを機に(どれを機に?)またオリジナル回文について考えてみようと思う。仕事以外はほぼ家にいる生活、休日はだらけるかゲームするかくらい。時間はあるのだから……
まず当時の方法と同じく、思い付く限りの単語をランダムで書き殴りながら自分の閃きを信じてみる。
食った油でラブアタック
(くったあぶらでらぶあたっく)
意味はわからないが、語感の勢いだけはある。
ファミチキなどキングオブジャンクに相当する揚げ物を食べたあと、唇が油でテッカテカになる様相がまるでリップグロスであり、何かそれがこう、魅力的に写る可能性があるなとイメージした回文である。この説明ありきで評価してほしい。
ランダム単語方式で閃いた回文はこれだけだった。
当時と違ってもういい年の大人なので、回文にはそれなりのクオリティを求めたい。
ということで、数を打つのではなく、言葉の並びが似た単語を2つ3つ書き出し、それだけに集中して何とか回文として組み立てられないか試行錯誤してみた。
貝留守、暇で麻痺するイカ
(かいるす ひまでまひするいか)
リトルマーメイドの世界観を8倍希釈した感じでご想像いただきたい。貝とイカがルームシェアをしている。アンダー・ザ・シーを脳内で流しながらどうぞ。
工夫凝らすのすら幸福
(くふうこらすのすらこうふく)
休日はDIYを楽しむ地方都市在住の核家族の回文が出来ました。ウッドデッキ付きの戸建てに住んでおり、夏はキャンプ、冬はスキーを一家で楽しみます。
大抵は恣意的に規定し沸いていた
(たいていはしいてきにきていしわいていた)
湯か、フロアか。何が沸いたのか文中で説明できていないあたり粗が目立つ。もしプレバト!!なら夏井先生の赤ペンが稲妻のごとく走るだろうが、幸いなことにプレバト!!ではないので間一髪助かっている。(「わ」と「は」は音にすると同じなので多目に見てください。頼みます。)
飼い慣らしている射手知らないか?
(かいならしているいてしらないか)
そんな誇り高き魂を持っていそうな生き物、飼い慣らせるはずがないだろ。
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ある程度の長さかつ一目で意味が通じるような回文を作るのは想像以上に難しい。
短いものなら比較的簡単にポンポン思い付くのに。「婚姻インコ(こんいんいんこ)」とか、「迂闊に使う(うかつにつかう)」とか。これらを上手く組み合わせることができれば……
そこでふと我に返る。ずいぶん長い時間回文と向き合っていた。気づけば深夜1時。その上、頭を使ったからか、凄まじい空腹感に襲われていた。
………………
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ダンッ
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サラサラ……
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トポポポポポ……
ズルズルズズッ……ハフハフ…
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ごちそうさまでした。
〆は飯
(しめはめし)
ハハッ、間違いねぇや。