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父になって3年。頑なに育休を取らない夫と「ハーバード流」に交渉してみた

「俺が育休とる意味、ある?」

ハァ???

おっと、冒頭から治安の悪い声を失礼致しました(ぺこり)。

夫は父になって3年、頑なに育休を取ろうとしませんでした。
この記事では、そんな夫に育休を取ってもらうべく私が「ハーバード流」に交渉してみた結果について書きたいと思います。


我が家の育休事情

我が家には、3歳長女と1歳次女がいます。
しかし夫は育休を取る気ゼロでした。

私は次女が生まれた際、なんとしても夫に育休をとって欲しいと思っていました。
その本音は「家事と赤ちゃんのお世話をする「だけ」の生活の大変さを身に沁みて感じろコノヤロウ」
これにつきます(再び治安が悪くてすみません)。

長女の育休時代、夜泣きで一睡もできなかった翌日に長女と一緒に昼寝をしているところに、在宅勤務の夫から「いいねぇ」と呟かれたあの日の恨みは年老いてボケても忘れませんから!!

「産後の恨みは一生」ってマジやで

「ハーバード流交渉術」で夫の心を動かしてみる

しかし、絶対に私からお願いする形で育休を取ってほしくはなかったのです。
育休を取得したことで後々何か支障が出たときに、「K子のためにとったから、まあいいんやけどさ(微笑)」なんて言われた日にはキーーーーー!ってなる自分が見えていたから。

そこで『交渉術』『文句が出ない』でGoogle検索して出会ったのが「ハーバード流交渉術」でした。

名門ハーバード大学で40年以上前から研究されている交渉術で、どちらかの「勝ち」「負け」ではなく双方が納得できる「第3の道」を求める方法です。
なんか難しそうだけど、これは使えそう。なんてったってハーバードやもん。知らんけど(投げやり)。

第3の道を見つけるには、交渉時に4つの原則を守る必要があるそうです。

①【交渉テーマの見極め】交渉人の「感情」「誤解」「認識のズレ」に邪魔されず交渉テーマを正しく見極めること
②【利益の追求】お互いの条件が折り合わない場合はその条件で叶えたい「利益」まで深掘りすること
③【幅広い選択肢の模索】固定観念を取っ払っい広く選択肢を議論すること
④【客観的な判断基準】双方納得いく「客観的な基準」を持って判断すること

「マンガでわかるハーバード流交渉術【四つの原則篇】」(ロジャー・フィッシャー他)より抜粋

この原則に基づいて、夫に交渉してみました。

①【交渉テーマの見極め】育休は何のためにとる?

夫婦で改めて話してみたところ、育休をとる目的の認識にズレがありました。

夫:育休は、パートナー(私)のサポートをする期間
私:育休は、子供のお世話を主体的にする期間

夫はたまの出張を除き基本的には在宅勤務なので、夕方に仕事をいったん切り上げて子供2人をお風呂に入れるといった育児サポートを十分してくれていました。
それゆえ、「育休取らんでも育休の目的(妻のサポート)は果たせてるやん」という認識だったようです。

いやいやいやいや!
サポートと違うねん!
遠慮がちか!!!

あんたが家事育児の主役になるねん

まずは、ここの認識のズレを改めて修正しました。

②【利益の追求】夫が守りたい「利益」は何?

続いて、夫が育休を避けることで守りたい「利益」は何かを深掘りすると「今の会社での出世」(育休のせいで出世が遅れるのが嫌)であると分かりました。
夫より上の管理職世代(40代以上)では、育休取得経験者で最速コースで出世をした人がいないらしいのです。

いやいやいやいや!
昭和か!
ノスタルジーか!!!

いまや平成飛び越えてもう令和ですねん

政策の流れを見ても今後ますます男性育休が当たり前になるのは明らかだし、夫の会社(日系大手)なら今後は育休取得経験者の男性中堅社員は男性若手社員のロールモデルとして重宝されるはず。むしろ育休って出世にプラスでは??
とにかく、過去の実績ではなく未来のトレンドを読んでくれと説得。

そして最後に、「育休取得経験者が最速コースで出世するという前例がないなら、夫が作ればいい。夫ならできる」とエールを送りました。

 「夫くんならできるよ!」

普段塩対応な私から最後に伝えた熱いエールが決め手となり、夫の心は育休取得に傾いたようです。




…してやったりよ!(悪い顔)。

ちなみに自分の利益を主張するのと同じくらい熱意を込めて、相手の利益へ配慮するというのもハーバード流交渉術のコツだそうですよ。

③【幅広い選択肢の模索】常識にとらわれない育休とは?

育休取得に心が傾きかけてきた夫の熱が冷めないうちに、具体的な話に入りました。
育休、いつ取るのか問題。

男性育休は、産後すぐのタイミングからママの育休と重ねて1〜2ヶ月程度取るのが一般的だそうです。
しかし、①で認識を合わせた通り、私は夫の育休中は夫にメインで育児家事を担ってほしい。
それゆえ、私と夫が同時に育休を取らなくてもいいのでは?と思ったのです。

そこで、以下のように決めました。

期間は、次女が1歳直前の3月末〜4月中旬の約1ヶ月
※次女の慣らし保育期間中
そして私は4月1日に職場復帰し、夫は1人で育休を取得することに。

一般的な男性育休とは違う時期での取得となりましたが、我々にとってはベストな選択肢だったと感じています。

④【客観的な判断基準】最後に夫の背中を押したのは?

そして夫の育休取得の決め手になったのは、第3者である長女でした。

「パパが保育園に毎日お迎え来てくれるの!嬉しい!」


ママの理屈の何倍も強いパワーを持つ愛娘の一言。
第3者からの客観的な基準、偉大すぎました。

まとめ

①認識のズレを修正して議論テーマを正しく設定し
②相手の利益を大切にしながら
③常識にとらわれない幅広な選択肢を検討し
④第三者の声も利用する

関西弁でまくしたてたり、本音と建前を大いに使い分けたりはしましたが、ハーバード流交渉術のおかげで無事に夫に自らの意思で育休を取らせることができました。

育休問題に限らず、子育てや家事を共にする夫婦間では、日常的に交渉ごとが発生します。
つい自分の主張を通すことに躍起になりますが、そんなときは「勝ち」「負け」ではない「第3の道」を見つけるハーバード流交渉術が役立つかもしれません。

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