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引き算する

企画のコツを。そしてこれはビジネス・スタートアップのシーズ(ネタ)を考えるときにも、新商品を企画するときにも役に立つ。それは;

引き算する

ついつい、足し算しちゃうよね。あれも、これも、あ、それも。テレビのリモコンについてるボタン、あれ全部活用している人、手挙げて〜

ボタンのないリモコンができたらすごいのに

はい、今手挙げた人、りっぱなヘンタイです(笑)

ボタンが一切ないリモコンができたら、それだけで差別化できる。でも、いま、自宅はアマゾンファイアースティック一本でやってるから近いかも。音声で観たい映画やドラマ、あるいは俳優さんの名前を入れたら、表示してくれる。

右はテレビに差してるから、使うのは左だけ

これは引き算した結果だと思う。美学がある。

引き算といえば、アップル。

愛用のMacBook AirにはDVDドライブがないので、外付けするために買った。長く愛用している。今気づいたけど、これ、説明書ないんだよね。届いたときから。でも、「見りゃ、わかるだろ」。はい。確かにわかります。このアップルの美学がいいよね。

こんな逸話がある。戦後間もない昭和20年代の、プロ野球ラジオ実況中継。NHKアナウンサー志村正順氏。

「キャッチャー、立ち上がりました」

しばし、沈黙。

キャッチャーミットに収まる球音を4つ、リスナーに聞かせた。

「・・・お聞きのように、敬遠のフォアボールです」

リスナーはバッテリーとバッターの間に渦巻く心理、試合の流れ、ここで敬遠にする意味、他の選手の思惑、そして球場を包み込む空気を、それこそ全身を耳にし、想像力をフルパワーで聞き入ったに違いない。自然に耳に入る「聞く」が、身を乗り出して「聴く」姿勢に変わったはずだ。「音のない中の音」が、試合を何倍にも、そして実際に目で見るよりも、味わい深くした。

これが今ならこうなるだろう。

「あ。申告敬遠のようです。解説のヤマダさん、いかがですか」

「そうですね〜。ここはやはりそうなるんでしょうね」

(笑)。味わいもクソもない。そもそも申告敬遠(または故意四球)では、キャッチャーミットのミットを聞かせることすら、できない。味わいも情緒も消えてる。

ビジネスで大事なことは「引き算」。つまり、「やらないこと」「売らない相手」「やらないサービス」を決めることだ。

あれもこれもやります、というのは、素人、アマチュアなのである。

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