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いろんな上司から指示がバラバラに飛んでくるとき
中間管理職の面談のなかで、特にいちばん多い悩みが、
・いろんな上司から指示がバラバラに飛んでくる
・直属の上司と、その上司の上司の意見が違うとき、誰の意見に従えばいいのかわからない
・どちらかの指示で動くと、片方の上司は「なんでやらないんだ」「なんでやったんだ」と怒ってくる
というもの。
正常な組織であれば直属上司の指示に従うのが正しいですが、上司同士のコミュニケーションが悪かったり、機能しない上司が上である場合は、自分も魑魅魍魎の世界に巻き込まれてしまいます。私も中間管理職だったときは散々な目にあってきました。こういうときの対処はまず自分が働く軸を再認識することが原点になります。
1.サラリーマンとして”社内での生存”を重視する
2.自分の価値を最大化するために会社を活用する
絶対的な正解はないので、自分はどうありたいかで対処の仕方が変わってくるでしょう。
1である場合
自分を生かしてくれる人の意見に従う。つまり「何をやる」ではなく「誰からか」を判断材料にする。
直属上司の場合もあるし、そのうえの階層の場合もどちらもあります。この人の指示なら間違いないし、また、ほかの指示が出ていることも率直に伝えて自分の立場も理解してくれるからです。
2である場合
現実的にはこちらを取らざるを得ない状況のほうが圧倒的に多い。信頼している人も生存本能が働けば梯子を外してきます。そういう場合は、労働市場での価値を高めることに徹っする。つまりは自分の役割は「会社に価値を出すことである」「そうすると、こう動くべきだ」と考えること。そのうえで、何がいま最適な指示なのかを判断することになります。
複数上司からバラバラの指示が来ること自体、組織機能が壊れている、上層部での利害争いがある、全体的なコミュニケーション不全などの問題があるので、これがずっと放置されているのはストレスでしかありません。
それらをなんとかしようと動いても、逆に「冷や飯」を食わされることも多々あるでしょう。
そんなときは、多少の待遇低下を覚悟してでも、マトモな組織に移ったほうが、中長期的なキャリア形成上はよいかもしれません。
組織が腐っているとき、自分が所を得ていないとき、あるいは成果が認められないときには、辞めることが正しい道である。出世はたいした問題ではない」(P・F・ドラッカー『非営利組織の経営』)
「そうですか、それは大変でしたね。前職ほどは出せないかもしれませんが、ぜひわが社でその力を発揮してもらえませんか」
そう言われるように日々自分の価値を高めていけば、こういう悩みの大半は消えるのではないでしょうか?