中立な曲線
水平線が好きなので、時々海を見に行く。真っ平らな線がこの世界の果てのように広がる。その向こうに見えない世界があるらしいことが希望であり絶望であり諦めであるから、今の自分を肯定できる気がする。飛び込んでしまっても良いし、そうしなくても良い。自分が生きていることを決めているのは自分自身だ。
海と陸は正反対のものなので、波打ち際は特別に不思議だ。地球の内側と外側の両方を見ている気がする。素足になってその真ん中に入ると大抵の思考は停止してしまう。
地球の自転と同じ速度の飛行機で、ずっと夕焼けや朝焼けを追いかけたら面白いだろうな。なんてくだらないことにうなづいてくれる人はいるだろうか。