みなさん、こんにちは~!
数ある記事の中から、ご覧いただきありがとうございます!新薬開発/薬剤師のからすまです。今日は「アルツハイマー型認知症の新しい治療薬」について解説します!
認知症の種類を示しています。認知症の中で、アルツハイマー型認知症は、βアミロイドという異常なたんぱく質が蓄積することが原因で知られています。症状は、段階的で、まずは記憶障害が現れます。
アルツハイマー病の研究は活発に進んでいますが、明確な原因は分かっておらず、〇〇説という仮説の段階です。この仮説に応じて、様々な治療薬が開発されています。コリン仮説では、アセチルコリンという物質が不足することが原因と考えられており、アセチルコリンを分解する酵素を阻害するコリンエステラーゼ阻害が治療薬として3剤承認されています。また、グルタミン仮説からは、メマンチンという薬が使われます。これは、中等から高度のアルツハイマー型認知症の方に対して使用します。
そして、2021年に日本のエーザイから画期的な新薬が承認されました。それは、アデュカヌマブといい、原因物質のβアミロイドに対するモノクローナル抗体です。これまでの治療薬は、全て対症療法だったのですが、このアデュカヌマブは原因物質を抑制することから、根本的な治療につながる可能性があります。ただ、問題もあり、ARIAという脳内出血のリスクがあり、また非常に高額な薬剤でもあります。
これは、アデュカヌマブがβアミロイドの蓄積をどのくらい抑制しているのかを示したものです。プラセボと比較して、78週目には、βアミロイドは低く抑えられています。
これは、治験の主要評価項目であるCDRという指標の変化を示したものです。このCDRは値が大きい方が認知機能が衰えていることになります。プラセボ群では、ベースラインから段々とCDRが悪くなっていくのですが、アデュカヌマブ群では、その悪化する速度が抑えられています。もっと、劇的な効果があったらいいんですが、プラセボ群とここまで差がでるのは凄いことなんです。
参照元:https://www.biogencdn.com/us/aduhelm-pi.pdf本日は以上となります。お忙しいところ、ご覧頂きありがとうございました!
からすま