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ハイブリッドで仕事しよう

未来では確実にタイムマシンが完成している。
だから、ぼくたちの周囲に、未来人がいるに決まってる。

小学生以来、ずっとそう信じてきた。
ドラマになった。

2253年の未来人は時空パトロールをしている。
過去に戻って、未来を変えようとするのは違法であり、パトロールせなあかん。

未来の価値観と現代の価値観がハイブリッドしたら面白いものができる。
確実に。

そう、今日のテーマはハイブリッド、異種混合です。

人を育てようと思えば、部署異動させることだ。
「その道何年」というのは老化とガンコを生むだけ。
本人の成長のためには、良くない。

これと同じく、フリーランスも、できるだけ「異」な仕事をやらせてもらうよう心がけよう。

フリーランスのクセに「前職が○○でしたから」と言い訳していてはもったいない。成長できないよ。

生物学・農学に"Hybrid vigor"(ハイブリッド・ビガー)という用語がある。

異なる遺伝的バックグラウンドを持つ個体を交配させた際に、その子孫が親個体よりも健康で成長が良い場合を指す。この現象は異種交配による遺伝的多様性の導入によって生じ、通常、生物の成長、生殖、病気への抵抗力、生存能力などが向上する。

スキル偏重の世の中だから余計、会社内において異種との交わりは必要だ。会社の組織というものは、暗黙知で出来ている。明の知はスキルだが、暗黙知はスキルを支えるインビジブルな身体知。これはそのまま会社の身体知となり、風土を築く。定期的な部署異動は本人の成長だけではなく組織全体の成長にもつながる。

世の中の風潮はこれに逆行している。スキル中華思想が蔓延している。ITエンジニアに最も求められるのは、実のところコミュニケーション能力だ。相手の「わからないこと」を丁寧に受け止め、解きほぐし、難しいことをやさしく転換する力。自分の専門知識を素人にわかりやすく伝え、理解してもらう力。こういうのは、意識的に自分を鍛え上げないと身につかない。

このあたりのことは友人・ハヤカツのnoteに詳しい。

だからこそ、ITエンジニアは別の部署に異動してもらおう。

物流に異動した営業は、顧客目線ですごいアイデアを出してくるかもしれない。それがそのまま本人にも、物流にも、会社にもプラスだ。

フリーランスは、たとえば外部勉強会に積極参加し、「違う人たち」と交わる。手前味噌だけど、足かけ12年やってるJOYWOWのMAIDO、そういう効果がある。成果として、出ている。ネコリパロスゼロなどすごいビジネスがバンバン生まれてる。

以前このnoteのどこかの記事で書いたんだけど、近所で店が開店した。どこやらの著名店にいた人らしいのだが、あくまで厨房にいただけで、店全体のデザイン(舞台としての店舗、立地、音楽、接客・・・)は素人だ。集客なんて、やったことがない。

ディナーはコースのみ一人8,000円ときた。
ところが立地が悪い。ビル一階にあるんだけど、二階は子ども向け空手教室だ。キャーキャー言ってる。ドタンバタンしてる。

これで一人8,000円、二人でお酒飲んで2万円の舞台が作れるか?

疑問だったんだけど、一度大将と話し、「近所なので、近いうち顔出します」お愛想言った手前、行かなきゃ男が立たねえ。

行った。

さすがにコースオンリーでは客が来ないと観念したらしく、アラカルトになってた。

一人、フロア担当の女性。

ぼくたちはカウンターに席を取った。奥は個室扱いの別空間があるらしく、グループが騒いでる。

照明、明るい。BGM、音量でかいし、なぜシャンソンなのだ。和食の高級店のはずなのに。

奥のグループ、プラスぼくたちということで、オヤジさん、テンパってしまってる。笑顔がない。フロア担当の女性、「今日だけ」のヘルプなのか、まったくの素人で、オヤジさんとリズムが合ってない。

白ワインをボトルで頼んだ。運ばれた。ワインクーラーを置いて、それで終わり。自分で注げと。
客が二人いたら、ワイングラスは言われなくても二つ持ってくるのが当たり前なんだけど、一つだけ。ぼくは生ビール頼んだからだろうね。彼女、こういう店には行った経験がないと見た。
仕方ない、自分で注ぎましょう、あ、開栓されてない。ワイン、栓も自分で開けろってか。

ビールメニュー、生はマスターズドリーム、瓶はプレモルと、もう一つなんとかいうビール。要するに、どれも濃いメンバーなんだ。こういうときには、一つ、軽めの、たとえばスーパードライくらい入れとくのがビール好きをくすぐるのだが、たぶん、オヤジさん、飲まないんだろう。ワインのセレクトもしょぼいから。あと、仕入れをサントリー一本にしてることもあるのかも。

そしてワイン。常温(笑)。ワインクーラーの氷で必死に冷やして、まあ、なんとか冷え始めたんだけど、その頃はもう、シラけてしまってるから帰り支度の時間。

売りの野菜蒸し。フロア女性、そのまま置いて、いなくなった。
こういうときはうやうやしくテーブルに置き、しばしタメる。
そして、ゆっくり、せいろのフタを開けるもんだ。
そうしたら「わあーーー」となるじゃん。それこそが舞台演出なのに。

とにかく、素人。オヤジさんも女性も。

四品だけ頼んで、帰ることにした。お料理はどれも美味しいんだよ。でも「飯を食いに来てる」わけじゃない。ワイン、ボトルで頼んだから価格的には義理果たしたはず。

お会計が済んで(資金繰り苦しいだろうから、現金で支払った)、「ようやく来れました」などオヤジさんと言葉交わした。名刺くれた。「いや、前にいただいてますから」「違うんですよ。裏見てください」

ディナーお食事
10%引き

と手書きしてあった。

哀しい。全く「ブランド」や「店は舞台」ということがわかってない。

「ありがとうございます」と言って受け取ったが、使うことはないだろう。

オヤジさん、前の店にいる間、他の仕事もやっていれば、こんなことにならなかった。

そう、ハイブリッドで仕事する経験は、あなたの職業寿命に、大いに関係するのです。

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