【CEO x CTO対談】マネーフォワードへの合併を控えた、クラビスと「STREAMED」への想い。
みなさん、こんにちは!クラビス採用チームです。
2024年5月16日に弊社、株式会社クラビスと親会社である株式会社マネーフォワードとの吸収合併に関するリリースが発表されました。
そこで今回、合併に関する経緯とクラビスに対する思いをCEO 君島さんとCTO 古濱さんのお二人に語っていただきました!
グループジョインから合併を経て、事業や組織がどう変わり、今後どうなっていくのかをざっくばらんにお話しいただきましたので、ぜひ、ご一読ください!
合併の経緯と組織の変化
ーー早速ですが、クラビスとマネーフォワードのこれまでと、今回の合併の経緯を伺えますか?
君島:背景としては大きく2つあります。ユーザーへの価値提供を最大化できる組織にしたいことと、単一サービスでの伸びはどこかで限界が来ると感じたことです。
クラビスとマネーフォワードは、クラビスがSTREAMEDを開発し、マネーフォワードが販売をするという関係性です。マネーフォワードにおいてSTREAMEDは、士業領域のドアノックツールとして位置付けられております。そのため、STREAMEDの利用拡大はマネーフォワードの士業領域でのシェア拡大にもつながっています。両者が足りないピースを補いながら事業成長を実現してきましたが、あくまでもそれぞれで事業計画や戦略を策定しているため、完全に同じ方向を向き、同じ優先順位で活動をするまでにはいたっていませんでした。そのため、両者の足並みを揃えた提供プランやサクセス体制、プロダクトロードマップなどが実現できると、今以上にユーザーの体験を良くすることができると感じていました。
また、外部環境を見ても単一サービスのみで事業を伸ばすことの難しさからコンパウンド化やM&Aを含む事業提携などが活発になっており、クラビスもこのまま単体での会社運営を維持すべきか意思決定をしないといけないタイミングだと考えておりました。
上記の背景から、事業計画や戦略の見直しのタイミングで合併を検討し始め、関係者とディスカッションし、合併という意思決定にいたりました。
ーーありがとうございます。合併により組織はどのように変化していくんでしょうか?
君島:クラビスがマネーフォワードの中に入る形での合併になっているので、マネーフォワードの組織形態に合わせることになります。大きくはクラビスを開発とビジネスに分け、それぞれが連携しやすい部門に入る形です。これまでもビジネスと開発は部署が異なっていたとはいえ、1つの小さい会社で一体となり働いてきました。本部が別々になることは大きな変化ですが、それによるメリットがあると考えています。
ーーどういうメリットがあるんでしょうか?
古濱:小さい組織でこれまで同様に柔軟に開発をしてプロダクトを成長させることも重要ですが、ユーザーの重要な業務プロセスに組み込んでいただけるようになってきていることもあり、同時に安定したプロダクト運営も求められるフェーズになってきていると考えています。そういった状況を踏まえた時、マネーフォワードがこれまで経験し対応してきた大規模かつ業務上クリティカルな部分を支援するシステムの運営体制に乗っていくことは、プロダクトの価値を高めて安心して今後もお使いいただけるようになるという、ユーザーにとっての大きなメリットの一つだと思っています。
また、組織があるべき姿になる上での変化を促進する側面もあると考えています。組織を事業の成長に合わせスピード感を持って成長させていくことを考えたときに、マネーフォワードのノウハウを元に一緒に組織作りや採用活動を行うことでクラビス単体のときよりも確実に必要な変化を実現できると思っています。
ーー働き方やキャリアのあり方は変わっていくのでしょうか?
古濱:開発に関して言うと、これまで通りのビジネスとの距離感や意思決定の速さは維持していきます。プラスな変化で言えば、マネーフォワードの高度な専門知識を持っている人たちの力を借りやすくなるということが挙げられます。クラビスはスタートアップ的に全員がフルスタックに守備範囲広く戦ってきましたが、マネーフォワードは開発組織の大規模化の中で高度な専門性を持っている人が分業しあうような組織体制になってきています。
高い専門性を持つ人の力を借りることのハードルが下がることで、STREAMEDというプロダクトにも良い変化を起こしやすくなることはもちろん、メンバーのキャリアにとってもゼネラリストだけでなくスペシャリスト的なパスを用意できるようになったと考えています。
ーービジネスサイドはどうでしょうか。
君島:ビジネス側は、セールス、マーケティングやサクセスなどこれまでも密に連携し事業を進めてきたので、直近では大きな変化はありません。中長期で見ると、クラビス単体以上にマネーフォワードグループ全体のほうが個々人の成長機会も多くあると感じています。クラビスのメンバーが機会を活かし、グループ全体の成長と一緒に個人も成長していけると良いなと考えています。
ーー事業の今後の展望で決まっていることはありますか。
君島:STREAMEDは会計事務所の最も大きな業務負荷である紙からの手入力をなくすことができました。それでも作りたい世界はまだまだ実現できていません。
手入力だけでなく、資料回収やスキャンなど前工程の自動化や、会計事務所と顧問先間でのコミュニケーションの円滑化など、限りなく会計事務所の業務負荷を減らし付加価値業務に専念できる状態を作りたいです。マネーフォワードとの合併により、その世界の実現速度を上げることができるようになると考えています。
クラビスのこれまでを振り返って
ーーここであらためて、お二人が関わってきたクラビスのこれまでを伺えますか?
君島:私はクラビスがマネーフォワードにグループジョインした時のマネーフォワード側のPMIの責任者としての関わりがスタートです。11月にグループジョインをしましたが、クラビスにとって2〜3月が最も売上があがる時期のため、急ピッチでマネーフォワードでのセールス体制を整えスタートダッシュを切ることが始めの目標でした。そこでのプロセスを話すととても長くなるので割愛しますが結果的には大成功でした。成功の要因は、STREAMEDのプロダクトの強さとマネーフォワードの営業力の強さでシナジーが生まれたことはもちろんのこと、両社が変化を恐れないカルチャーを持っていたことで組織の摩擦が小さかったことにあります。そんなスタートだったんですが、その後は代表も引き継ぎ会社全体を見たりと本当に濃密な経験をすることができました。
古濱:僕がクラビスに深く関わり始めたのが2021年の6月頃からでした。その2ヶ月後ぐらいに前任のCTOや当時2人いたEMがそれぞれの道に進む選択をされて、開発組織の上層部がすぽっと抜けたタイミングがあったんです。当時開発組織にいたメンバーたちが、採用もマネジメントも開発も運用もオーナーシップを持って必死にやっていました。当然様々な課題がある小さい組織で開発だけではなくてビジネスメンバーたちとも二人三脚で走り、なんとかここまで事業成長を維持することができました。
同時に、事業成長に応じて毎年システム負荷が増えそれによってシステムが悲鳴を上げ始めており優先度を上げて課題解決に取り組んでいるというのがここ最近の我々です。なんとかここまで来れた嬉しさと次の課題を越えないといけないという大変さが混ざった状況がずっと続いており、総じてエキサイティングな環境だったかなと思っています。こうした環境下で怒涛の3年間を駆け抜けて来たことそのものが思い出深いです。
ーーお二人が仕事を通してどのように関わってこられたかも伺えますか?
古濱:実は一番最初に僕と君島さんが出会ったのは、僕が学生インターンでマネーフォワードに入って最初に配属された事業戦略部という部署なんです。当時は君島さんはマネーフォワードクラウドのプロダクトのカスタマーサクセスをされている傍らでその部署にも関わられていました。初の仕事経験で当時の先輩方に指示されるまま右も左もわからずジュニアワークをしており、同じプロジェクトに君島さんもいらっしゃった形です。その後それぞれが別の場所で数年間の業務をしました。君島さんはクラビスのグループジョインの初期からクラビスの経営に深く関わられ、かたや僕はエンジニアになりマネーフォワードで業務を行ったうえで最終的にクラビスで再会をしました。あのときの2人がクラビスの経営の立場で事業・組織運営をすることになったのは、思い返してみるとぐっと来るものがありますね。
そういった経緯から始まったこともあり一定の信頼関係のある中で始まったので、ビジネス側は君島さんが見てくれて僕は開発の課題解決に集中できる環境だったと思っています。大きく責任を任せてもらった感覚があったのと、一方で領域問わず重大な課題については君島さんといつでも相談できる安心感がありました。まとめると、開発とビジネスでざっくりとした責任範囲の分担はあり、特に組織的な重要課題については2人で重点的に話す形で仕事をしていたと思います。
君島:事業計画や戦略、組織開発などについてディスカッションし意思決定をしていくといった大きなレベルの話はもちろんのこと、小さなレベルのこともなるべく情報を同期し、状況が分かるようにしていました。そのため、日々のミーティングとは別に毎週木曜日始業前に二人でアジェンダなく会話をする時間を作っていました。明確に課題にはなってないけれど、気にしてる、引っ掛かりがあるようなことを話してたので、早期にそれぞれの領域の状況を理解し必要なアクションを取り合うようにできていたとも思います。
ーーありがとうございます。あらためてSTREAMEDというプロダクトとクラビスという会社に対しての思いを教えてください。
君島:今でこそ競合が出てきましたが、STREAMEDは誰も解決できていなかった大きな課題を解決しているサービスです。満足度調査の結果やNPSも非常に高く、私たちも胸を張って作り、販売しサポートすることができています。STREAMEDによって、当たり前だった手入力はなくなりつつあり、会計業界を多少なりとも変革できたことを非常に嬉しく思います。
会社組織という意味では、本質的なことに注力し、スピード感を持って事業を進める意識が浸透しており、ベンチャーの醍醐味を体現できていました。そういう環境が私はすごく好きで、大変なこともたくさんありましたが本当に楽しかったです。
私個人としても、事業を伸ばすためにどういう戦略で、どのように実行力のある組織を作るのかなど事業全体を見る経験を経て、視座が大きく変化し成長できたと感じています。
古濱:クラビスに入った際の全社の前での自己紹介の時にも言ったんですが、SaaS開発のエンジニアをやっている中で、世の中はソフトウェアだけでは解決できない問題があると思っています。物理的な問題、例えば机の上に紙がたくさん溜まっていたり、ダンボールに紙がぐちゃぐちゃ入って送られてきたり、げんなりするような状況もあって、でもその時に目の前の便利とされているパソコンは助けてくれないことがある。そんなことを感じているときにSTREAMEDと出会って、STREAMEDはSaaSの中でも比較的ソフトウェアだけでは手を出しづらい物理的な課題を解決しに行けているところが好きです。
ソフトウェア単体が進化するだけでは解決が難しいであろう場所に踏み込んでいて、とても意欲的な挑戦だと思っていますし、僕自身が気に入っている部分です。
3年に渡ってSTREAMEDと携わってプロダクトを良くしようとしてきた中でも、挑戦の面白さは全然消えずむしろ強まっていると感じています。それは、オペレーターだったり、AIだったり、あるいは普通のロジックだったりと様々な方法を駆使し、STREAMEDが取り組む課題の解決の面白みや難しさを日々実感できているからだと感じています。
組織面で言うと君島さんの話に少し似ていますが、ビジネス側と開発側それぞれが相手の熱量に応えようとする思いがある事がすごく好きなところです。例えばビジネス側が頑張って大きい受注をしたときに、開発側が応えようとして努力する。逆に開発側が開発を行う中で問題があったときに、ビジネス側がそれに対処するためにユーザーコミュニケーションなどに奔走してくれる。こういった関係性はお互いのリスペクトがあってのもので、事業がより良くなるようにそれぞれができることを最大限しようという前提があると感じています。
STREAMEDが描くこれからの世界
ーーありがとうございます。STREAMEDの今後をぜひ伺いたいなと思ってます。
君島:こちらのnoteでSTREAMEDのビジョンや今後の展開について話をしていますので是非ご興味ある方はご覧ください。簡単にまとめますと、会計事務所が何もしなくても紙がデータ化されクラウド上に存在し、確認をするだけで記帳が完成する世界を実現したいと考えています。そのためにはまだまだクリアしないといけない課題があるので、クラビスだけでなくマネーフォワードグループでそれらに取り組んでいく予定です。
事業戦略やプロダクト戦略はもちろんのこと、システム導入から定着に至るまでのベストな体験もグループ一丸となりユーザーに提供をしていきたいと考えています。
ーー開発側はどうでしょう?
古濱:クラビスでやっていたSTREAMEDに限らず、マネーフォワードグループ内には会計事務所向けに複数のプロダクトがある状況です。これらを連携させ、またこの領域に新しいプロダクトを作ることで、全体が連動してユーザーからすると一貫した効率化の体験を得ることができるようになると考えています。STREAMEDだけを育てるのではなく、会計事務所ユーザーの体験を起点に考えた上でより広い業務範囲をサポートしていけるような状態を周辺プロダクト間で連携しながら作っていく形に、事業も組織もしていきたいと思っています。
また、STREAMEDで長年培ってきたオペレーターの業務がAIの学習データになるというAI改善サイクルはマネーフォワードにも取り組む余地があると思っていて、このサイクルに関する知見や仕組みをマネーフォワードに還元していけるといいと考えています。
ーーこれからのSTREAMEDの事業に興味を持ってくれる、候補者や求職者に対してメッセージをお願いします。
古濱:僕からはエンジニアの方々に向けてお伝えします。ソフトウェアと人の力を使って課題解決ができるプロダクトと組織は、これからマネーフォワードと一緒になることでより拡大していき機能と運用のレベルを引き上げていくチャレンジができると思っています。事業や組織が大きい会社の一部に変化し成長のスピード感を上げていくというのはどこにでもある話じゃないので、他にはない課題とその解決に伴うチャレンジがあると思っています。
前例の少ない中で、自分がこの環境でソフトウェアやオペレーターを通しての課題解決を一番上手くやるんだっていう熱量のある人に来てもらえると、僕からは裁量とともに面白いチャレンジが提供できると考えています。
君島:日本は中小企業が経済を支えており、中小企業の多くは会計事務所が関与をしています。中小企業白書などを見ると、中小企業の経営者は日頃の経営相談の相手として会計事務所を一番に選んでいます。経営者は会計事務所と経営の話がしたいんですが、会計事務所は記帳代行をはじめとした日々の業務に忙殺され、実態としてはそこに時間を割ききれていません。STREAMEDをご利用頂くことで日々の業務は大幅に効率化でき、経営の話をする時間を増やすことができます。その結果、間接的に中小企業の経営はより良くなり、ひいては日本経済が良くなると考えています。
バーティカルに1つの産業を変革し、そこから日本全体の経済をより良くしていけるチャンレジングで社会性のある仕事です。カジュアル面談もしていますので、少しでもご興味ある方は是非ご応募ください。
株式会社クラビスでは、引き続き一緒に働く仲間を募集しています!
現在、言語問わずWeb開発を経験されていて、SaaS開発に挑戦したい方、プロダクトや組織にご興味ある方は是非カジュアル面談もお気軽にご応募ください!
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