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いつまでもやめられない人間たちに

前を歩くスーツ姿の男性が、ずっとスマホ見てる。

朝の空気や風を味わうことなく、彼の意識はスマホの中にある。

やがて会社に着く。

彼の身体は椅子に座る。

でも、意識は?

ここが人間の儚く、そして可愛いところで、不器用なんだよね。

ロボットであればAIはミッションのことしか考えない。

そして、記憶は、メモリチップが破損しない限り、消えない。

1964年-65年の作品。大好きで、登場人物すべての声色を変え、朗読して喜んでた。幼稚園の頃かな。アトムの中でも人気の作品。

浦沢直樹さんがリメイクした。『PLUTO』

「生まれて初めて漫画で感動した作品」とした上で、

「5歳で初めて読んだ時から、全漫画の中央に鎮座するというイメージがある」

「その時感じた得体のしれない”切なさ”を、一生かけて突き詰めようとする感覚がある」

と語っておられる。

このたびNetflixでアニメが配信始まった。

なんとも切なく、「一気見」できない。

しょっぱなから、犠牲になったロボット警察官の妻(も、ロボット)が出てくる。事件を追う刑事ゲジヒトが、ロボット警察官のメモリーカードを「遺品」として妻に渡す。妻は、自分の体内に入れ、夫の「最期に見た景色」を追体験してしまう。

ノース2号。スコットランドのお城で、音楽家の執事として静かに暮らしている。音楽家はロボットやデジタル機器が大嫌い。自分の指で弾くピアノこそ、人間ならではの音色、音楽を奏でることができる。そう考えている。

「お前のような兵器ロボットに、音楽なぞ、わかってたまるか」

やがてノース2号と音楽家との心の交流が始まる。

音楽家は、幼い頃の記憶を「敢えて」消して生きてきた。

ノース2号は、戦場での出来事を忘れてしまいたくても、忘れられない。

AIの悩みは、忘れられないこと

にある。

人間は、戦争をやめられない。

『地上最大のロボット』&『PLUTO』では、「命って何?」という問いが投げられる。

ロボットは「戦うために生まれたから、戦う」と言う。
「それが命令だから、戦う」。つまり、それが大義なのだ。

では、人間はどうだ。

命を超える大義なんざ、あるわけない。

地図の赤丸。

言い換えれば、そこで命が失われた場所だ。

『PLUTO』は決して未来の話ではない。

いつまでも愚かな人類に突きつけられた切っ先。

そう思います。

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