マガジンのカバー画像

学年通信武者修行

8
高校時代に、学年通信に連載していたものです。 お手柔らかにお願いします。
運営しているクリエイター

記事一覧

ニノウデフェチの夏休み⭐︎

 わたしの夏休みです!

水戸芸術館 沈みゆく身体と陽

 時間を好きなように使える夏休みだからできることを一つやろうと思い、水戸芸術館現代美術ギャラリーに通うことにした。毎回、天気や時間をずらして行くようにしたり、じっくり鑑賞する日とそうでない日を作ったり、天井だけ見てまわる日にしたり…。とりあえず色々やってみた。少しの変化も芸術館ではかなり大きいものに感じた。
 現代アートを鑑賞している時、私

もっとみる

暗闇と輪郭

 夜の底を見たことがなかった。どんなに深い眠りについても。灯りを消した私の部屋の窓からは囁やかな月の光が入ってくるが、それだけでは全ての輪郭を捉えるのには足りないし、特に惹かれるような音が体内に入ってくるわけでもない。この世界の全ての境界が曖昧になり、身体が自分のものとは思えないほどずっしりと重くなる。私の瞼が「暗闇」という重さに耐えかねて、段々と降りてくる。

 目を開けていた時、私のいた世界は

もっとみる

心の窓から換気して

 曇りに雨の日続きでなんだかからだも心も生活もしけっている日々を過ごしている。それに加えて、季節の変わり目はやたら饒舌になる傾向があるから、しゃべりすぎていないか心配だなぁ。天気の良い日は適度に外の乾いた風を取り込んで、心の換気ができるけれど、雨の日に窓を開けると水浸しになって心が落ち込んでしまうし、向かい風で傘をさすと、びしょびしょになってもう最悪気分落ち込み状態〜。
 でも、季節は巡るものだか

もっとみる

MONO NO AWAREと坂口安吾

 私の大好きなMONO NO AWREというバンドが水戸に来る!ということで先日、水戸ライトハウスにライブを見に行った。水戸という見慣れた景色、匂い、音の中に自分の好きなバンドの演奏があるという光景にとても特別感を感じた。馴染みのある場の空気を通して音が伝わって来る感じが一体感と親しみを生んでいるというところに感動していたような気がする…。(感動しすぎて言葉にできないの!)

 MONO NO A

もっとみる

水平な無限の壁

 いよいよ受験生〜。受験・進学に向けて、自分で目標を設定し、計画を立てて実行する、日々の積み重ねをなによりも大切にすること、好きなことに磨きをかけていけるような一年にしたいと思っている。
 しかし、私は継続することが苦手である。どんなに自分の好きなことであっても、自信がなくなったり、周りの評価が気になったりするとなかなか手がつかなくなる。私の悩みの一つだ。

 「かもめのジョナサン」は、漁船の周囲

もっとみる

嫉妬

 今回で四回目。勢いだけで書き進めることができなくなってきた。行き詰まることが増えた、辛い。何が辛いのか、はっきりと説明することができない。えたいの知れない不吉な塊がある。

 とりあえず、テーマを決めなければ、と本屋に向かった。私がいつも行く本屋は品揃えが豊富な上に陳列が分かりやすくとても便利だ。行けば大抵の本の場所がわかるくらいになった。本屋は私にとって夢の国。この世の中で唯一浮遊できる場所で

もっとみる

シンパシーとエンパシー

 やさしさというものは難しい。相手を慰めたり、心の傷を癒したりするような言動をしているつもりが、相手にとっては鬱陶しかったり、突き放されたように感じたり。もちろん私もそう感じることは多くある。 
 私も先日、同様の失態を犯したばかりである。ある悩みを抱えた相手に対し、「実は私もね〜」と軽々しい言葉をかけてしまった。今思えばあれは心配でもやさしさでもなく、同情をしただけであった。この接し方は本当に良

もっとみる

虎!虎!虎!

  読書は面白い。自分の見たことない景色をこんなにも容易に見せてくれる手段は他にはない。言葉の響きや文体、私の心は常に高揚している。
 それと同時に、「世の中にはこんなにも面白いものを書く人がいるのに、どうして私はできないのだろう」と落ち込むこともよくある。理想としている人やなりたい自分と今現在の自分はかけ離れすぎている。いつ生まれてきたのか分からない「自意識」というものが常に私を苦しめてくるのだ

もっとみる