集え最強!ビジネススキル最強No.1決定戦~第2試合〜
対戦カード
前回予告した通り、第2試合は以下のカードとなる。
トーナメント表などはこちら。
数学
微分・積分、背理法、帰納と演繹などなど、高校数学までに聞いたようなワードを絡めていろいろと説明してくれているが、内容はかなり初歩的というか、会社員1年目の人にひとまずお話しするような内容で目新しさはなかった。
本書では各節のタイトルの下に数学の単元を記載してくれており、例えば「ミクロの視点を持つ【微分】」といった具合である。
この節ではP&Gの事例が紹介されているが、どうも微分と紐づけるのはムリヤリのようにも感じる。
この後なんやかんやで微分とは変化を細かくとらえるミクロの視点であり、このミクロの視点で変化の芽を捉えることが大切と展開されるのだが、仮に微分の部分を省いたとしてもこの節は成立してしまうのが惜しいと思う。
著者の永野さんはがっつり数学畑の人らしいのでたぶんコモンセンスがバグって一般人の感覚との乖離を調整しきれなかったものと思われる。
(これについては本書の「おわりに」でも少し言及されている)
また、「はじめに」には以下のように書かれており、それが確認できたので良しとしよう。
私の中にあるものがあまりにも当たり前としていることだったので拍子抜けしてしまった。
本書はハマらなかったが、ほかの著書は読んでみたいと思いました。
質問力
本書は主に、架空の会社の若手社員2人が社内研修の先生である瀬木先生の講座を受講するかたちで進められる。全5日の研修プログラムで、章立てもDAY1~DAY5に分かれており読者も同じペースで読み進めることができる。
ビジネスにおける対話の心構えからかなりテクニカルな内容まで5日間に詰め込まれている。
DAY1とDAY2では、そもそも普段から何事にも疑問を持たないといきなり質問なんて出てこないし、相手を質問攻めにしてうまくいくわけないんだから聞く姿勢も気をつけましょうね、というようなことが書いてある。
これには完全に同意するし、じゃあどういうところに気を付けましょうかということがかなりわかりやすく書いてあるので、読んだ日から実践しやすいように思う。
後半は「一般的には?」と聞きつつ本音を話してもらうとか、5W1Hを意識して質問しましょうとかテクニカルなことが書かれており、こちらも読んだその日に1回くらい試すチャンスがありそうだ。
勝敗
数学力とは物事を論理的に考えられる力とされている。要はロジカルシンキングと言い換えられると思う。
一方で、序章を改めてお読みいただきたいが、ロジカルシンキングと並ぶ優勝候補として「問う力」を挙げている。
今回の「質問力」と「問う力」を一緒にするか別にするかはちょっと悩んだのだが、私の勝手なイメージで質問力は相手に対する質問の精度を上げる力、問う力と言われると自問もおおいに含むように感じたので別のスキルとしてトーナメントを組んだ。
ただ、本書を読むと1章にさっそく「「自分に対する質問力」を磨く」となっており、さらにその中で「まずは、自問自答で脳を「質問体質」に変えよう」という項目があった。
これはもう問う力と同じということでいいと思う。
すなわち、今回は優勝候補とされている「ロジカルシンキング」と「問う力」の代理戦争ということになった。
私は、他人と話をして落としどころを探りながらなんとか仕事を進めるようなことばっかりしているので、コミュニケーションを円滑にできるスキルに魅力を感じてしまう。(工場勤務の方など、ピンと来ない方も多いと思うが)
その意味で数学力も質問力もどちらも魅力的ではあったが、より実践的に感じた「質問力」を勝者とする。
若手はどちらも読まれることをおすすめします。
次回予告
さて、第3試合は以下の通りである。
なんだか試合になるのか不安だが、乞うご期待!