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Photo by
rain98coat
「世界でたった1人のためだけに」
僕は別れた彼女に
僕らの思い出の動画を作る
動画の素材を取り込むだけで数時間かかる
だが深夜になっても作業をやり続けた
この行動に意味があるか?
いや、ないよ
なにか生み出す訳でもない
ただ、美しい
そして彼女はきっと喜んでくれる
それだけでいい
例え仕事が待ち受けていても
何時まででもやってやるさ
この家も愛しい君がいたから
ソファも愛しい君がいたから
ゴミ捨て場も愛しい君がいたから
とても素敵な家具を選んでくれてありがとう
そのおかげでずっと幸せな気分で過ごせました
今日はこの家から出発する最後の仕事の日
この道も、この空気も、いつもすれ違う人も
もう二度と出会わない
道路に並ぶ街路樹も僕に別れを告げている
踏みしめる地面にも感謝だ
いつも僕を運んでくれてありがとう
彼女とたまに散歩させてくれてありがとう
いつかまた幸せだったと
素敵な人と来るから待ってて