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DevHRの徒然手記#3 ~採用はいつから人事の仕事になったのか~

こんにちは、あるいはこんばんは。

スパイファミリーを全巻読破したKJです。

東京出張が終わり、関西へと帰ってきました。相変わらずの人の多さに辟易しましたが、クライアントとの合宿や大学の旧友との豪遊など非常に有意義な1週間でした。

今回は現在の日本企業(特に超大手)の人材採用の現場で起きていることへの問題提起と、どうすれば良いのかを自分なりにツラツラと書いてみました。


1.大手企業の採用を取り巻く現状

会社員時代から感じていた疑問でもあり、最近超大手企業の仕事をするようになって改めて思うのが、「採用目標を人事だけが追っている」ということ、そしてそれに伴って、採用目標が未達だと人事が部門に詰められるという文化です。正直理解不能です。

部門に言われるがままに求人票を作成して

エージェントに求人をぶん投げて

面接調整をして

オファーレターを作成する

この一連の流れに人事としての介在価値は全くないし、部門としてのスタンスがそもそもおかしいと思います。

・一緒に働くのは誰か

・ビジネスゴールの達成のために強い組織を作りたいのは誰か

・人材採用が進まないと困るのは誰か

これらを考えれば、自ずと誰がオーナーシップを持つべきが誰かは分かりそうなものなんですが、一体いつから採用の全責任は人事が負うことになったのか。どのようにしてこうなってしまったか、については話が膨らむので今日はさておき。それじゃ勝てねえよ。と強く思う訳です。

なぜかって、

部門がオーナーシップを発揮している会社に自分達が取りたいターゲットを片っ端から取られてるからですね。

2.採用における理想の状態とはどうあるべきなのか

採用における人事はサポーターであり、バックアップであり、ディレクターにすぎない。サッカーで言えば、ボランチです。マンCのヤヤ・トゥーレは最高です。

入社者と一緒に働く部門(または入社後の直属上司であり、米国外資ではHiring Managerと呼ばれる人)がオーナーシップを持っている企業こそ、この採用難の時代において勝っていますし、現代における最もbetterなフォーメーションではないかと思います。

※企業のステージや個別事情の結果、経営者or人事が孤軍奮闘した方がいい場合も当然あります。

最近ではスクラム採用(以下、部門がオーナーシップを持つ採用体制をスクラム採用と呼びます)なんて呼称も出てきました。

では具体的にどのようなステップを経て、このスクラム採用に移行していくのかをざっくり書くと、

1.経営者が変わる
上の考えが変わらないと会社は変わりません。経営層の考えがどこまで変化し続けることができるかがその会社の成長限界です。

2.管理職に考え方をインストールする
経営層のマインドが整えば、次は部門長を各個撃破です。

3.仕組みを整える。
考え方を浸透できたら、人事評価に組み込みたいところです。部門長のRoRに設定しても良いです。ベンチャーであれば事業よりも組織作りに貢献した社員にこそSOを多く出すようなパターンもあります。

4.採用の戦略を描く
いつまでに、誰を、なぜ、どのように、と手段の部分を整えていきます。

5.全ての採用ポジションのオーナーを明確にする
戦略は実行責任を負う人がいて、初めて成立します。

6.成功を全員で喜び称え合い、失敗を全員で悔しがり、改善する
苦楽を共にしたチームは強いです。

めちゃくちゃはしょってますが、こんな感じです。そして何よりこの一連を牽引する人事こそが鍵になります。

3.採用人事に求められるスキルの変化

スクラム採用へ移行していくために採用人事に求められる能力は先代的なそれよりも遥かに高度な水準が求められるようになってきたと思っています。

最低限必要な能力だけでざっと以下の通りです。

マーケットリサーチ
トレンドを追う、他社を見る、新しいものを因数分解し、自社に取り入れる、最適な手段を提案する能力。

プロジェクトマネジメント
部門の採用リテラシーの向上及び採用活動の品質担保。プロジェクトに関わるメンバーの業務レベルの標準化など。

ビジネスコンサルティング
事業の理解。部門の成長に必要な人材の要件定義。

PR、広報、ライティング
自社を理解してもらうためのコンテンツ作り。正確な情報を適切に届けるためのメディアリテラシー。レプュテーションリスクの考慮。

セールス
部門や経営を突き動かすパッション、候補者を口説き切る交渉力。

・・・

他にも語学力やらITリテラシーなど挙げ始めたらキリがありません・・・
もはやビジネスにおいて人事は総合格闘技といっても過言ではないです。

こんなハイスペなヤツいる!?
いねえよなあ!!?

4.採用人事すら採用できない時代へ

前項で記載した通り、スクラム採用を実現するためにキーとなる人事に求められる能力は絶望的な程にハイスペックになってきています。社内に適任者がいればもちろん良いのですが、外部から採用するとなると困難を極めます。

近年では副業やフリーランス、アウトソーシングなどのプラットフォームやサービスが充実したきたこともあり、全てのリソースを自社内で揃えようとするのはもはや得策ではないかもしれません。

人事に特化した副業人材やフリーランスを斡旋してくれるプロフェッショナルベンダーや豊富な採用ノウハウを持つRPOを上手く活用すれば、スクラム採用の早期実現につながる可能性があります、

ついで程度ですが、仕事でお世話になっている企業をいくつか紹介したいと思います。この3社のおかげで上手くいった採用の数々は語り尽くせません(各社許可をいただいております)

テクノロジーが激変していく時代、組織も人事も常に変化し続けていかないといけませんね。

こちらおしまいです、ではまた!

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