絶対に外さない利回り最高の投資は「本をプレゼントすること」

このnoteは?

・投資として”読書の良さを人にも勧めること”を勧めるnote
・私が人にオススメしたい本を数冊紹介.
・年齢の若い/同い年くらいの兄弟や同僚,恋人などに何かしたいと考えている人には特にオススメ


最高の投資とは

投資といえば,何を思い浮かべるだろうか? 金融資産の最大化を考えると,株式への投資,不動産投資といった金融資産への投資がまず最初に思いつくだろう.
ここで,投資を「種をまいて,収穫を得る活動全般」と考えれば,将来の自分が事業でより高い生産性を発揮するためにセミナーに参加したり,資格を取得することも投資の一つだ.
投資だからといって必ず財政的な収支が発生しないものもある.筋トレと生活習慣の見直しで容姿を改善し,恋愛市場での価値向上を狙うこともあなたの行動,すなわちその原資となる”時間”という資本を投じた投資と言える.

さて,今回は自分が実践している”投資”の中でも最も確実で,高い利回りが狙える実践方法を紹介したい.それは「自分より若い人に書籍を買い与えてあげること」である.



若かりし時代の自分に対する罪滅ぼし

 私は自分自身が学生を卒業し社会人になったことで,またそれを機に様々な本を読み始めるようになったことで自分がいかに狭い情報源と見識でなんとなく生きてこといるのか,ということを痛感した.この痛みが自分をさらに駆り立てていて,今でも読書などに没頭している.自分がこれまでサボってきたことを認識してしまったからだ.(せめて,就職活動の前にこの気づきに至っていたら今とはまた違う人生を送っていたと思う.今の自分の社会的なステータスは大きな不満もないものの特段満足もしていない.)
 私よりも若く,人生における分かれ道にて圧倒的に選択肢が残されている兄弟には同じ轍を踏んでほしくない,そういう願いから私は自分自身で選んだ珠玉の本を送るようになった.


子供の世界は想像以上に閉じている

自分の子供時代を振り返っても,また,兄弟を見ていても子供の世界は非常に閉じられたものであるなあと感じる.彼らの情報源はだいたい以下で完結している.
・学校や塾での勉強(教科書に書いていること)
・同輩との交流で得る情報(近視眼的で同じような価値観)
・テレビ,Youtube,インターネットなどのメディア
 (無味無臭なエンタメ,茶番,真実よりもセンセーショナルなニュース)

(あれ,これって大人も大して変わらないのでは...)

ここには世界観を変える本を投じる余地がいくらでもあるように見えないだろうか?学校の勉強ばかりしていても,テストに出ない内容を学ぶことはできない.「限られたスコープで,正解がある問いに,確立された方法でアプローチする」ことをひたすら叩き込まれていては,解とその手法に正攻法がない不確実な現実世界の問題に立ち向かう知的体力・筋力は育たない.また,メタに物を見る目線やその切り口を知ることなく,ただ目先の娯楽やエンタメ・流行り廃りばかり追いかけていては,自分で考える力を持たない周囲の情報に振り回されるだけの人間になる.
(ちなみに,上記に挙げた特性は無思考な人間機会として雇われサラリーマンになるには絶好の資質だと考えている.)

なぜこんなことを言うかというと,先にも述べたとおり,自分の子供時代がまさにそうだったなあと痛感しているからである.自分が幼い頃に出会いたかった知見を本という形で渡すことで,その人の閉じた世界をこじ開けられるんじゃないだろうかと思い,本を送り始めた.


実際,どんな本を送っているのか

私が実際にプレゼントした本を一部紹介する.これらの本に共通しているのは「私が実際にその本を読み,特にお勧めできる本だと判断した」ということにつきる.
私が身銭を切ってフィルタリングしていることもあり,兄弟からの評判は悪くないように見える.「つまらなかったらメルカリで売ればいい」とも伝えているがどうやらその様子もなさそうである.


1.「この世は不確実だ.予測ができなくて時に理不尽ですらある」ことを教えてくれるのはナシーム・ニコラス・タレブの「ブラックスワン」だ.
 アメリカの911テロや東日本大震災のような大災害,大統領選挙などは,その発生及び結果が何をもたらすか予測することは不可能だ.それでいて,この不確実な現象には「911テロを防ぐために,テロの取り締まりを強化しよう」という人は「911テロはこういうことをしていれば防げた」と後付けで解釈をつける人よりも報われないという悲しい性質がある.(なぜなら911テロを防いだら,911テロを防いだことを証明できないから)

じゃあ,そんな理不尽な世界をどう生きたら良いか?タレブは「反脆弱性」という概念で独自の哲学を展開している.

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2.生命の始まりと死生観を見つめ直す上で,リチャード・ドーキンスの「利己的な遺伝子」はとてもインパクトがある一冊だ.生命はどう生まれたのか?それは「神」などという人間の空想上の概念ではなく,突然変異と自然淘汰の繰り返しによるライフサイクルが生み出した自然の偶然に過ぎない.ヒトという生命が存在する理由はその結果でしかない.

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3.テレビなどのマスメディアは真実ではなくセンセーショナルなニュースを報じることにインセンティブがある.テレビばかり見ていたら,無思考な情報に踊らされる人になってしまう.
一方で世界全体はそんなセンセーショナルなメディアを通じていては感じられないだろうが,確実に良い方向に前進している(もちろん,課題がなくなったわけではないが)
そんなことを教えてくれるのは,ニール・ポストマンの「愉しみながら死んでいく」,ハンス・ロスリングの「FACTFULLNESS」だ.

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4.「いい大学に入って,いい会社に入って,お金持ちになって...」というステレオタイプな線路の行く先は?物質的な豊かさの追求が全てではない.
そんなことを教えてくれるのはミニマリストしぶの「手ぶらで生きる。」だ.そんな線路はもう無くなると言われて久しいが,実際まだまだこの思想は根強く残っていると思う.

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5.野球のボールを高速で投げると,スタジアムが蒸発する???
知的好奇心を持つこと,科学的に考えることがそれを解決してくれつ強力なツールになることを教えてくれるのはランドール・マンローの「ホワット・イフ?」

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6.若い人への風当たりがますます強くなる社会で生きていく上で,「これからどうなっていくのか」という思考は必須だ.その上でディストピアSF小説の2大巨頭でもあるジョージ・ウォーウェルの「一九八四年」とオルダス・ハクスリーの「素晴らしい新世界」は多大なインスピレーションを与えてくれる.この互いにベクトルの異なる明るいようで暗い未来像にはSFだとタカをくくっていられないメッセージ性がある.

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あなたも誰かに本をプレゼントしてみよう

私は様々な”投資”をしている.
仕事終わりや休日は酒や受動的・麻薬的娯楽(TV, スマホアプリ, ゴシップetc)を避け,読書やプログラミングなどに取り組みインプット/アウトプットを日常的に実践している.また,(限られた,僅かな)手取りを証券口座に移し,積立NISAでの投資信託購入や個別株の購入に充てている.
しかし,「年の離れた若い人に何かを授けること」ほど長期的にみても効果のある投資はないんじゃないかと思う.定量的な成果を確認しているわけではないが,主観的にはかなりの定性効果が出ているように感じる.

本のプレゼントに限らず,兄弟やいとこ,恋人,子供,友人といった自分と同い年か,自分より若い人にもっとベットしてみるのもまた一興かもしれない.


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