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キズフタVol.06 映画館で立てないほど泣き崩れる37歳 映画「ある一生」について(ネタバレ感想)

傷つけたくないし、傷つけられたくない2人(通称キズフタ)が毎回あるテーマを元にゆっくり話をする番組。
話し手は言葉のそばで仕事をしてて、サブカルチャーを雑食に愛する人です。
のんびりとお付き合いください。

映画「ある一生」を激推しするおおさかさんと、それを受けて映画を見たなごやさんの感想回。劇的な何かが起きるわけではない静かな映画に二人が大興奮した理由とは?
人生の幸福とはどこに宿るのか、幸福な人生とはそもそも何か……?
ぜひお聞きください。
※Spotifyの音声が聞き取りづらいかもしれません。ご了承ください。

キズフタ第6回 かいつまみ

話し手


大阪出身:メガネ


名古屋出身・眼鏡

・映画「ある一生」が今のところ人生ベスト映画かもしれないおおさかさん。
・エンドロールで咽び泣き、上映後ライトがついても立てないほどだったおおさかさん。
・激動の20世紀、アルプスに生きた名もなき男の愛と幸福に満ちた一生(公式HP引用)……という落ち着いた宣伝トーンからは予想し難い激動っぷりの主人公エッガーの人生。
・とはいえ映画全体のトーンとしてはそこまで劇的ではない。
・「ある男の喪失と再生の物語──‼︎」とできるところをしない映画。
・途中、「黒部の太陽」ぐらいの村の一大事業があるのにそのくだりが15分ぐらいで終わったことに衝撃を覚えたなごやさん。
・ドラマチックにしようと思えばいくらでもしようとできるのに、常に主人公の主観的視点で描かれ続けて観客の心に一線引かれすぎているが、それがかえって見てる人間に前のめりで物語を見させているかも。
・平凡な男の人生、のようでいて一つ一つの要素を粒立てるとめちゃくちゃ激動の要素が多すぎる主人公エッガーの人生。
・エッガーが最後まで捨てなかったものは、どんな場所でも幸福を感じられて、幸福なまま人生を終わらせることができる素敵で名のないもの。
・エッガー幼少期の辛すぎる食事風景。
・人生の9.9割辛かったはずなのに、走馬灯の割合が0.1に含まれる家族との幸せの時間だけで埋め尽くされることの幸福。
・進化と進歩に価値を置いて推奨しすぎる世界から見ると、エッガーの人生と眼差しはその価値からは遠いところにいるのにとても幸福だった。
・幸せってなんだろう……
・人が幸福に生きるために本当に持っておかなければいけないものってなんなんだろう。
・この映画を見ることで、自分の生きる「幸福」について考えることのきっかけにできるのでは?
・人生の空白の期間、老い……人生の「終わり」はいつでもつけれてしまう。
・「終わり」は自分で決めることができる。
・何者にもならなくても、人生はこんなにもドラマチックだ!
・ヤギ飼いのヤギハネスという日本語的に誂えたかのような名前。
・承認欲求皆無の主人公エッガーと、承認欲求のヘドロからかろうじて口だけ出して呼吸してるぐらいの現代人。
・ひとつの電気が点くことにも、そこには隠れた人の多大な労力と時間がかけられているはずなのに、そのことは見えなくなりがち。
・素晴らしい映画なんだけど、SNSの感想映えしづらい映画。
・細かい感想がいっぱい出てくるから、観た人と感想を長時間喋りたくなる映画。
・自分の人生がつまらないな、と感じていたり、過去いた環境のせいで今の自分を辛いと感じる人、自分はもう終わった、という感覚に陥っている人が見たら、生きる力が湧いてくるかも
・人生のいろんなタイミングで見返して自分を振り返るための映画になりそう

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