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KKV Neighborhood

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KKV Neighbourhood『Talkin bout MoshPit & DanceFloor & Living』はライブやパーティーのフロアで感じたこと、心が動かされた音…
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2023年10月の記事一覧

Killerpass 『あるいていこう』自分のことを歌うパンク・ロック by 長谷川文彦

KKV Neighborhood #190 Disc Review - 2023.10.26 Killerpass 『あるいていこう』 review by 長谷川文彦 パンクも50年近く経つといろいろな流派が出来ている。かなり広範囲にパンクというものを聴いてきたつもりだが、その中で自分が苦手なのが「やさしさパンク」だ。これは自分が勝手に作った造語だけど、自分探しに熱心で人にやさしい一派がパンクの一角にいるのは間違いないと思う。この流派の源流は間違いなくブルーハーツで、ブルー

Subsonic Eye『All Around You』シンガポール・インディの重要バンドが歌う自然との断絶、そして再接続 by 管梓(エイプリルブルー)

KKV Neighborhood #189 Disc Review - 2023.10.24 Subsonic Eye『All Around You』review by 管梓(エイプリルブルー) 差し伸べられた手たち 前よりマシになってるのかもはやわからない 気にするだけの価値があるのかもはやわからない 空欄をチェックして 署名運動に名を連ね ラップトップを充電する 主張が自分たちから切り離されてゆく 偽りのアクティビズム 臆病な懐疑論者たち 人類を束ねることはできない

penny arcadeと主にあのころの話 by 小出亜佐子

KKV Neighborhood #188 Column - 2023.10.13 penny arcadeと主にあのころの話 by 小出亜佐子 Penny Arcadeによる1989年のアルバム『A GIRL FROM PENNY ARCADE』が、10/13にKiliKiliVillaよりカセットテープでリリースされる。 ……ということで、2016年3月にCD再発されたときのライナーノーツが、今回のカセットにも無事採用されました(パチパチ)!! あれは自分も数十年ぶり

Killerpass『あるいていこう』予測不可能にして色彩豊かな、現代日本の愛知が生み落としたKillerpassの新作 by 山路健二(EL ZINE)

KKV Neighborhood #187 Disc Review - 2023.10.10 Killerpass『あるいていこう』review by 山路健二(EL ZINE)  こんにちは。EL ZINEという時代錯誤なパンク・ファンジンを発行しているヤマジです。  唐突ですが、僕はKillerpassにインタヴューしたことがあるんです(2023年2月発行のEL ZINE vol.59掲載)。そこでバンドの過去作『delayed youth e.p』に収録の、"キリの中

Slow Pulp 『Yard』 ”オルタナ”と”アメリカーナ” 真逆に聞こえる音楽を一つに詰め込んだときに見える人間らしさと美しさ by Kent Mizushima(to'morrow music / records)

KKV Neighborhood #186 Disc Review - 2023.10.5 Slow Pulp 『Yard』review by Kent Mizushima (to'morrow records) Slow Pulpのライヴを初めて観たのは2019年のAlex Gのツアーでサポートアクトとして出演していたときのことだった。オルタナやシューゲイズな楽曲からガレージっぽさのある曲までを幅広く演奏しつつ、2018年に「At Home」という曲をリリースしていること