自家製MBA的なシニアの生き方

年末が近くなり、そろそろ来年度のことを考えなければならない時期となりました。
人事担当ということもあり、同年代(60歳前後)と語り合う機会が多くなりました。やはり関心はキャリアです。

・再雇用を選ぶが、給料はどのくらいか不安
・再雇用は嫌なので、思い切って別の会社にチャレンジしたい
・地元に帰って地元企業でノンビリと仕事をしたい

いろいろですが、完全にリタイヤするという選択肢を言う人は一人もいません。大半がまだローンや子供の教育費が残っており、退職金をもらってそこにあてがっても、今度は老後資金が足りない、という悩み。年金繰り下げのため70歳までを視野に入れる人も多いです。

かくいう私も61歳となり、役員ゆえに一年任期ですから、どこで現在のキャリアが終わるかは予測がつきません。

ただ、経済的な理由もあり、現在のキャリアが終わってあとは悠々自適というのはまったくありません。
また、57歳から人事領域に踏み込み、これこそが自分がやりたかったことだったことに気が付いたので、ここで終わってしまっては不完全燃焼です。

そこで、私自身はこんなふうにこれからのシニアキャリアの荒海を乗り切っていこうという海図を共有したいと思います。
大したことのないキャリアですが、まだまだピークはこれからもっていこうとあがいているシニアがここにもいることが、同じく悩めるシニアの参考になれば幸いです。


自分のキャリアに関することを4つのゾーンに分けます。
左上:本業
左下:本業を支えるための学び
右上:本業から得られる将来への展開(未実現)
右下:人生を充実させるためのプライベート

1.本業
人事に関するテーマです。すべて取り組んでいます。
最近は「採用戦略」「ESG関連(コンプライアンス、エンゲージメント、ウエルビーイング)」に関する施策検討の比重が大きくなっています。
社業貢献のために本業に全力を尽くすことが、すべて自分の将来につながるので、「会社の犠牲」「やりたくないこと」という感覚はほぼゼロです。
いい意味での割り切りもできるので、人間関係の悩みもなくなります。

2.本業を支えるための学び
本業のレベルを上げるために、「自家製MBA」で学びます。テーマごとの書籍を少なくとも10冊は読み込めば、人事特化のキャリアの人とある程度話ができるレベルにはなります。10冊といっても2万弱の投資なので、MBAに通うことにくらべればコストゼロに近い。私は地元の図書館及び蔵書予約で入手し、手元に置かなけれなならないものを買うようにしています。
それと学会に2つ、勉強会に2つ所属しています。
書籍だけでは成長に限界がありますので、リアルの場で人から学び、アウトプットを見てもらう場をつくっています。

3.本業から得られる将来への展開(未実現)
シニアの次の展開は本業でやっていること(やっていたこと)を昇華させていくことが重要です。
経営と同じで、まったくシナジーのない新規事業は成功確率が低いと思います。あくまで既存事業での強みを生かした(既存顧客でもよいですが)シナジー効果の出ることをやったほうが安心です。
私はまだまだ暗中模索ですが、noteはそれを考えるよい場だと思っています。
現業ゆえ実務で得た経験をそのまま出すわけにはいきませんので、ある程度消化した形で書くわけですが、なかなか難しい。でもまとめている段階で実務へのフィードバックや課題も見つかるので、本業にもよい結果になっていると実感しています。
私は10数年前までは事業承継コンサルタントとして著書や記事寄稿、セミナー講師をしていました。ゆえに勘所はあるものの人事領域では実績ゼロなので大きなチャレンジになります。

現在のキャリアが終了した場合に備えて起業も視野に入れていますが、いまは本業に全力で取り組む、レベルを上げていくことこそが将来の燃料になると考えています。

4.人生を充実させるためのプライベート

60歳を超えて将来の経済基盤への不安もありますが、いちばんは健康です。
健康であればなんでもできる、は本当だと思います。
私自身、キャリア失敗、起業失敗もあり、苦しい状況ではありますが、たとえいま老後資産がなくても、働き続ければいいわけです。
仮の話ですが、60歳から65歳まで再雇用で年収400万をキープできれば2000万。65歳から70歳まで個人事業主で年収300万キープなら、合計3500万になります。再雇用での給与激減問題はありますが、働かなければ貯蓄からその分が出ていくわけですから、働き続ければなんとかなると前向きに考えれば老後不安は軽減します。また自分の将来のためのノウハウ蓄積期間として捉えれば再雇用も価値があります。会社所属だからこそのリアルな実務メリットは大きいはずです。

そう考えると60歳からのシニアでいちばん大事なことは「健康管理」
健康のためには筋トレがいちばんよさそうです。筋トレによる血流改善、代謝改善、そしてメタボではない筋肉モリモリは自信がつきます。
週2回のジム(水、日)に加え、週1回のサウナも欠かせません。
サウナは自律神経を整え、夜よく寝れるようになります。
サプリも大事です。HSPで強迫症だったのですが、”ナイアシン”服用でかなり良くなりました。

株式投資は資産形成としては全然機能していませんが、少額投資で経済の動きを勉強するためにやっています。
痛みを伴う学びです。
投資先の上がり下がりを経営課題や取り組みを通じて分析するのは投資というよりもエンタメに近い感覚です。
こちらは大ケガをしないようにやっています。

人生は楽しむためにあるというのが信条ですので、全体的に無理はしません。疲れたら休む、が大事です。一人でぶらりと温泉宿へいき、おいしいものを食べて、物思いにふける。月2回は大自然に触れて畏敬の念をもつことも心のケアのうえで大事ですので、そのときはケチな私でもある程度お金を使うようにしています。

まとめ
あくまで私の考えですが、60歳以降のひとつの生き方は、
・本業は再雇用であっても全力(将来の自分のため)
・そこから知見を蓄積して次の展開を考える
・健康で働き続けることで老後資金不足をカバーする
・とはいえ、人生も積極的に楽しむ
ということもあると思う次第です。