働くということについて
あまりに感動したので、ここでぼくが翻訳して皆さんとシェアします。
ハリール・ジブラン『預言者』(The Prophet)から;
働くということについて
農夫が聞いた。「お話しください。働くということについて」
アルムスターファは答えた。
人は働いてこそ、地球と地球の魂(ソウル)と一緒に歩むことができる。
怠けたら、季節を感じることもできないし、生きるという営みからも外れてしまう。そうすると、尊厳と誇りと共に無限の彼方へ歩いていくことができなくなる。
働く時、あなたは笛になる。
流れる時間を音楽に変える。
音を出せない笛になりたい人がいるだろうか?
仲間と声を揃えて歌えるというのに?
働くことは呪いだ、汗水たらさなければならないのは不幸だ、と教え込まれてきたかもしれない。
しかし、働くとき、あなたは地球の遥かな夢の一部を実現する。
それは夢が生まれた時あなたにアサインされた役割なのだ。
人は汗水たらして働くことを通じて、生命を愛している。
働く。
働くことで、生命の奥底に隠された神秘に気づくのだ。
時に、辛さのあまり、生まれてきたことは苦しみだ、身体を維持しつづけるのは額に刻まれた呪いだと嘆く人がいるかもしれない。そんな人には、こう言おう。
あなたの流す額の汗以外に、その刻まれた呪いを洗い流せるものはない、と。
人生は闇だとも言われてきた。弱っているときは特に同じように弱った人からのそんな言葉が響くかもしれない。
確かに人生は闇かもしれない。強い望みがなければ。
そしてその強い望みも、知識がなければ「お先真っ暗」だろう。
知っているだけでは虚しいだけだ。働かなければ。
ただ働くだけでは空っぽだ。そこに愛がなければ。
愛をもって働くことであなたはあなた自身と、あなた以外の人と、そして神とつながることができる。
愛を抱いて働くとはどういうことだろう?
それは、あなたの心から紡ぎ出した糸で服を織り上げること。
愛する人に着てもらう服を織るように。
愛を込めて家を建てること。
愛する人を住まわせる家を建てるように。
優しさを込めて種をまき、喜びと共に収穫すること。
愛する人に食べさせるように。
そして、あなたの作り出すものすべてに、あなたのスピリット(精神)を吹き込むこと。
祝福されてあちらの世界へ行ったすべての人は、あなたを見守ってくれている。
働くことは、愛を目に見えるようにすることなのだ。
阪本解説
一部割愛したけど、ほぼ全文を訳した。
「働き方改革」は労働時間の長短を議論する貧しいものではなく、いまこそ、「質」についての問いを立てる時だと思ってる。
テクノロジーはいまこの瞬間も進化していて、「できること」を増やしている。
では、ぼくたち人間は何を問う必要があるかというと
なぜ働くの?
働く喜びとは?
働く目的って何?
といった、本質的な問い。
10人いたら、10通りの答えがあっていいし、そうあるべきだと思う。
あなたの、問いを立てるためのお役に立てればと願って、翻訳しました。
テキストはこちらです。
アマゾンオリジナルなのかな。