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ばあちゃんの日記

ばあちゃんは日記を書いていた。
畑の野菜たちの育成日記。

それは種まきの時期、水やりの頻度、肥料の種類や量が記録されていた。
とても大胆な字で、内容は細やか。大学ノートにびっしりと書き綴られていた。

それを見たのはばあちゃんが精神を病んで入院してからだったと思う。
小学生の頃はばあちゃんのことも好きだったけど、大学生、社会人になるほどばあちゃんのことは苦手になっていった。
苦手というよりはむしろ嫌い。
うざいわー、なんなのこのばばあ。

そんな風に思うことはよくあって、そしていろいろあって、ばあちゃんは入院してしまった。

孫から嫌われていた、ばあちゃんはどんな日々を過ごしていたんだろう。
野菜を育て、それが食卓に並び、孫が食べる。どう思いながら見ていたんだろう。

ばあちゃんのことは考えれば考えるほどもやもやして自分が嫌いになる。
野菜の育成日記を思い出すと、こんなに細やかに野菜を観察していた人が孫の感情を読み取れていなかったはずはないんだろうなって、ますます自分が嫌いになる。

『BITS & BOBS TOKYO』
3/22(金) 25:00-25:30 J-WAVE


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