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塾が人生を変えることもある 500 字日記

高校受験の頃を思い出していた。中学 2 年の終わり、難関高模試で絶望的な点数を叩き出したぼくは母親のススメで通う塾を変えた。元々、宿題もろくにやってこないような、親に通わされて勉強させられている、それでいて学校では頭のいい方って感じの人たちが揃っている塾に所属していたのだけれど、移った先の環境はまるで違った。カリキュラムはすでに 3 年分終わらせていて、受験のための勉強をしていると言われた。英語の先生から B3 紙にみっちりと印字された英文の束を渡された。「来週はここから読むから、予習しておいて」とサラリと言われた言葉の意味がよくわからなかった。200 語程度の文章にしか触れたことのなかったぼくは、知らない単語と知らない表現ばかりが並ぶ分厚い紙の束に背筋が凍る思いをした。転塾当時、母親はぼくがあまりつらそうに勉強するのをひどく心配していたらしい。

しかしてその塾が、結果としてぼくの人生を変えた。勉強の仕方を学び、自分と同じように思考してくれる友達を得て、言葉が通じ、知らないことを学び、正当に努力が評価される世界を手に入れた。 ああ、これを語るには 500 字じゃ足りなかった。またいつか。


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