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脂溶性ビタミンについて解説します!①
みなさん、こんにちは~!
ご覧いただきありがとうございます!薬剤師のからすまです。
私たちの体について、生化学/衛生的な観点から解説させて頂きます。今日はビタミンについて、お伝えしたいと思います。
<ビタミンについて>
ビタミンは、脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンに分けられます。
![](https://assets.st-note.com/img/1737039776-1qr7Dd4LSTNfKMnbslUeEAiH.png)
脂溶性ビタミンは、水溶性ビタミンと異なり、過剰症がある点がポイントになります。なので、不足している状態もよくないのですが、取りすぎも注意が必要という事です!
<脂溶性ビタミン>
① ビタミンA
摂取できる食物:ニンジン(カロテン)など
成分名:レチノイン酸
体の中での役割:目の網膜の成分(ロドプシン)になったり、分化誘導能があります。
分化誘導能とは、細胞分裂を繰り返し異なる細胞に変化することを言います。この分化誘導能より、美容医療では「トレチノイン」というビタミンAの医薬品を使うことがあります。
また、このトレチノインは、高濃度で用いることで「急性前骨髄球性白血病」の治療薬としても使います。白血病は、白血球や赤血球、血小板になる前の細胞である「芽球」が、白血球に分化する過程でがん化する病気です。急性前骨髄球性白血病は、そのうちの前骨髄球の段階で白血病細胞化したものです。トレチノインを投与することにより、未成熟な白血病細胞を成熟白血球に誘導することができ、治療に結び付けることができるのです。
その他注意点:胎盤を通過するので、妊婦さんはビタミンAの過剰摂取は注意が必要です。実際に、チョコラAというビタミンAのサプリメントがあるのですが、妊婦さんには使っていけない事になっています。
みなさん、こんにちは~!
ご覧いただきありがとうございます!薬剤師のからすまです。
私たちの体について、生化学/衛生的な観点から解説させて頂きます。今日はビタミンについて、お伝えしたいと思います。
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② ビタミンK
ビタミンKは、K1からK5の5種類が知られています。体に最も重要なのは、ビタミンK2です。ビタミンKは腸内細菌で合成されることも知られています。
摂取できる食物:ブロッコリー、納豆など
ビタミンK2の成分名:メナキノン
体の中での作用:①血液凝固作用 ②骨形成を誘導の2点が生体内での重要な作用です。
① 血液凝固作用
血液の凝固には、プロトロンビンという血液凝固因子が必要です。このプロトロンビンの合成には、ビタミンKが大きく関わっています。もし、ビタミンKが不足していると、血が固まりにくく、出血しやすくなります。
乳児では、腸内細菌叢が発達していないため、ビタミンK不足になり、頭蓋内出血が起こりやすくなったりします。(これを「乳児ビタミンK欠乏出血症」といいます) こういった疾患には、ビタミンK製剤を投与して、出血傾向を改善します。
② 骨形成を誘導
骨はリモデリングと言い、「破壊」と「形成」が繰り返されています。骨を形成することと「骨形成」と言い、骨芽細胞が役割を担っています。この骨芽細胞に「オステオカルシン」というタンパク質があり、ビタミンKはこれを活性化します。そのため、骨粗しょう症では、ビタミンK製剤のメテノロンという医薬品を治療に用います。
![](https://assets.st-note.com/img/1737039860-L3MsEbTDW9r8np5IeP2j1GCY.png?width=1200)
参照先:ビタミンK 西馬込あくつ耳鼻咽喉科|東京都大田区の耳鼻科・栄養外来・アレルギー科 (magojibi.jp)
このように、ビタミンは生体内の色んな反応に関わっていることから、ただ単なるサプリメント的な側面ではなく、医薬品としても使用されていることが分かります。
本日は以上となります。お忙しいところ、ご覧頂きありがとうございました!
からすま