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30歳からのピアノ入門
クラビアーノです。
はじめに
今回はなぜか忌避される「大人のピアノ」(30歳という年齢は本質的ではありません。何歳からでも習っていただけます)について書いていこうと思います。
今教えている生徒さん(大人の方)とゆっくりお話をする機会があったのですが、その時に「大人からのピアノ入門は厳しいとばかりネットに書いています」とのこと伺いました。
私の返答としては「フェイクです」の一言になります。
本記事では大人の人がいかにピアノに入門するかを、それができるという前提で進めていこうと思います。
楽譜を読めるようになる
ピアノ導入の究極の目的は、年少者に対しても大人に対しても、「楽譜を自分で読んで鍵盤で弾けるようになる」ことです。
なぜかと言うと、楽譜が読めなければ先生とのレッスンでしかやっている曲を先に進めない状態が続くということで、「自主練」ができないままにとどまります。
ですから早く曲目を学び進めたいとか、たくさんの曲を同時並行して習いたいという想いがある方は、まず第一に譜読みを習得すべきなのです。
クラビアーノ音楽教室の取り組みとしては、初期段階になるべくレッスンを多めに取っていただいて(例えば1週間に2時間)、譜読みを習得していただき、その後にある程度練習できるようになってから通常の頻度(例えば1週間に1時間)にしてもらうというようなやり方があります。(もちろん多めのレッスンを継続していただけるとそれだけ早く上達することには変わりありません)
楽譜を読めるようになるためのプロセスを図式化すると以下のようになります。
楽譜カード等で音符を覚える
↓
楽典の初歩的な知識を教えてもらい、音符以外の情報(スラーや速度指定等)を得る
↓
実際に簡単な曲(バーナム等の初級教材)を練習し、読んでみる
↓
先生に訂正されたり、音源を聴いて自己訂正したりする
このような流れが譜読み習得のルートとなります。
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音階やアルペジオが弾けるようになる
次に、テクニックのお話をしましょう。
楽譜が読めても基本的な音形を実際に「正確に」鳴らすことができないと曲を弾くには難儀します。
ですので、音階を両手で弾いたりアルペジオをいろんな調で弾くことが必須です。
そして音階やアルペジオというのはいろんな曲のいろんな箇所に出てくる音形の素ですから、何百通りも弾き方があって、奥が深いのです。
今日は三つ弾き方を紹介しましょう。
レガート奏法
これはその名の通りレガートで弾く方法です。前の音を次の音が鳴る直前まで伸ばして離鍵するのが基本です。
みなさんが普段イメージしている音階がこれにあたると思います。アルペジオも同じです。
スタッカート奏法
次に技巧面をレベルアップする奏法を紹介しましょう。
ここでいうスタッカート奏法とは一音一音にアクセントを入れ、端切れよく打鍵する奏法です。
この時手首の位置が上下しないのが連続して上手く弾くためのポイントです。
手首をもう片方の手で軽く握ってあげながら練習するといいでしょう。
この奏法で練習すると格段にレガートで弾きやすくなります。
これとは別にアクセントは入れずにむしろ力を抜いてするスタッカート奏法もあります。
こちらは脱力の練習として使うといいでしょう。
アルペジオでも同じことが言えます。
モルトレガート奏法
ここからは少しロシアチックな話になると思います笑
なぜならあまり他の流派では「モルト・レガート」を重視しない印象だからです。
この奏法は、打鍵した音があってその次の音が鳴ってもなお、前の打鍵した音の残響を残すために、鍵盤を押したままにする奏法です。
まずは、わざとらしくやってみましょう。
ドレミファソラシドとハ長調の音階を弾いてみます。
例えば右手だと、ドからファまでは指をくぐらさずに弾けますが、この4音を全て鍵盤を押し込んでみてください。離鍵しないのです。
こうすることで4音の残響が混ざります。この状態が「モルト・レガート」です。
もう少し緩くやってみましょう。2音ずつモルト・レガートを使って、3音目になると最初の音は外してしまって構わないです。
どうですか?響きは気に入りましたか?
そうなんです!これだけで音楽的に聴こえるんです。
ロシアの教師がよく「本物のレガート」と呼ぶこの奏法、皆さんも試してください!本当に響きが変わります!!
ちなみにアルペジオだと、2音繋げるのが限度だと思います。
曲を弾く
ここまで来たらもうあなたは「ピアニスト」の1人です!私はそう思います。
ピアノという楽器は音が出るのが簡単な割に、そのパターンを際限なく複雑にすることができて練習や準備に時間がかかるわけですよね。
ですから練習する曲は徐々に難しくしていきましょう。
ここでは初心者に向けた半年のプログラム(簡単な計画)を紹介します。あくまで一つのモデルだと思ってください。ちなみにレッスンを週に一回1時間、上級者の講師(平均的な日本の音大生以上の水準)に習うと想定します。
サティ・ジムノペディ1番やバッハのメヌエット(最初の2ヶ月)
↓
ベートーヴェンやモーツァルトのソナチネかシューベルトの楽興の時、あるいはメンデルスゾーンの無言歌(次の2ヶ月)
↓
リストの愛の夢、ショパンの練習曲、ベートーヴェンの月光(その次の2ヶ月)
以上が、理想的な講師と積極的な生徒が合わさった時のモデルルートです。
もちろん実際にはさまざまな障壁が出てきますから、例えば倍かかる人もいるでしょう。もしかするともっと段差を小さくしてその分曲目を増やした方がいい人もいるかもしれません。
ただ、大事なのは、丁寧に曲をこなしていけば、中級程度の曲に達するにはそこまで時間はいらないということです。
最後に
以上が大人でピアノを始めてみたい人に向けた応援記事になります。
ちなみに1日何時間練習したら良いかについては、「(少なくとも)1時間」というのが私の答えです。
それでも全然前に進まなかったら先生に習うとか先生を変えることを検討した方がいいと思います。
また、今回の記事のような方針で、本格的にピアノを習いたいという人、趣味で習ってみたいという人、いろんなニーズにお応えいたしますので、お気楽にメール(klaviano.musicあっとgmail.com)にてお問い合わせください。
お試しレッスンは2500円(別途交通費)から行っております。
オンラインでも出張でも杉並区か阪神間の教室でも大丈夫です。
それでは皆さん良き音楽ライフを!