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さようなら腕時計

腕時計。恐らく誰しもが人生において幾つかは所有する腕時計。

私が最初に手に入れた腕時計は、小学生の頃おじいちゃんに買ってもらった、SEIKOの青い文字盤のクオーツ。宝物だった。

あれから時は流れ、私もなんやかんやと40本位は使っただろうか。

しかしここ数年は腕時計を使わなくなってしまった。今、私の腕にはXiaomiのスマートバンドが巻きついている。


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世の中、腕時計で自己主張する人が割と多い。私もかつてはそうだった。

定番のロレックスを無理して買ってみたり、Swatchで遊んでみたり、SUUNTで武装してみたり。

お金が無いので高級路線は追求しなかったが、ちょいちょい腕時計を購入し、ネクタイのように気分とシチュエーションに応じてコーディネイト。という、今では非常にかっこ悪いと思うことをしていた。

でも最終的に行き着いたのは1000円ちょっとのCASIOで、腕時計では自己主張しないという自己主張だった。


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昭和生まれの男どもには「腕時計は実力の証」みたいな思想が少なからずある。犬も食わない男のステータスってやつ。

だから成功者には、高級腕時計を着けてさりげなくドヤ顔みたいな人が多い。

ま、それはそれで個人の趣味嗜好なので他人がどうこう言う話ではないが、「持っているモノの価値で自分を良く見せる」みたいな考え方はもう古いよね。

ハードウェアよりもソフトウェアが重視される今の時代、もうそういったモノを利用した自己主張というアプローチは流行らない。場合によっては、「まだそんなお金の使い方してるんだ」と言われかねない。

ある意味、お金を持っているだけじゃ威張れない。その真っ当な感覚が我々一般人にもしっかりと落ちてきた気がする。

大事なのはソフト。その人の中身。考え方、発想、感性、表現力。

モノは持たずとも語れる持論、語れる言葉。それが大事MANブラザーズ。


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