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退院までの日々

私は個室にしていた為、随分気持ちには余裕のある入院生活が出来たと思う。部屋の中でソファーへ移動するだけでもいいリハビリとなる。トイレも部屋にあるので廊下に出てその都度 オシッコの量を測る事も気を使わなくていい。洗面もあるので常に部屋の中での生活は私にとってはいい環境であった。術後はとにかく歩きましょう。が看護師さんからも先生からも何度も言われたので廊下を歩いたりしながら痛くなれば痛み止めを飲みながら寝て起きてを繰り返した。

夜中の寝たいけど寝れない痛さや体勢にリクライニングできるベットを何度あげたりさげたりしただろう。丁度いい体勢を探しながら起きるたびにベット柵をつかむので私の手はマメだらけになった。夜中にまわって来る看護師さんにある時聞いた。

「この病棟に居る人はみんな膵臓をとった人?」と私が聞くと「ここは消化器外科だから膵臓の人も胃の人も腸の人もいるよ。」わたしはみんな痛いんだな。みんな豆を作りながら耐えてるんだなとみんなが愛おしくなった。だから痛いくらい我慢して早く自分のお家に帰ることを尚更思い願った。私だけではない。私の為に仕事を休業してまで県外に住んでいる姉は何か出来ればと病院近くのホテルに1か月近く滞在してくれた。コロナがある為誰でもお見舞いはできない。私が指定した主人と姉だけが私の外の世界を教えてくれた。私の病気がわかってから姉は外来にも付いて来てくれた。早くに両親を亡くした私たちは姉妹仲良くしてきたが、今回の私の入院で改めて仲良くなれた。私の退院が決まり私は入院した日以来のシャワー許可が出た。洗っても洗っても髪が抜ける。気持ちいい軽さとなり私は生まれ変わったように身軽になった。お腹に入っていた膵液チューブも抜かれ穴が自然にふさがるまで大きめのバンドエイドで貼るだけでいい。朝起きれば私はお家に帰れる。早くから起き旦那さんと姉が来るのを待った。


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らんらん
身体が一番です。まだしないと困る事だらけの私に優しい気持ちをありがとうございました。