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TCG初心者がDream Order始めてみた⑧一発逆転の戦術「値千金」について
これまでの記事はこちら。
■一打逆転を狙える「値千金」について
ホームラン。それは野球における華。野球カードゲームであるドリームオーダーでも、ホームランは醍醐味の一つです。3イニング制のため1点の価値が大きく、現実野球よりもその比重は高いといえるかもしれません。そんなホームランの可能性を大きく高めてくれる戦術カードがあります。
最近、この値千金を使われて痛打されることがあったことから、このカードの特徴についてまとめてみたいと思います。
まずは、簡単にカードの内容を解説したいと思います。
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強振を宣言した場合、打者のAPに+1を加え、打撃判定(つまりAPがDPと同値以上)だった場合、ダイスを+2するという戦術カードです。効果を詳しく見ていきましょう。
■「強振ダイス+2」の価値について
ダイス補正がない場合、ミートで打撃判定を行う場合アウトになる確率は約17%ですが、強振の場合は約42%アウトになります。これが強振+2となると、アウトになる確率はミートと同じになります。しかも2塁打以上の長打になる確率は72%!無走者でも得点圏でも強烈なパワーを発揮します。ドリオはたとえ数値で上回ったとしても、ダイスで良い結果が出なければ出塁できません。そのダイスの結果をいじることができる能力は、とても価値が高く評価されています。たとえば、この2枚のカードの比較
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守備のサポート値に差があるので単純な比較はできませんが、野手コスト1~1.5くらいの価値をもたらしていると考えることはできそうです(ちなみにカード査定については、こちらのSiさんのnoteがとても詳しいのでご一読をお勧めします)。
■「AP+1」の価値について
ダイス補正に比較して、「AP+1」というサポート値はかなり微妙なものです。ドリオにおいて、選手カードのミート、強振のサポートAPは基本的に決まっています。
ミート→AP3
強振→AP2
※例外あり
これに比べて、値千金は1しかプラスされません。この強振ダイス+2という強力な補正への絶妙なバランスとなっているのが、AP+1という効果です。相手のDPと自分のAPを比較し、同値以上にできるタイミングや状況を綿密に練る必要があります。そこで、どのような場面で刺さるのかについて、自分が有効と考えているケース、あるいは自分が値千金で被弾したケースを使いながら見ていきたいと思います
■投手が1枚出しをしている場面
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金子さんのミートアウト恐怖症
小笠原さんがスキル(手札を1枚捨ててDP8にする)を使っていない場合、最大値はDP12です。攻撃側は「AP12」を出せば確実に打撃判定に持ち込める場面となります。ここで、金子さんの「走者無しAP+1」という効果を生かし、「金子選手の覚醒」+「値千金」を出すとちょうどAP12となり、確実にダイスを振ることができます。
一方、下記のケースは状況が異なります。
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菅野さんは「覚醒時DP+1」という効果を持っています。このため、最大値はDP13。もし相手が覚醒1枚を出しだった場合、値千金を使うとどうやってもAP13には届きません。明確に損な条件を作るリスクがあるため、検討が必要となります。
あるいは、この場面はどうでしょうか。
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DP6の中継ぎ投手が1枚出しをしてきました。下位打線に対してできるだけリソースを割かずに抑えたい場面です。考えられる選択肢を全て検討すると
最大値 覚醒 12
外野警戒 11
DP4 10
DP3 9
DP2 8
最小値 勝負師or逆張り 6
となります。ここで「AP+1」という数字が重要となります。AP5に+1すると、ちょうど相手投手と同値になる。つまり、①相手がミート張り②相手が覚醒をしてくる③強振DP2を出す(ほぼ無い)――と読むことができれば、値千金1枚出し/勝負師+値千金/強振+千金で打撃判定に持ち込むことができるわけです。「読む」のは簡単ではないですが、相手のレストエリアにあるカードや現有手札、山札、点差など、さまざまな情報を総合しながら検討すると、意外に見えてくる情報があります。この辺は対人・対面の醍醐味だと思いますので、成功と失敗を繰り返しながら楽しんでみていただければと思います。
■代打の一発逆転狙い
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代打逆転ホームラン。私の好きな言葉です(古い)。私が実際に成功した場面は、こんな感じです。
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1点差、1死走者1塁で打者金子。走者がいるのでAP5状態。レストに金子は1落ち、手札に1枚ある状態。相手の勝負師は1枚しか見えていない。ミトバがあれば平沼で打ち抜くが、ミトバはなく、次打者がAP6強振ダイス+2の稼頭央なので、強振札はキープしてそう。素のAP5なので、ここは勝負師+ミートディフェンスで抑えこんできそう。キャッチャーなど両面札や強振札が来たらごめんなさい、で、代打・元山を出して勝負師+千金を出すと、相手は勝負師+ミート札で同値、見事に2ランホームランで逆転ホームラン。
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代打は相手の「想定外」を突ける戦術なので、勝負師を出してきそうなタイミングを使うことも一つの手段、という事例です。
■筆者が値千金で痛打されたケース
ここからは、私が値千金で見事に打たれた場面を見てみましょう。完全に一致していないかもしれませんが、ご容赦ください。
①素の強振ダイス+1を甘く見たパターン
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(両面守備札は無かった…)
2死走者2、3塁、バッターは5番の松山選手。初回で相手は先取点が欲しい場面です。相手の松山はAP5の打者ですが、「強振+1」の能力を持っています。こちらは手札5枚以上でDP7、得点圏ダイスマイナス1の高橋光成。手元に覚醒札はないため、ミトバミートを防ぐためにはミート2枚出しが必要。戦術ミートバッティングは1枚しか見えてない。ダイス+1があるとはいえリスクの大きい強振よりはさすがにミート狙いしてくるでしょう、と安易にミート片張りしたところ、相手の手札は
強振AP2、値千金で強振合計8、ダイス+2!
見事に3ランホームランを打たれました。
②完全に読み間違ったパターン
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2死走者1、2塁、打者はAP4荻野。守備値が高いので、メインデッキにもいそう。勝負師打っておけば覚醒強振でも6にしかならないし、ミトバ警戒して勝負師ミートで抑えられそう。
代打石川!AP5ダイス+1、値千金2枚!AP7強振!
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完全にすかされて、同値でダイス+4でふられ、3ランホームランを打たれました(反省が足りない)。
私のプレイングに問題があるのは事実なのですが、相手が「ミート」を守りたくなる場面、かつ、数値で同値以上を狙えそうな場面で放つ、というのは実際かなり有効です。
■使い方に工夫は必要だが、一振りで状況をひっくり返せる
いかがでしたでしょうか。値千金は第一弾から封入されているカードなので十分強さは認知されているとは思います。が、ミートバッティングの大流行や代打の登場により、相手の裏を突く戦術として現在でも唯一無二の存在感を放っています。ここぞという場面で決まると、代えがたい高揚感をもたらせてくれますので、ぜひ試してみてください。
■終わりに
最後までお読みいただいた方には心から感謝を申し上げます。
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