夏といえばポロシャツだったあの頃
ブルックス・ブラザーズが経営破綻。先日このニュースを聞いて思わず「またか」と思いました。
順番は適当ですが、バーニーズ、Forever 21、JCrew、LAURA ASHLEYなど、海外のファッション大手の倒産が昨年から相次いでいます。
一部の倒産はコロナの影響もあるかと思いますが、どの会社も色褪せた戦略をアップデートできなかった=時代に追いつけなかった結果だよね。などと思ってしまう訳です。いずれにしても残念です。
ブルックス・ブラザーズと聞いて私が頭に思い浮かべるのは、なんと言ってもポロシャツです。
ブルックスのポロシャツには、胸にワンポイント、ぶら下げられた子羊マークの黄金の刺繍が入ってます。それがブルックスの証し。
この子羊マークは深い伝統的な意味があるらしいのですが、その話は置いておきましょう。
今でもポロシャツは夏の定番アイテムですが、昔なんだかポロシャツがやけに流行った時代があったんですね。「渋カジ」なんて言葉があった時代です。
その頃のポロシャツの一番人気はラルフローレン。青山学院の女子高生なんかはみんなラルフローレンのポロシャツ着てましたね。ラルフローレンのポロシャツはご存知の通り胸にワンポイント、ポロの刺繍が入っていて、色は白とかネイビーが人気でした。最近のラルフローレンは刺繍がバカでかくて品がありませんね。
私は性格的に人気ナンバーワンのラルフローレンのポロシャツは着たくない。でもポロシャツは着たい。じゃあ何で攻めるか?ということで、当時悩みました。本当にしょーもない悩みです。
ラルフローレンに立ち向かう候補は幾つかありました。
まず「ラコステ」。ご存知ワニのマークの渋いやつ。当時はなんとなくオッサン的なイメージがあり、デパートのゴルフ用品売り場にそっと置かれている感じ。またはヨレヨレに着込まれたUSEDが渋谷・原宿あたりの古着屋に吊るされているイメージでした。
ラコステは新品を売っている店が少なく高価、USEDだとなかなか欲しい色とサイズを見つけられない。ということでボツ。当時友達が新品のラコステを安く買ったと喜んでいたのですが、よく見たら「LACOSTE(ラコステ)」ではなく、「LACUSITE(ラクシテ)」でした。楽しちゃいけません。
次なる候補は「フレッド・ペリー」。葉っぱのマークのかわいい刺繍が目印。フレッド・ペリーのポロシャツは襟や袖口にラインが入っているタイプもあったりして、なかなか小洒落てるんです。
個人的には嫌いじゃないフレッド・ペリーでしたが、当時は売ってる店が少なく、その数少ない販売店の一つが若干モッズ系の店だったりしたもので、そのイメージを引きづりたくないなと見送り。今考えると、当時は本当にしょーもないことを考えていたものです。ヒマだったのでしょう。
そしてもう一つ。ダークホース的な候補として「ベネトン」がありました。カラフルな色使いで日本市場にポッと出てきて一気に人気を集めたベネトン。当時はF1のスポンサーなんかにもなったりして勢いがありました。
ベネトンはさすがにポロシャツの色展開が豊富で、他のブランドには無いようなカラーリングのポロシャツを出してたりしていて、一目置くべき存在でした。しかし問題が一つ。ワンポイントの刺繍マークが私にはどうしても「タコ」に見えてしまうのです。さすがにタコではラルフローレンとは戦えないなぁと、採用を断念しました。
でもって、最終的にはブルックス・ブラザーズで戦うことを決めた私。いざ出陣ということでブルックス・ブラザーズ青山店に乗り込んだ訳ですが、その値札を見て急遽撤退。
その足で原宿の古着屋「VOICE」に向かい、「お、このUSEDラコステ、サイズぴったりじゃ〜ん」と、2,000円位のエンジ色のUSEDラコステをお買い上げの私だったのです。