ラブホテルで働く日。(後編)
駅から徒歩3分ほどの地方歓楽街にあるラブホテルで夜間清掃をしている。もし見ている人がいれば前編も合わせて見ていただきたい!
4:30
何人かはこの時間に上がってしまう為寂しい。私を合わせて3人になった途端に退室ラッシュを食らう。
人数が少ない時に限ってお風呂の栓を抜いてなかったり、血まみれだったり、手のかかる部屋だったりするのだ…。風呂パス(お風呂未使用)の部屋は一つもない。我々はイライラを通り越して最早無言になってしまった!例えるならおしゃべり好きなおばあちゃんパートが黙ってしまうくらいの疲労感。
外が明るくなってくる、ため息が出る。
5:00
我々2回目の休憩に入る。朝は宿泊客が次々に出てしまうのでどんなに眠くても、休憩中であっても点検に行かなければならない。点検とはタバコやヘアアイロンなど火元の確認が主である。これをウトウトしてる時に細々行かなければならないと考えたらたまったもんじゃない…しかも私以外の遅番めっちゃ寝てるし。ということで点検に向かう。もーーー嫌だぁー。
6:00
サービスタイム(夕方くらいまでは何時間いてもショートタイムと同じ値段で入れるぞ!)が始まる。満室第二ラッシュである。本当は陽の光を浴びに外掃除に行きたい所だが部屋がない為俯いてひたすら清掃に向かう。外掃除に行けるとリフレッシュになるので有難いのである!
7:00
早番や7:00出勤のバイトがくる。あと少しという高揚感と人がやっと増えたという嬉しさで口数が増える。しかも掃除は終わっているのにおばあちゃんパートの口が止まらない!やめてくれ、飯の話はこれ以上しないでくれ…。こうして帰りにラーメンを食うことをK先輩と約束するのであった。
8:00
掃除をやめて掃除用具の片付けやゴミ捨てを行う。その間ももちろん部屋が出れば点検に向かわないといけない為これが地味に大変である。この頃には元気になっているので口が悪くなる。「今退室したら◯すぞ」と言ってみたり「なんで風呂の栓抜いてねぇんだよ馬鹿なのかよ」と言ってみたり、自分でも想像できないくらい口が悪くなるのであった。元気な証拠!早く帰りたい。
9:00
五億年ボタンの様な労働が終わる。意外と短かったなとこの頃になると思える。この日の回転数は実に180を超えており(通常のホテルは80程度らしい)それだけで忙しかったことがわかる。
終礼では頑張りを讃えてもらえると思いきや
「ま、忙しかったすね」
のマネージャーの一言でこの日の労働は幕を閉じた。
そしてこの日の23:00、また私は五億年ボタンを押してしまうのであった。