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もしも人事の修学旅行があったら、どこに行って何を学ぶのが良いのか?

仮にそんな問いを立てたとしましょう。みなさんだったら何を思うでしょうか。

私が2024年においては、これを学ぶと良いのではないかと思っていたのが、今日から始まるこのプログラムです。

それが、フィンランドや北欧社会から、働き方やウェルビーイング、サスティナビリティについて学ばせてもらおうというもの。

自分だけでは無理だなと思い、エラマプロジェクト代表であり、フィンランド生涯教育研究家の 石原 侑美さんにお願いして、その第一弾として、まずは働き方とウェルビーイングについて学びを得ていくプログラムを作ってもらいました。

私はカッコよくいうとコーオーガナイザー、そのままいうと、引率の副担任の先生みたいな役割で、参加させてもらっております。

ということで、今日から約1週間にわたって、フィンランド第五の都市であり、企業家やエンジニアを集めて街を発展させていこうと活動しているオウル市を舞台にしたツアーが始まりました。

この後、いくつかの組織をたどりながら、参加してくれた方々と一緒に学びを深めていくことになっています。

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【1日目の様子】

ホテルの会議室を借りて、基本情報のインプットをしている様子

ここにやってくる前に、一度、事前のオンラインセッションはあったのですが、直接お会いするのは今日が初めてでした。

まずは自己紹介と、ここに何を学びにきたのかを紹介し合うところから始りました。

聞いてみたら、皆さんの動機が、

「どれもめちゃわかります!!まさに、私がそれを知りたかったから、このツアーを企画しているんですよ!!」

というものばかりでした笑

ざっと参加してくださった8人の内訳を紹介すると、

・就活前の大学生が1人

・企業の人事担当の方が2人

・企業のR&D部門の教育担当の方が1人

・学校に働き方改革のコンサルティングを提供されている方が1人

・学校教育の中でキャリア教育をテーマにされている方が1人

・私と同じように研修ベンダーの方が1人

・大学卒業後、一度目の会社で3年ほど働いたけれど、違和感を感じて、転職活動に入られるという方が1人。

という感じでしょうか。

どの方も、私が一部分、ないし、かなりの部分、携わっているテーマを持つ方々です。

当然、話も弾みますし、講義を聞いた後の意見交換も共感できることに溢れていて、とても良い時間が過ごせて本当にありがたい限りです。

参加してくださった動機を深く聞いていくと、まさに私が最近、クライアント企業の担当者さんから聞かせてもらうことと同じ話に展開していきます。

気がついたら、私からのユーザーインタビューみたいになっていて、いかんいかんと、がんばって自制しております笑

【1日目の内容】

ちなみに、今日は、ざっとこんな流れでした。

1、参加者自己紹介

2、ゆみさんから、前提知識として、フィンランドにまつわる概要情報についての共有

3、フィンランドの職業訓練学校にお邪魔して、校長先生からフィンランドのキャリアの根幹となる生涯学習が実際、どんな形で展開されていくのかの視察その1

4、フィンランド人の幸福がどのようにして生まれてくるかについて校長先生からの共有

5、フィンランド式のウェルビーイングの感じ方の実践(森の中の散歩の仕方)

6、質疑応答

と言った感じだったでしょうか。

【世界幸福度ランキングについて】


もちろん、世界幸福度指数についての話も出てきています。

我々日本人にとっても不思議ですが、海外でも不思議に思っている人が多く、現場にいって調査している様子が番組になっていたります。

校長先生からの見解も教えてもらったのですが、ここでも言われていたのが、「フィンランド人もみんな全然全くピンときていない」という話。

どのメディアに載っている情報を見ても、そういった言及がされているため、実際問題、じゃあこのランキングにはどういったバイアスがあるのかというのが気になっていたのですが。

今日、フィンランド人である校長先生から、直接その裏にあるフィンランド人の感覚についての話を聞かせてもらい、なるほどなーと思ったことがありました。

今日1つだけ謎が解けたかもなと思った私の理解、仮説を共有しておきます。

【フィンランドの幸福度の高さを生み出している1つの要素とは?】

もともと、1年の大半が冬であり、下手したらほとんど日が登らない日も続くフィンランドにおいては、ちょっとしたことで大きく幸せを感じることができるし、実際問題、そう感じるしかないところがあるようです。

それを聞いていくと、なんでもかんでもそこら中にあるが故に、日本人が気付けなくなってしまっている幸せを感じるセンサーが彼らはめちゃくちゃ鋭く鍛えられているところがありそうだなと思いました。

たしかに、幸福を感じるためには、持っていないものを数えるよりも、持っているものを深く見つめ、そこの価値を深く味わった方がいいというのは間違いないだろうと思います。

そう考えてみると、良くも悪くも、日本社会は末端まで商業主義が浸透してしまっていて、さまざまなものを手に入れることが良いと思うようになりやすい状況にあるなと思いますし。

何か持っている人があちこちから視界に入ってきてしまうが故に惑わされまくる、というのが多くの日本人に働いているように思いました。

言うなれば、自分の価値観センサーが貧弱なまま、乱されまくっていうようなイメージでしょうか。

それと対比してみると、フィンランド社会は(おそらく相当意識して)商業主義を浸透させ(すぎ)ずに、自然の豊かさとともに生きていくことを選択しているという前提がまずあるように思いました。

その上で、自分の価値観としっかりと向き合うことを大切にしてきているからこそ(とにかく暗くて、寒い冬が長く続くという環境が影響して、自分と向き合う以外にできることが少ないのもありますが)物事に動じ過ぎずに、ウェルビーイングを体感できている部分があるのではないかと感じました。

そうやって考えていくと、寒さから逃れられ、かつまた、自分の内面や周囲とも良い形で対話ができうるサウナがフィンランドで大切にされていくのも非常によくわかる話だなーと思いました。

【校長先生の話を聞きながら感じた1つの違和感】

これも私の中で、面白い発見だったので、せっかくだから書いてみようと思います。

今日、校長先生の話を聞かせてもらっている時に、平均的な日本人の感覚を持ったままで聞いていくと、一種、何かしらの信仰に近いものを感じる時がありました。





まるで「自然と共生教」のような宗教があって、そこの神父さんの話を聞いているみたいな気持ちになる瞬間が何度かあったという感じです。

言うなれば、ロジックを超えた、もっと大きなものを大切にするような姿勢、というイメージでしょうか。

でも、たしかに、こう言った姿勢の方が幸せを実感できるタイミングは増えるだろうなーということも思いました。

同時に思ったのが、彼らの立場から見てみると、もしかしたら日本の資本主義を前提とした今の社会にも、何かしらの土着の信仰性みたいなものがあって、彼らが我々のあり方を見たら、この人たちは、私たちが持っていない何か不思議な信仰を持っているぞと、そう感じる瞬間があってもなんらおかしくないだろうなとも思いました。

私には、何が正しいのか、正しくないのかはよくわかりませんが。

世界にはいろいろな国がある中で、なんらかの測り方をした時に、こういう姿勢の国が7年連続で幸福度1位になるというのは面白い話だなーというのが今日の私の感想ですね。

もちろん、世界幸福度ランキングには、個人の主観以外にも社会の安定性などの要素も大きく影響するため、これだけでは説明できない部分があることも加えておきます。

この私の見立てがどれほどあっているのかあっていないのかは、この後もいろいろな人と対話をしていかないとわからないなと思うのですが。

早速、1日目にして、今はまだよくわからないけれど、これから数年、数十年とかけてこの道を進んでいけば、「これはこういうことなのではないか」という私なりの手応えは得られそうな気がしているので、本当に来てよかったなと思います。


五感を研ぎ澄ませながら、自然豊かな公園を散策しました


冬まであと1ヶ月という紅葉が美しいシーズン。視覚や聴覚、嗅覚に意識を向けながら、体の反応に集中していくと、なんとも言えない豊かな気持ちになっていきます。


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【1人ではなくツアーという形で来て思うこと】

最後にもう1つだけ。いつもは自分で、勝手にあちこち回っていくというスタイルが大部分の私ですが。

今回、ゆみさんにお願いしてツアーというスタイルで来て気づいたことがあったので、これも書いておこうと思います。

まだ1日目が終わろうとしているところでしかないのですが、すでに、これは絶対自分だけじゃこれなかったなと。そのありがたみを噛み締めております。

こうやって、適切な話を聞かせてくれるであろういろいろな機関や担当者さんとばっちり調整してくのは全くもって簡単ではなかったでしょうし。

講義時の通訳はもちろん、話の背景にあるフィンランド情報まで適宜、解説してくれるゆみさんはまじですげーなということを思いました。

ポジショントークにしか思えないかもしれませんが、念の為、それも共有しておきます。

ということで、こういう機会をいただけていることに感謝の気持ちでいっぱいでございます。

また、明日も参加してくださった方々と一緒にしっかりと理解を深めて来れたらと思います。

今日も素晴らしい学びの機会をどうもありがとうございました。

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きづきくみたてnote 森本康仁
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