生きがいは複合的&自分らしさを活かすもの〜「生きがい」についての文献を調べてみた(2)
IKIGAIマップとの出逢いをキッカケに、「なぜ世界中で今、IKIGAIという概念が注目されているのだろう?」「そもそも生きがいってなんだろう?」ということに興味を持ち始めました。
膨大なデータを元にした生きがい研究
神谷氏の『生きがいについて』を読んだ後に、更に生きがいについての文献を調べていた所、小林氏の『「生きがい」とは何か』にたどり着きました。
本書は精神科医・作家の小林司氏が、1966年の神谷氏の研究から20年以上経ち、『生きがいについて』以降の世界の生きがい研究(ユング、マズロー、オルポート、ホーナイ、ロジャーズ、フロムなど)の成果、そして無名の人びとの生きがいについてのエピソードを踏まえ整理された、次世代生きがい研究の決定版と言えます。とても薄い本ですが、読み始めるとその膨大な情報量に圧倒されます。
生きがいとは「複合的」かつ「自分らしさを活かしたもの」
小林氏は、本書で日本だけでなく世界の様々な生きがい研究を紹介した後に、生きがいについて、次のように総括しています。
まず第一に、生きがいは単一なものではなくて幾つかの要素が組み合わさった複合的なものだ。そのうちでも一番大きな要素が自己実現であり、それと図ー2「生きがいのなかみ」に示したような各要素が一体になって生きがいを形づくっている、と思う。
重要なことは、生きがいとは単一ではなく複合的なものである、という指摘です。
真の「生きがい」とは、むやみに働くことや、暇つぶしの手すさび、趣味、楽しみ、ではなくて、本当の自分らしさを活かして、「働きがい」や「遊びがい」ではなしに、人間らしく「生きるかい」があるものでなければなるまい。
そして、単なる働く、遊ぶ、ではなく自分らしさを活かして生きるということが「生きがい」だということです。では自分らしさを活かすというのはどういうことなのでしょうか。
ひとつ目は、自分が得意なことを活かすということはありそうです。そのために自分の強みは何かを掴んでおくことは重要ですね。ふたつ目は自分の弱み(欠点)だと感じていることも、自分らしさと捉える必要があると感じます。強みも弱みもそのひとの個性であり、外に出たひとつの現れ方に過ぎません。
自分らしさを活かすという事は、つまり、強みも弱みも丸ごとひっくるめて、自分自身を受け入れて活かすと考えるとしっくりきます。
本書で小林氏が述べていることは、IKIGAIマップが4つの要素の重なりであること(複合的)、単にお金を稼ぐ(=働く)だけでも、好きなことをやる(=遊ぶ)だけでもなく、得意なこと(=自分らしさ)を活かして、世の人のためになることと合致します。
ikigaiの旅は続く。。。
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