クルド人、入国管理局、日弁連と岩波『世界』

20年前に入国管理局が作成したレポートが話題である。

 入国管理局のこのレポートは、2005年に日本弁護士連合会が法務省に警告書を出して、封印したものである。
 警告書の日付は 2005年(平成17年)12月26日 になっている。

この警告書は、入管の調査をクルド人への人権侵害と断定している。

法務省職員らが、トルコ共和国を訪問し、申立人らの氏名・住所等個人を特 定する情報及び難民であると主張している事実(個人特定情報等)を同国政府 関係者に提供し、更に同国の警察・保安部隊関係者を同行して申立人らの同国 在住家族等から事情を聴取した行為は、難民であるとして庇護を求めている者 (庇護希望者)らの個人特定情報等を国籍国政府関係者に提供されない権利 (秘密保持権)を侵害し、庇護希望者及びその家族等の生命・身体等の安全・ 自由を侵害するおそれを生じさせる重大な人権侵害行為である。

法務省入管の難民現地調査に関する人権救済申立事件(警告)p.1

日弁連がこういう主張をする根拠は何だろうか?それはおそらく、2004年12月号の岩波『世界』に掲載されたルポルタージュである。

 このルポルタージュは、国会図書館に情報がある。
タイトルは、「難民 日本の難民認定制度、危機的状況--在日クルド人問題を通してみる入国管理政策の実態」で、著者は「中島 由佳利」である。

中島 由佳利の著作一覧も、国会図書館で調べることができる。
「世界」のほかに、明石書店、週刊金曜日、解放出版社、新日本文学会など、左翼系の雑誌にに記事を書いているライターであることがわかる。

中島由佳利とは、このような人物である。

1964年生まれ、埼玉県在住。ピアノ教師、雑誌のライターを経て、90年代後半よりトルコ南東部のクルド人問題の取材を始める。ノンフィクション・ライターとして活動する一方、自宅で音楽教室を主宰。『新月の夜が明けるとき』は、第2回「三一ノンフィクション大賞」(2000年)佳作入選ののち、雑誌「未来」に2001年から翌年にかけて連載された。現地取材のほか、日本在住クルド人のサポートにも関わり続けており、「クルドを知る会」設立スタッフの一人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

新月の夜が明けるとき 北クルディスタンの人びと』より

つまり、上記の「クルドを知る会」のXアカウントによるツイートは、我田引水である。

これは、山梨日日新聞の記事である。本人の写真が掲載されている。

(了)

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