昔懐かし「都こんぶ」。酸っぱい思い出が蘇りました。
子ども時代にはこの村にも駄菓子屋さんが2軒ありました。
家の近くにあったマツウラさんもその1軒です。いつも笑顔のおばあちゃんが店番です。
おじいさんは製材屋さんに勤めていて事故で片腕の人でした。おじいさんも気が良い人でいつもニコニコしてました。
マツウラさんは子どもたちのたまり場でした。夏はアイスキャンディーを、冬は温かなオデンが、そして小さな店内には魅力的な駄菓子がいっぱい(子どもの目にはそう映っていました)です。
子どものお小遣いで買えるお菓子ですから5円とか10円単位のものですが、なぜかわたしは酸っぱい味のする「都こんぶ」が好きでした。いくらだったかは覚えていませんが、子ども心に大人になったような気がしたものです。
高校生の頃だったか、おばあちゃんが亡くなりました。それからしばらくして空き家になって、村で最後の駄菓子屋も無くなりました。
今日、スーパーで偶然「都こんぶ」を見つけ、懐かしくて3箱セットを買いました。コタツに入りながら昔懐かし酢こんぶの味を楽しみました。
(もう一度あのおばあちゃんの笑顔を見たいなぁ)
そう思って食べていたら、突然、おばあちゃんに謝りたい苦い思い出が出てきました。
おでんを食べたあとは、食べた串の種類と本数でお勘定をします。子どもたちがそれぞれ串をもっておばあちゃんに渡すと勘定してくれます。
あるとき遊び仲間と串をおでん台の下に隠したことがありました。おそらく帰ったあとでそれを見つけたおばあちゃんは悲しんだことと思います。
「都こんぶ」の酢こんぶとともにでてきた酸っぱい思い出です。
おばあちゃん、ごめんなさい。もうしませんから許してください。
なんだか歳をとるとそんなほろ苦い思い出ばかりが蘇ってきます。
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