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月光を9ヶ月でマスター!〜ピアノ中級者になるために〜
はじめに
前回の記事では、軽く「ルート」を書きましたが、今回は1年でベートーヴェンの月光ソナタを全三楽章弾けるようになりたい人向けに、それまでの学習プランと注意点を書きたいと思います。
最短距離で月光を弾くためのプランなので、少々ハードですが、一つの目安として参考にしてください。なお週に2時間レッスンを受けることを想定しています。
クラビアーノ音楽教室(klaviano.musicあっとgmail.com)ではこのようなルートでの指導にも対応しておりますので、月光に挑戦したい方はどのような方でも歓迎です!お気軽にご依頼なさって下さい!
月光攻略のルート
サティ・ジムノペディ1番やバッハのメヌエット(最初の2ヶ月)
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ベートーヴェンやモーツァルトのソナチネかシューベルトの楽興の時、あるいはメンデルスゾーンの無言歌(次の2ヶ月)
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リストの愛の夢、ショパンの練習曲、ベートーヴェンの月光(その次の2ヶ月)
前回の記事では以上のようなルートを紹介しました。
これを以下のように月光ソナタに特化する形で改訂します。
最初の1ヶ月(導入): サティのジムノペディ1番、バッハのメヌエット、バーナムと音階練習(C-dur)
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2ヶ月目(初級): ベートーヴェン月光の第一楽章、バッハのインベンション2曲、バーナムと音階•アルペジオ練習(G-Dur等)
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3ヶ月目(初中級): 月光の第二楽章、バッハのインベンション2曲、ハノンと音階•アルペジオ練習
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4-5ヶ月目(中級下): メンデルスゾーンの無言歌より、シューベルト/リストのセレナーデ、バッハのインベンション4曲、ハノンと音階•アルペジオ練習
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6-7ヶ月目(中級中): モーツァルトの幻想曲、ショパンエチュードop.10より、バッハのインベンション4曲、ハノンと音階•アルペジオ練習
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8-9ヶ月目(中級上): 月光の第三楽章、バッハのシンフォニア4曲、ハノンと音階•アルペジオ練習
以上が、月光全三楽章を攻略するための戦略となります。
ルートの解説
ルートについて詳しく説明していきます。
最初の1ヶ月(導入)
最初の1ヶ月はとにかくピアノに触れて手を動かしたり読んだりして楽しむことが重要です。
またサティはペダルが重要ですから、先生からペダルの踏み方を習って、その後のステップに活かせるようにしましょう。
2ヶ月目(初級)
いよいよ本題です。この月は月光の一楽章を学びます。月光の一楽章は単純そうに見えて奥が深く、表現の幅が広いです。ロマン派的な解釈にはとても良い題材です。このような曲は教える側の技量も要されるため、なるべく専門的な経歴のある講師に依頼するといいでしょう。
またバッハのインベンションが始まります。アーティキュレーションやフレージングを習って理想の演奏に近づけましょう。
3ヶ月目(初中級)
この月は月光の二楽章を学びます。
それと並行してハノンを始めます。ハノンは非常に長い曲集ですので、日によって箇所を決めて集中的にやるといいでしょう。1日に通して全てやろうとする必要は必ずしもないです。
音階練習はいろいろな調で試してみましょう。
どの調から弾いていくかは先生と相談して決めると良いでしょう。
4-5ヶ月目(中級下)
この2月では、二曲の新曲を学びます。メンデルスゾーンの無言歌と、シューベルト/リストのセレナーデです。両方ともロマン派の作品で、抒情性を要します。ただ弾くだけではなく何をどうやって表現するかを先生と相談しましょう。例えばクレッシェンド•ディミヌエンドの強弱表現やモルト•レガートを用いた丁寧なフレージングです。
インヴェンションは2週間で一曲仕上げるペースで頑張りましょう。
この段階に差し掛かると、独習の効果が出てくるのが期待できます。平均で1時間くらい練習できるとスムーズに習得できると思います。
6-7ヶ月(中級中)
この2ヶ月ではモーツァルトで古典派のスタイルを学び、ショパンのエチュードで月光第三楽章に向けた指のトレーニングに励みましょう。
ハノンは毎日続けると効果的です。15分はやってみましょう。
曲の難易度や解釈の難しさはさらに上がりますが、先生と相談して、何に重きを置いて練習を進めるかをはっきりさせましょう。既に弾けているところを何度も弾くのは時間のロスになりますし、とはいえ全く弾かないと忘れてしまいます。効率よくレベルアップするにはバランス感覚が必要です。
8-9ヶ月(中級上)
ついに本命の月光第三楽章に取り掛かります。
ショパンの練習曲や日々のハノンで鍛えた技巧と、これまでの曲をこなす中で得られた読譜能力を駆使して、存分に弾きましょう。ここまでのプログラムがそれなりに達成できたのなら、少なくとも、中間のテンポで弾くレベルまでに持っていくのには難儀しないはずです。
また、バッハのインベンションを終えてシンフォニアに入ります。3声になり練習が大変になりますが、先生とペース配分を考えながら適切に練習していきましょう。
まとめ
以上が、クラビアーノ音楽教室の紹介•提供する「月光」攻略ルートになります。
想定される練習時間は全ての段階において、1日30分から90分程度になります。あとは先生と相談して、曲の完成度についてはある程度は妥協する分早く進めるとか、ある曲に関してはさらに時間をかけて完成度を固めるとか、いろいろ検討してみてください。
このプログラムでは量をこなし、「慣れる」ことに重きを置いていますので、一つ一つ丁寧にやりたい神経質な方には向いていないかもしれません。
しかしそれなりの「重み」を感じながらトレーニングしたいというような体力のある方にはとても効果の期待できるプログラムとなっています。
興味のある方はぜひお試しレッスン(1時間2500円より。別途交通費)をお申し込みください!
それでは良き音楽ライフを!