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現代アート巡り #08 宇留野 圭「Echo of Silence」@LOKO GALLERY(代官山)

久しぶりに代官山のLOKO GALLERYを訪れました。
この建物は通りに面した部分がカフェ(zenta coffee)でその奥がギャラリーになっています。

ちょっと分かりづらいですが、カフェ横の階段の先にギャラリーの入口があります。
カフェとギャラリーはガラスの壁で仕切られていて扉があり、そこからギャラリーに入ることもできます。

以前訪れた時は「私立珈琲小学校」というカフェだったのですが、2021年に移転したみたいですね。

過去の記録を見返すと前回こちらのギャラリーを訪れたのは2020年でした。
コロナ禍を経て4年ぶり、月日が経つのは早いです。。

宇留野 圭 個展「Echo of Silence」
会期:2024年7月12日(金)~8月10日(土)
LOKO GALLERY
東京都渋谷区鶯谷町12-6
交通アクセス
東急東横線代官山駅 正面口より徒歩6分


ギャラリーに入ると部屋のような四角い箱が6個ついた木製の構造物が展示空間を支配するように置かれていていました。

箱と支柱はスプリングで繋がっています。
下の写真、右奥の箱に大きめの石が入っていて、箱の中でゴトゴト動いています。その振動がスプリングを通して支柱と他の箱に伝わっていき、構造物全体に不規則な動きを与えています。

全体がギシギシと音を立てて6つの箱がゆらゆら揺れている様子はひとつの生命体を連想させます。

《6つの部屋/6 Rooms》 2024年
高さ:368cm 幅:275cm 奥行:361cm
2階から見るとこんな感じです

箱の中は実物のミニチュアではなく、電球とか床、窓、テーブル(みたいなもの)などのアイテムから「部屋」を連想させるような作りになっているのが面白いです。

この箱は高い位置にあるので脚立に上って中を見ます。
さらに高い位置の箱は2階の手すり越しに覗き込みます。
 壊れたブラインドとタイル張りの壁、排水口と泡の様子から浴室を連想させる部屋

そして、展示室にはずっと「音」が鳴り響いていました。
なんと表現すればいいか難しいのですが、機械的に作られた音楽の類でもなく不快なノイズ音とも違う「音」。

音を生み出しているのは壁に設置されたスピーカーのような形をした装置。
ギャラリーの方に伺った話によるとこれはスピーカーではなく、
中にファンが設置されていて、会場内の空気の流れを受けて回転し、その音を出力するという仕組みになっているそうです。

不規則に絶えず聞こえてくる音は時々ふっと止む瞬間もあります。
体では感じることができない空気の流れが「音」になって響き渡り、その音に包まれているのは不思議な感覚です。

《2の空間/2 Spaces》 2024年
1階の壁に設置
《4の空間/4 Spaces》 2024年
こちらは2階の壁に設置されていました
《3の頭/3 Heads》 2024年
こちらも動くタイプの作品。
地獄の番犬ケルベロスを思わせる3つの頭蓋骨がカシャカシャ音を立てながら動いています。
下顎の部分はスマホになっていて、周囲にもスマホを思わせる形状のオブジェが散らばっています。

見たこともない形の立体作品と形容しがたい音が鳴り響く空間で、最初は戸惑いしかありませんでした。
でも、作品のインパクトと「なんだこれは?」という戸惑いを受け止めて、なんだか分からないけれど隅々まで作品を見ていくのは楽しいです。
今回はギャラリーの方に動きや音の仕組みを教えていただけたのも良かったです。

ギャラリーで現代作家の作品を見る面白さはまさにこういうことだな、と再認識できた展示でした。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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