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フィンランドの働き方から学ぶ「自分のパフォーマンスを最大化させようとした時に、果たしてどのような働き方をすると良いのか?」という問い


フィンランドツアー3日目が終わりました。
本当に、今日もいろいろなことを考える機会をいただきました。

また今日も1つの写真から私が考えたことを共有したいと思います。

【今日の1枚】

早速、1枚目の集合写真を見ていただけたらと思います。

これ、今回、お邪魔した職業訓練学校(フィンランドの場合、中学校を卒業したらこの学校に入るとのことなので日本でいうと高校ですね)の生徒さんたちと先生と、私たち日本からのツアー参加者での集合写真なのですが。

どの人が先生かわかりますでしょうか。

なお、先生は二人います。ぜひ、この先を読む前に写真を見てみてください。

これ難しくないですか。

私においては、「あなたは先生ですか?」と何人かの方に聞いていった結果、結局、二人の方から「いや、私は生徒です」と言われました。

日本の場合、高校の中に入ったら、だいたい16歳から18歳の生徒しかいないので、先生がいたらまず間違いなく一発でわかるでしょう。

ただ、見ていただければわかると思うように、フィンランドの場合、何歳からでもこの学校に、しかも無料で通えるため、おそらく私よりも年上の方々が何人かいました。

ちなみに、この写真で写っている先生は、上段の左から3人目の女性の方と、6人目の男性の方でした。

いやー、こんなの聞かないとわからないってっていう感じですよね。

先ほど書いた2人の「いや、私は生徒です」と言われた方に聞いてみたら、二人ともいくつもの職業を経て、今はここのプログラムに参加しているのだとのこと。この後、2年ほどここで学んだ上で、観光業に携わりたいと言っていました。

こういうキャリア、日本だと、かなり異質だと思いますし、なんなら本人も周囲も大丈夫かなと、不安になったり、時にネガティブに思われたりしそうなものですが。

本人は至って前向きだし、周囲も「がんばって学んでいこうね!」というただそれだけの感じでした。なんなら、いろいろなキャリアを経験している分だけ、戦力になって良いよねというポジティブな解釈まであるとのことです。

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【フレックス制度の可能性】

日本においてもようやく今では当たり前となってきたフレックス制度で考えてみると、一般的に知られているフレックスタイムが、1日の中での働く時間を一定の枠組みの中で柔軟に調整できるのに対して。

フィンランドにおいては、それが1日や1ヶ月単位での調整ではなく。数十年単位で、どこのタイミングで働くか、新たに学ぶか、また休むかの調整ができるようになっているんだろうなと感じました。

もちろん、フレックスタイムという就業形式はあって、それそのものはその働き方を指すのですが、もっと大きなフレックスタイム、言い方を変えればフレックスキャリアのようなものがあるなという感じです。

聞いてはいましたが、本当にキャリアの柔軟性が高く、かたつまた他人に対して寛容だなと。

日本の中の当たり前の中で過ごしてきた私からすると、こんなのが可能なんですか、、、と衝撃を受けます。

これ、昨日も書いたように、日本に張り巡らされている「領域展開・1940年体制」中で、これをそのままやろうとするとちょっと厳しいものがある気しかしませんが。

ただ、簡易領域として展開されている一部のコミュニティの中ではこれが当たり前のようにできるようになったら良いなということを思いました。

呪術廻戦においての領域展開は、おそらく数十分からせいぜい数時間くらいのイメージなんだろうと思いますが、自分のキャリアの簡易領域が、日本の「1940年体制」の中で数十年単位で続いていくイメージですね。

また、翻訳アプリでのスクショも貼っていますが、フィンランド社会も、最初からこうやっていた訳ではなく、昔は日本と同様に、管理型のシステムを持っていた中で、みんなで議論をしながら社会のアップデートをしてきたという話で。

訳がところどころ変ですが、ニュアンスが伝わればと思います

日本においても、どの単位になるかはわかりませんが、本気でやろうと思えばできるんだろうなということを思いました。

フィンランドが、制度を大きく変えることができたのも、自国の産業の状況や国力などを比較した時に、このままでは他国との関係性において、厳しい展開になるという危機感がきっかけだったとのこと。日本においては、まさにこれからがその時なのだろうなと思いました。

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【回復と創造のためのマイタイムをいかにとるか】

また、今日は、フィンランドを代表するグルーバル企業であるノキアのフィンランド法人と日本の法人との両方で働きつつ、日本人の働き方に違和感を感じ、日本人向けに書籍を出されているモニカさんの話を聞かせてもらいました。ㅤ

写真にあるように彼女の著書が「マイタイム」という本。キンドルアンリミテッドで無料で読めるので、よかったらぜひこの機会に読んでみてもらえたらと思います。


この本のメッセージは、自分の人生の中に自分のためだけの時間である「マイタイム」を取ろうというもの。

今回の流れで書けば、自分の1日の中に、自分の簡易領域を展開する時間を死守して、そこで回復と創造をしようと言えるでしょうか。

これこそ、程度の差こそあれど、誰もが自分の意識次第でいますぐにでもできるだろうなと思いました。

やってみたいと思った個人がまず真っ先に展開するべき領域はこれだろうなという感じがします。

【私が彼女に聞いてみたかったこと】ㅤ

私は、今日を迎えるまでに彼女に聞いてみたかったことがありました。

それが以下の要素でした。

「おそらくフィンランド人は、しっかりと休息を取り、エネルギーを回復し、モチベーションを高めたり、自分の人生や仕事のリフレクションを進めることで、より大きなクリエイティビティを発揮する道を選択しているという話なのではないかというイメージを持っています。

そんな中で、フィンランドのノキアの4週間ある夏休みのワークスタイルと、日本のおそらく1週間程度しかない夏休みと、両方を過ごしている社員とを見てきたと思いますが、そこにエネルギーやクリエイティビティ、パフォーマンスの差を感じますか??」

というものです。

これに対して、彼女が言っていて面白いなと思うのが、「たしかにフィンランド人は、長い夏休みを取ることで、元気になり、仕事に前向きになっているのは間違いありません。

夏休みに入る際、最初は疲れていたけれど、最初の1週間で回復し、だんだんと仕事への意欲が高まっていきます。

ただ、だからといって休み明けに休まなかった時と比べて、仕事の成果が高まっているかどうかまではなんとも言えないところもあるなと思いました。

もしかしたら、働き続けている日本人の方がパフォーマンスは高いかもしれません。」

という話。

これを聞いて、そりゃそうだよなー、そんな簡単に誰もが休むことでクリエイティビティを得て、パフォーマンスを発揮できる訳でもないし、日本人がこれだけ必死に(時には我が身を犠牲にして)働いているからこそ出ている成果もめちゃくちゃあるだろうなということを思いました。


ただ、同時に思うのは、たしかに仕事上の高いパフォーマンスは出るかもしれないけれど、それでその人が幸せでいられるのかと言われるとそれはまた別の話で。

その人の特性や、その人の人生の中でのタイミング、業務の性質などによっても、いろいろと変わってくるのだろうなとも思いました。

自分の1日の中から、作れそうなマイタイムを探そうというワークに取り組みました


【自分はどのような性質の業務に取り組んでいるか?】

昨日、校長先生にも同じようなことを聞いたのですが、同じく言っていたのは、以下のことでした。

「工場の作業のように、労働時間を増やせばそれだけ成果が分かりやすく出るという仕事はフィンランドは向いていないと思う。

ただ、エアギターや、凍っている湖の中でのビジネスプレゼンコンテストなど、世界のどこもやっていないようなわけのわからないことを生み出すのは、我々は得意かもしれない」と。

それを聞いて、そうだよねー。やっぱり製造業においては、この仕事の仕方は合理的だし、日本人の働き方は1940年体制の中で培われ、鍛えられてきたものなんだろうなーということを思いました。

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【これから先に、自分はどのようなクリエイティビティを発揮できると良いのか?】

ということで、ここからがタイトルにある「自分のパフォーマンスを最大化させようとした時に、果たしてどのような働き方をすると良いのか?」について。

おそらく、今のフィンランドの社会の働くことについての中心にある問いが、おそらく上記の問いなんだろうなと思います。

もしくは、「自分のウェルビーイングを保ちながら、仕事と家庭の両側でのパフォーマンスを最大化させようとした時に、果たしてどのような働き方をすると良いのか?」と言い換えてもよいかもしれません。

それに対して、日本社会の働くことの中心にある問いをあえて言うなれば、「自社の、ひいては日本という国の発展と維持のために、あなたはどのように働いてくれますか?」という感じでしょうか。

まさに、領域展開・1940年体制という感じでしょうか。

※ちなみに、1940年体制については、篠田真貴子さんのこのエントリーがわかりやすくまとめてくれているので、こちらも併せてて読んでいただけると私が書いていることの意味がさらに理解できるのではないかと思います。

【自分の場合を考える】

実は、5年くらい前から、「自分のパフォーマンスを最大化させようとした時に、果たしてどのような働き方をすると良いのか?」という問いについては私なりに考えていました。

その結果、人生の一時期、もう少し海外で、できればヨーロッパのどこかの国で成熟したものの考え方について学びたいと思っておりました。

それからいろいろなことがあって、今は、自分の時間の3分の1〜2程度は日本の仕事(人材開発と組織開発)の仕事も引き受けながら、残りのリソースを国内外のさまざまの領域にそのヒントを探しにいき、R&Dを進めるのが良いのではないかという考えに至り、今のこういうワークスタイルができあがっております。

このスタイルについて考えていった時に、私がもっとも働いていた時に生み出している売り上げや提供しているサービスの質や量と比較すると、短期で見ると明らかに減っているのが見て取れます。

もしかしたら、あの働き方をずっと繰り返していたら、ものすごく高い成果が出ていたかもしれないなとも思います。

ただ、中長期で見た上で、私だからこそ生み出せたものの量を考え始めると、ちょっと話は変わってくるだろうなと思っています。

今回のデンマークとフィンランドでのラーニングジャーニーがまさにそうですが、こうやって多くの人とは違う行動をとっていくからこそ、違う価値が生まれてくるのでないか、というか、そう決めてやるしかないという気持ちです。

果たしてこれが世の中的に見て良い展開をしているのか、どうなのかは、現時点ではわかりませんが。

少なくとも、クライアントワークをし続けていたら、こんなに日々、大量の文章を公開し続けることは不可能だったのと、少なくとも私の納得感はものすごく高まっているのは間違いありません。

ということで、これはこれで私にとってはとっても意味がある決定だったのではないかということを思います。

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【まとめ】

ということで、ここまで読んだくださった方がいるのであれば、ぜひ一度、

「自分のパフォーマンスを最大化させようとした時に、果たしてどのような働き方をすると良いのか?」

「そのために自分はどのような領域をどのように展開すると良いだろうか?」

という問いについて考えてみていただけると大変嬉しく思います。

あと、帰国したら、どこかのタイミングで、「自分の領域展開を考えようワークショップ」を開きたいと思っておりますので、興味がある方はぜひそちらにご参加いただけると嬉しいです。

ということで、今日も素晴らしい学びの機会をどうもありがとうございました。




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