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新しいは古い、古いは新しい

ここのところ、「新しいは古い、古いは新しい」というフレーズが脳内で繰り返されている。

Facebookなどで「オレ、最新のアメリカ流ビジネスに通じてます」と言いながら肩で風切ってる人、いる。なんか、古い。

あなたの言うアメリカの現場をご存知ですか? と問い返したい。
ボロボロである。

「アメリカ=最新、進んでる」という日本人にありがちな幻想は、2000年、ニューヨークに渡って一週間で壊れた。鉛筆一本、ノート一冊まともに作れない。
いわゆる、「街のお店」的なレストランやショップで働く人たちのやる気の低さ・・・。

あるスーパーのレジ係は、何かモグモグ食べながらお客さんの商品バーコードを処理してた。

買った商品を自分でベルトコンベアの上に乗せる。

前の客と自分の買った商品を区別するため、仕切り棒を置く。

ぼくはまだその習慣に慣れてなかったため、棒の意味がわからなかった。商品かと思ってた。

レジ係が棒を取り上げるので「It's not mine!(それ、ぼくが買ったのと違う!)」と言ったら、口の中からぶわーっと吐き出して爆笑した。

おばさん、汚いって(笑)

これがアメリカの、しかも大都市ど真ん中ニューヨークの実態だ。

いや、これも23年前の話だから、いまはどうなっているかわからないけど。

いずれにしても、「姿勢」はたいしたことない。

「アマゾンで1位になる!」をいまだに言ってたりする。古い。

朝ドラ『らんまん』主人公万太郎が日本中から標本つきの手紙を受け取り、質問に答え、ネットワークを充実させていくさまを見ると、明治時代であろうと令和であろうと、同じだなあと教えられる。手紙かSNSかの違いだけだ。つまり、本質は、変わってないのである。

商いの本質は、遠く江戸時代、いや、平安の世から変わらない。

人が、人に向けて行う営みだから。

人は、そんなに大きく変わらない。

記事の写真もニンテンドー3DS撮影

『Polygon』の記事によると、若者たちの間でニンテンドーDSや3DSの低画素のカメラを使って撮影することが流行り始めているらしい。ノスタルジックな雰囲気出るのがいいそうだ。

この動画はTikTokで210万回再生され、You Tubeでは現時点736万回見られてる。
Nintendo DSで撮影。
「2010年前後のノスタルジックな雰囲気」のおかげでバズった。
彼らは戦略として、あえて古さを出したわけだ。

これから、「ネット盛(も)り」(インターネット盛りと言っていたが長いので(笑))の化粧が剥がれていくと思う。

ネットで人気だけど、でも、「人として」はいかがなものか、という人物はいる。敢えて名前は出さないけど。

そういう人たちがどんどん淘汰されていくのだろうね。

マーク・ジョイコブスがインスタの過去の投稿をすべて削除した。キム・カーダシアンをブランドの顔に起用したので、過去の投稿との「ブランド・エステティクスの不一致があるとうまくない」との判断だ。

ブランド・エステティクスとは、ブランドが提供する美であり、それは発信内容によって形成される。

過去のインスタも、ブランド独自の美を蓄積するために投稿されたのだろうが、キム・カーダシアンというそれ自体がしっかりしたブランド・エステティクスを有している場合、じゃまにこそなれ、シナジー(相乗)効果は望みにくい。

だとすると、SNSというメディアも、「かりそめ」のものになっていくのだろうか。新しいものでも決してないのだが、消えていく存在なのかもしれないね。

*今日の記事は愛読している『Lobsterr Letter』2023年8月21日発行号を参考にさせていただきました。いつもありがとうございます。

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