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感性は、偶然でしか磨けない

「感性が大切な時代ですよね?」多くの人が、いや、ひょっとすると全員が「そうですね」と答えてくれると思う。

「では、あなたの感性を磨くために、何をしていますか?」という質問には、どんな答えが返ってくるだろう。

ビジネスをバリバリやってる男性、簡単にいうとおっさんたちは、困ると思う。だって映画、ドラマ、音楽、美術館、遠いもん。一般的に。

「ごく最近観た映画は何ですか?」と聞くと『バックトゥザフューチャー』が返って来たりする(笑)これ、ウソじゃないよ。今週の話。

ところがビジネス書は山ほど買う。「積読でしてね。ははは」というけど、そんなもん、山のように読んだって、現代のビジネスの役には立たない。積んだままでいいよ。

なぜなら、ここでも何度も言ってるように、「喜びを増やす」ビジネスしか、求められてないからだ。これまでのビジネスは「ザ・昭和」の粘着ネトネトな体質だった。つまり、QCD(品質・コスト・納期)を守る、新商品といえば「顧客の『不』を解消せよ。不満・不安・不便をなくせ」という。ところが、それはもう、到達したし、成熟してる。QCDにせよ「不の解消」にせよ、必然をなぞれば、答えが出てくる。因果で。これって、おっさんの得意技なんだよね。

ところが、「喜びを増やす」となると、必然は使えない。

たとえば、彼女の誕生日を喜びでいっぱいに満たしたい、とする。ああして、こうして・・・これが必然。でも、仕掛けたところで、当たる確率は小さい。「つきあいが短くて、初めての誕生日」であれば彼女も義理で「こんなの初めて!」と笑顔を見せてくれるかもしれないが、結婚38年とかになると手の内をすべて知られてるから、「驚き&喜び」はめちゃくちゃ困難である(阪本の実体験)。偶然、たまたま、ラッキー・・・・に頼るしかない。

思えば、JOYWOWは偶然でここまでやってきた。ニューヨークで独立起業したときも、お客さんゼロ。勝算ゼロ。勝算というのは必然で計算する。できなかったもん。わけわからんかった。

だけどね。偶然こそが人生を豊かにする。偶然の出会い。それは人でも絵画でも映画でも絵本でもいい。

バラエティ番組では、出演者の素が出る。本当に面白いバラエティー番組は、「仕掛け」つまり「必然」の要素が皆無である。その点、日本のテレビ番組では期待できない。偶然起こる現象にいかに向き合うか、これがバラエティー番組の面白さだ。特に旅番組などは。

韓国の俊英プロデューサー、ナPDが手掛ける『三食ごはん』。地方の一軒家で自給自足生活する、というものだが、ゲストに人柄が出る。パク・シネが素晴らしかった。焼き肉屋の娘というだけあって、結局料理をすべて自分がやった。ゲストはただ笑って座ってればいいのに。実際、そういう女優さんもいた。でもシネは違った。あの姿を見て、彼女がいろんな仕事に声かけてもらえる理由がわかった。

感性は、偶然でしか磨けない。

生活の中に、偶然を入れましょう。

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