SSKとは
▼マネジメント職になると増えると言われるSSKとはなにか?
リーダー、マネジャー、ディレクターとポジションが上がればあがるほど徐々に「SSK」と言われるもの時間をとられるようになってしまうというのは、元リクルート藤原和博さんの有名な言葉の一つです。さてそのSSKと言われるものは一体なんなのでしょうか。(野球のメーカーではないです笑)
一般的なマネジメント(リーダー、マネジャー、ディレクター)の時間の6~7割は、徐々に次の3つに費やされれていくことになってしまいます。
①接待(S):接待や部下の同行・同席 ※社内接待も含む
②査定(S):部下の査定や人事の問題 ※部下との会話や飲み会含む
③会議(K):会議とその根回し下ネゴ ※関連部署との社内調整時間も含む
大手企業の部長や会社役員の方のスケジュールはSSK比率が実に9割に達する人もいます。それだけ「自分の仕事」をする時間がなくなってしまうということです。組織は仕事がデキる人ほど偉くなっていきますが、皮肉なことにデキる人が出世して SSK 比率が高まっていくと、本来の自分の仕事をする時間がどんどん減っていきます。下手をすると調整ばかりがうまい、仕事のできない人が産まれていってしまいます。
▼SSK比率が高まり自分の仕事ができなくなるとどうなってしまうのか?
「調整ばかりがうまい、仕事のできない人」になると何がリスクなのでしょうか。それは転職市場においては価値が低い人になってしまうということです。具体的には「調整」はその会社でしか通用しない個別スキルであることが多く、長いこと同じ職場で仕事をすることで得られる人間関係に起因する限定されたスキルです(ポータブルスキルではない)つまりはその会社においてはとても大事なスキルなのですが、必ずしも他の会社で通用するかどうか不明であるということです。また中小企業やベンチャー企業ではSSKがほとんど意味をなさないこともあります。自分自身がプロとして持っているスキルがないと、調整することしかができず活躍ができないのです。
▼具体的な事例としては、どんな事例があげられるか?
大手企業の40〜50代のリストラや早期退職制度に応募して中小企業に再就職した方々が陥る困難な状況があります。当初はとても優秀な方々でしたが、徐々にマネジメントとしての職位があがるに従ってSSK比率があがり、自分の仕事ができずスペシャリティのない方々が増産されてしまいます。かつ大手企業の部長職となれば年収1,000万以上の方も多く、かつプライドも高くなります。一方で仮に別の会社に移った場合は、SSKが途端に通用しなくなります。それでいてスペシャリティのある仕事ができないと、年収とプライドだけが高く仕事ができない人となってしまいます。大手企業にいたとしてもスキルを上げ続けないとリスクがある時代となってしまいましたね。
▼そのリスクを避けるためにどのように今の仕事をがんばったらいいのか?
会社の評価と同じでも別でもいいのですが、自分で非財務(売上やKPI以外)のテーマを持って仕事をしていくのはどうでしょうか?たとえば「事業企画においてメンバーやスタッフと一緒に自ら企画を設計してみる」とか、「誰よりも一生懸命に面接をして、入社後活躍できる人を絶対に採用する」とか、「自ら先頭に立って業務効率化や協業に関する企画を推進する」とかがあると思います。また知識向上において「Webマーケティングの知識習得を行い資格を取得しメンバーや顧客と会話する」とか「経営者との会話を円滑にするために中小企業診断士を取得する」等々なんでもいいと思います。昔からある笑い話に転職面接において「私は部長ができます」と言った方がいるという話がありますが、まさにこの話ですね。
▼複業においても大事なポイントは頭だけではなくて手足を動かせること
昔、先輩に言われてこの20年くらいずっと大事にしている考えが「評論家になるな」ということです。つまりは「当事者たれ」という言い方もできるかと思います。言うだけではなく、具体的に何ができるのか何が貢献できるのかはとても大事なことです。SSK比率が高まって、それが当たり前になってしまうと口だけ出して、自ら仕事ができないひとになってしまいますね。目の前の仕事をなんらかのテーマを持って一生懸命がんばっていきましょう!