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セールスライティングで使える心理学⑳吊り橋効果

吊り橋効果とは「恐怖や緊張によるドキドキ感を、一緒にいる異性への恋愛感情だと錯覚する」心理効果をいいます。

今にも崩れ落ちそうな吊り橋を、暴風雨の中、異性と二人で渡るとしましょう。

頼るべき相手は、お互いしかいません。
二人手をとり励まし合い、一歩一歩進みます。

このような過酷な状況をともに過ごした相手には、恋愛感情を抱きやすくなります。

「吊り橋を渡るときの緊張感」と「恋愛の高揚感」とを、脳が勘違いするからです。

吊り橋効果は、ネガティブなシーンだけに限りません。

スポーツの試合やアーティストのライブを一緒に観るなど、ポジティブな状況でも吊り橋効果を発揮します。

熱狂や興奮を共有することで心拍数が上がり、それを恋と錯覚するためですね。


さらに、吊り橋効果はビジネスでも活かせます。

  • 生産者の声

  • 社長からのメッセージ

  • 社員の連帯感

企業のHPで、商品がうまれたきっかけや製造過程の苦労を、長文で掲載することがありませんか?

企業のミッションを、まるで語りかけるように載せているページも見かけますよね。

これらには、企業や商品の理解を深めてもらうことを目的としつつ、同時に吊り橋効果を狙う意図もあるのです。


吊り橋効果は、ドキュメント性が強いケースでも、絶妙な効果を発揮します。

たとえば、みなさんお馴染みの「プロジェクトX」という番組。

この番組は、取材対象が、何度も何度も経営の危機にさらされながらも、果敢に挑戦しつづけた結果、今の栄光を勝ち取る姿を描いています。

視聴者も、彼らの苦難を一緒に疑似体験できるので、観終わったあとはおおむね好意的な印象をもつでしょう。

吊り橋効果を活かせるのは、顧客に対してだけではありません。

難しい課題を与えてチーム全員で解決させたり、社内イベントを開催して士気を高めようとしたり、インナーマーケティングとしても使えます。

しかし、吊り橋効果は長続きしにくい欠点があります。
吊り橋効果は、脳から分泌されるドーパミンが関係するとされており、同時にドーパミンが出なくなれば効果が薄れると言われています。

瞬間的な吊り橋効果に頼るだけでなく、それを裏付け続けるような説得力をもつにはどうしたらいいか、考えてゆく必要がありそうですね。

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