バナナチップのボタンシャツができるまで
バナナチップのボタンシャツのこと。
2021/3/4(thu)リリース
バナナチップのボタンシャツが出来るまでの、
アイデアの素や込められたストーリーなどを残します。
アイデアの素
iPhoneのメモ帳に日々書き溜めてるネタ帳があるのですが、
そこには「バナナの輪切りのボタン」とだけ記載されていました。
今回のキャッチコピーは以下です。
ふと目に入ったバナナチップが、
昨日なくしたボタンに見えた。
基本的にキャッチコピーは後付けになることが多くて、
あれ、なんか意味深そうだな…
って思われそうなストーリーを作っています。
今回で言うと、
(なくしたボタン)=「めちゃくちゃ大事にしていた洋服のボタン」
という設定でした。
一日中、ずっと考えているんだよね。
昨日無くしたボタンの行方を。
KALDIで買い物してたら、ふと目に入ったカリカリバナナチップスが無くしたボタンに見えちゃった。
そう、僕が実際にボタンをなくした訳ではないんですね。
ちなみに、この作品はリアルにKALDIのバナナチップから型取っています。
食品サンプルってやつです。
クリエイター探しの旅(食品サンプル職人編)
さぁ、これを具現化していこう!
・・・あれ、一人じゃ何もできないじゃん何これ。
今までの作品は、Tシャツやパーカーなどの既存ボディ(要するに無地の衣類)に刺繍やプリントをしていたため、自分で工房に発注してデザインを入稿すれば完成していたんです。
売りポイントがイラストだったので、単純にボディに載せてもらえればOKだったんですね。
しかし今回のポイントは、ボタン。
とりあえず、Twitterでクリエイターを呼びかけてみました。
ここで声をあげてくれたのが、
ふるやま かなり さん
食品サンプルをつくったり、そこからさらに"カワイイ"ものへとアップデート🆙 / 作品は「食べちゃダメ。」
https://www.instagram.com/tabedame_mgmg/?hl=ja
かなりさんとの繋がりは意外と古く、
2018年に古民家文化祭という複合イベントが開催され、
そこに、かなりさんは食品サンプル職人として
僕は、ハンドパン奏者として、出演させていただきました。
この時の主催者であった、すいかさんがこんなツイートしてくださったおかげで、まだ繋がることができました。神。
結果的に、完全に理想的なバナナチップボタンを生み出してくれました。
本物すぎない?プロの仕事を感じました。
最初のやりとりで言われたこの言葉が嬉しかったです。
食品サンプルを食品サンプルとしてだけの役目で終わらせない方法をずっと考えていたので、その素敵な案をぜひ叶えられたらと思っています。
クリエイター探しの旅(縫製職人編)
よし、食品サンプル職人さんは見つかった!
服を作る縫製職人の知り合いはマジで皆無でした。
そもそもどうやって服を作る職人と繋がればいいか分からず、ここでちょっと心が折れかけました。
メインはボタンだし、どこかの白シャツをベースにして、ボタンだけ付け替えようかな・・・と思っていました。
でも、せっかくやるなら振り切ってみようかな
洋服の造形からデザインしてみたいな、と漠然と思っていたので、とりあえず既存ボディ案は消して、完全オリジナルシャツ案に全振りしてみました。
そこで見つけたのが、
縫製のクラウドソーシングサービス
「nutte(ヌッテ)」です。
ここで縫製職人が見つかるかも、
ということで仕事依頼を出してみました。
簡単な企画書と共に。
すると、3名の縫製職人さんから連絡があり、
その中でも一番やりとりがしやすかった方にあれこれ相談させていただきました。
正直、一から作るオーダーメイドの服なんてめちゃくちゃ高額なんだろうなと思いきや、素人でもギリ手が出せるくらいでした。
(職人さんによって金額は異なります)
縫製を依頼した職人さんは、どうやら愛知県の主婦の方のようで、とても気さくな方でした。
型取るバナナチップを選定している写真を送ったら、こんなほのぼのとした返信も。
楽しいお時間をお過ごしですね^_^笑笑
こんな感じで1着縫いあがりました!
↓の写真が送られてきた時は、ついにここまで出来た・・!
と感慨深かかったのを覚えています。
一枚のコーデュロイ生地からこんな素敵なシャツが出来ているんです。
プロの仕事を感じました。
クリエイター探しの旅(モデル・カメラマン編)
そんなこんなで、着想から制作までにかかった期間は、約2ヶ月。
次に必要なのは、告知用のグラフィックを作るための素材です。
最後の舞台は、下北沢。
今回モデルをお願いしたのはこちら。
・うい(pillowmellow , 泡沫ハルシネーション。)
僕がバンドをやっていた時代に知り合った子です。
当時ういちゃんもバンドでギターボーカルをやっていました。
僕がモデルを頼む方に共通しているのが、物憂げな表情が出来ることです。
ちなみに、かわいい友達を紹介するコーナーがあれば、この子を真っ先にあげることにしています。
現在は、二つの音楽ユニットで、ウィスパーボイスを響かせています。
今回カメラマンをお願いしたのはこちら。
・タカハシ サリア
さりあちゃんとの出会いは、
2019年に僕がティーシャツのプレゼント企画を行なった際に、当選していただいたことがきっかけで、カメラマンということを知りました。
淡い色の表現が素晴らしく、いつか僕も写真を撮ってもらいたいなと思っていました。前回の「カメレオン座の長袖」を制作した際にも撮影を担当していただき、素敵な作品を作ることができました。
普段は物静かなのに、撮影に入ると、ここ良さそうですね!こっちの方がいいかもです!など、たくさん喋ってくれるところが結構好きです。
最後の告知用グラフィック制作
ついに全ての素材が揃ったので、告知用のグラフィックを作ります。
グラフィックデザインは自分で行います。
下北沢の雑多な路地感を使うために、メインの路地、知らんビル、双子のカーブミラー、ウォールアートをコラージュしました。
実はこの路地、バンドマン時代に良く通っていたところです。
分かる人には分かるかも。
下北沢シェルターのところです。
狙い通りのカットが撮れてて満足です。
(※撮影日の少し前に一人でロケハンしたときに決めていたポイントでした)
5人のクリエイターによる作品
表面上は、
POP NUTS ART STUDIO / レンテラザキ の作品っぽく見せていますが、
多分違うと思うんですよね。
僕のアイデアを
4人のクリエイターが具現化してくれた
食品サンプルでボタンを作る人がいて
シャツを縫って作る人がいて
シャツを上手く着る人がいて
きれいに撮る人がいて
それを、なんとかディレクションしている風に見せているのが僕です。
今回の目的って何?
人に褒められるためにモノを作っています。
今回は良く褒めてもらいました。
本当に超嬉しかったです。
「儲かりたい」という気持ちは8%くらいでした。
「褒められたい」が90%で
「高菜明太マヨ牛丼食べたい」が2%でした。
販売開始、2日目で完売
3/4 21:00に告知ツイート、3/6には完売するという状況になりました。
今回の作品は、ハンドメイドということもあり、販売価格:¥15,000(税抜き)でした。
この価格で本当に売れるとは思わず、すごく嬉しかったです。
正直にいうとこんな価格でも、バキバキに赤食ってます。
でも、価値を見出してくれた人がいる事実に感動しました。
ありがたいことに、再入荷の時期の問合せを数件いただき、やってることは間違いではなかったんだな〜と思いました。
ちなみに再販も決定しています。
受注生産なので予約期間内にご注文を頂ければ確実にお届けできます。
3/18(木) 23:59までです。
最後にいうこと
今後も、人に褒められることを第一目標に
奇妙な作品作りをしていきます。
長いこと読んでくれ方々、たくさんの反応をくれた方々、制作に関わってくださった方々、本当にありがとうね。またやります。