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『Human Assessmentによる昇進試験』あなたは昇進試験についてどれだけの知識がありますか?【#2】
■ちなみに演習課題の中にペーパー試験に近いもの一つだけあります。
インバスケットです。
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他の演習課題と違って完全な個人処理なので表向きはペーパー試験です。
正解がありそうにも見えてしまいます。
しかし、このインバスケットにも正解はありません。
ここを説明すると#3、#4が必要になりますし、
受験対象者以外には必要ないのでこの記事では書かない方がいいでしょう。
文書に現れる様々な要素から、「なるほど、こういう考え方をするんだなあ。」と、考え方を見ています。
答え合わせをするのではなく、あなたの資質・潜在能力・可能性を推測し、分析していることになります。
そして、一つの課題だけで判断するのは危険なので、他の演習課題との整合性を分析していくのがアセッサーの仕事なのです。
たまに、インバスケット至上主義みたいな人がいるようですが、インバスケット対策だけでは昇進試験対策にはなりません。
『対象となる企業はどんな分野で、そしてその分野であれば、これこれこういう人材が管理職として求められるであろう』という推測・検証・固定化ができます。
・・・実際には通常の場合、求められる人物像を人事部と話し合って定義しています。
コンピテンシーの抽出➡➡➡dimensionの固定、というプロセスです。
企業が求めている人材像とそのために必要な能力要件、そして、それに対するあなたの保有能力を補完するためには何があって、何が足りないか・・・を、知ることから対策を始めなければならないのです。
そして最終的に、評価は全体評価になっています。
全体との繋がりを見ていますから、インバスケットだけ、あるいは経営分析だけでは無理と言うか歯が立たないのは、そういう理由です。
簡単に言うと、
計画・対策のスタートラインは、
①自分自身の強点・弱点を正確に知るということになります。
そして、
調べると言っても人事部に尋ねるということではなく、勤めて2~3年もすれば自ずと解ることで、その程度で十分です。
また、昇進しようとしている職位(ターゲット職位)によって求められる人材像は大きく異なりますから、あなたが目指しているターゲット職位に対する能力要件を知らなければなりません。
部長昇進なのに主任昇進の能力要件(スキル、求められている能力)を伸ばそうと準備を進めてもボタンの掛け違いになるだけです。
実はこれ、結構多いんですよ。
主任には主任の、
課長には課長の、
部長には部長の、能力要件が求められていますから、そこを的確に押さえておく必要があります。
もう一つは、「自分自身の能力を正確に押さえている人は少ない」ということも、非常に大きな問題です。
会社(直接の上司)の評価と外部のプロが見る評価とでは大きく乖離している場合があります。
「評価者研修」というものがありますが、一定数は、この上司に評価される部下の方は災難だな~と感じることがあります。
いわゆる、上司の能力不足です。
手っ取り早く客観的に、「自分の現在地」を知る方法、それは、「模擬問題」や「過去問題」をやってみて、アセッサーの添削を受けてみることです。
そして、自分の現在地を知る。
何を、どのようにブラッシュアップさせれば良いか。
それが改善されると大きな大きな「自信」に繋がります。
この「自信」は、4つの演習課題のすべてに繋がっていきます。
更にそれは、昇進試験だけに限定されるものではありません。
生活にも拡がっていくのです。
小さかった自信が、すべてを変えていくのを感じることでしょう。
byT.T