今回東京オペラシティアートギャラリーを訪れた目的は、若手作家の育成・支援を目的として企画されている「Project N」という展覧会シリーズを観ること。でも美術館のメインは企画展なので先にそちらを鑑賞しました。
「具体」といえば、数年前にこの美術館で開催された白髪一雄の個展がとても面白かったことを思い出します。
展覧会は5章で構成されていますが、展示にはキャプションや解説がついていません。
紙の作品リストには各章の解説と見取り図に作品番号が付いたものが載っているので、それを頼りに展示を観ていくことになります。
う~ん、イントロダクションから難しい。こういうタイプで展示の中にキャプションや解説の助けがない場合は、たいてい途中で心が折れるだろうなと予測。
「官能的」というのはすごく納得できました。
ビニール素材が皮膚をイメージさせて、色使いも生々しい。
口や瞳を連想させる形。このシリーズは見ていると背中がゾクっとする瞬間があります。
この時期のシルクスクリーン作品はカラフル。
「幾何学的であると同時に有機的なフォルム」というのも何となくわかる。
黒の世界はかなりストイックな印象で、ちょっと引き気味に観ていました。
その中で興味を引かれたのがボンドを流し込んだ作品シリーズ。
表面にできた柔らかいひだの不思議な形状が面白い。
このタイプの作品については、4階の映像コーナーで制作の過程を見ることができます。
この後4階の展示に進み、「紙作品にみる形成期の模索と制作の裏側」では、ドローイングやスケッチブックなど制作の下地になる資料や制作風景の映像などを見ることができ、少し理解が追い付きました。
最初に思ったとおり3階の展示は途中で気持ちが折れました。
やはりこういうタイプの作品は展示の中で解説の助けがないとしんどいことを実感。
最後までお読みいただきありがとうございます。
松谷武判 Takesada Matsutani
会期:2024年10月3日(木)~12月7日(火)
東京オペラシティアートギャラリー
開館時間:11:00 ~19:00
東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティビル 3F
交通アクセス:
京王新線 初台駅 東口(直結) 徒歩5分
渋谷駅より 京王バス(渋63、64、66)都営バス(渋66)