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展覧会 #27 project N 96 ナカバヤシアリサ@東京オペラシティアートギャラリー
今回東京オペラシティアートギャラリーを訪れた目的は「project N」シリーズを観ること。
故 難波田龍起氏の遺志を受け継ぎ、国内の若手作家の紹介を行うシリーズとして「project N」を企画展と同時に開催しています。財団内の選考委員会で選ばれた若手作家の作品は4階のコリドールで展示されます。
※難波田龍起(1905-1997年)は寺田コレクションの中心作家
「project N」シリーズはなるべく毎回観ておきたいと思いつつ、企画展との兼ね合いでここしばらく足を運んでいませんでした。
この展覧会シリーズの一番の魅力は、個展形式で若手作家の作品が観られること。
ナカバヤシアリサ
1992 東京都生まれ
2017 多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻卒業
2018 共同スタジオ「LION」加入
2022 共同スタジオ「アトリエボイス」加入
神奈川県在住
主な個展・グループ展・受賞歴などは下記リンクからご覧ください。
コレクション展示室から続く回廊(コリドール)が展示スペースになっています。
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明るい色使いで植物を中心とした自然の風景を描いているというのが第一印象。
カンヴァスではなく、紙に描かれているのも特徴的です。
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ドローイングで作品のイメージが形成される様子が見られるのも良かったです。
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私が一番好きな作品はこの水辺の風景。ブルー系の色使いが好き。
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これは、対象が具体的に描き込まれているのが他と少し違うなと思った作品。
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作品を観ていくうちに、具象的な植物と抽象的なイメージが混在していることに気づきます。
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タイトルから何か別の物語が見えてきそうな作品も。
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鑑賞者が一目で風景であると認識するのを拒むかのように、ナカバヤシアリサの滲みやかすれをともなった絵具の溜まりは、それ自体が生き物、あるいは感情であるかのようにうごめいている。部分への視点と全体への視点、それぞれ幾重にも解釈可能なものをひとつの画面に統合させたい、そんな思いを感じさせるのがナカバヤシの絵画である。(中略)
滲んだ絵具の溜まりは、この世界に無数の生命と感情があることを示すかのようにたゆたう。ナカバヤシの絵画は、私たちそれぞれがそこに自らの感情を移入することを許しつつ、そこには同じで異なる他者がいることをしなやかに伝えてくれるのだ。
確かに、早いストロークで描かれた画面からは感情みたいなものが伝わってきます。
具象的なものの背後にある抽象的なイメージが作家の個人的な感情なのか社会的な何かを表そうとしているのか分からないけれど、そこに「何か」があることに興味を持ちました。
画廊を巡っていると色々な若手作家を知ることができますが、最近画廊に行く機会が減っているなと反省。
久しぶりに初めての作家の作品を観るワクワク感を味わいました。
この日観た企画展についてはこちらの記事に書いています。
最後までお読みいただきありがとうございます。