【デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか】
日本で組織で働く方々向けに人材育成や組織のパフォーマンスを高めるために仕事をしていると、否が応でも気になってくるのが、「なぜ日本はこれだけ働いても世界でみたらびっくりするくらい生産性が低いのか?」という点です。
私が見る限り、みんな相当に一生懸命に働いているにも関わらず、データで見るとトップの3分の2程度。今でこそ、円安になっていて、物価も信じられないくらい安いからそうなっているのは理解できつつも、私が生産性に問題意識をもっていた5年くらい前から、いや実はもっと前からこんな感じだったので、気になって仕方ありません。
他の国は、特に上位の国というのは、いったいどんな働き方をしているのか、本当に教えてもらいたいという気持ちです。
ということで、その秘訣を知りたくて仕方ない私は、コロナが明けて以降の2、3年ほど、様々なデータで上位にランキングされている北欧社会の働き方がどういった形でなっているのか、実際に現地にも訪れながら、あれやこれやと調べておりました。
そんな中で、今回、お話を聞かせてくださったのが、昨年の11月に「デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか」を出版された@Yuka Harikai Drejerさん。
この本、なんと、9月現在で、発売開始から1年弱しか経っていない中、12刷、5万部も売れているそうです。
5万という数字は、ビジネス書的には、かなり売れていると言って間違いない数字でしょうから、これだけ関心が高いんだなということが感じられます。
日本人の労働者の数を考えると、もっと売れても何ら不思議ではないかと思いました。
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この日は、結局、2時間弱にわたって、針貝さんから私が本を読んで気になった点についてあれこれ聞かせてもらいました。
そして、おかげさまでだいぶ謎が解けてきている実感があります。
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今回お話を聞かせていただくにあたって、聞いてみたいことリストを用意してお伺いしたのですが、面白かったのが、途中、私が取材しているのか、取材されているのかよくわからなったことが何回もあったという点です笑
さすが、今回の本も、執筆にあたり20人を超えるデンマーク人に取材をしてこられたというだけあります。
呼吸をするように質問が生まれ出て、気がついたら情報が吸収されていき、私に対する取材が進んでいるような状態で、こんな体験は生まれて初めてに近く、プロはさすがだなと思いました。
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今回、私が聞かせてもらったものを一言で言うならば、「実際にこの本に書いてあることを日本で行おうとすると、おそらくここら辺が難所になってくると思うが、それはこの国ではどのように取り扱っているのか?」というものでしょうか。
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例えば、こんな感じでした。
①デンマークが、次々とシステムを刷新しているのはわかるんですが(実際、今回来てみても電車やバスなどの異なる会社の提供するサービスを一括でアプリで予約でき、あまりにスムーズに移動ができるため、もう体が戻れないという気持ちになりました)それをやろうとすると、日本では調整の手間に根負けしたり、既得権益に抵抗されて、全く進まないイメージしか湧きません。
デンマークには、既得権益はないのか、あるとするとそれはどのように働き、それにどのように対応しているのでしょうか?
また職場や地域に重鎮のような方がいて、それで進まないことが日本ではたびたび起こりますが、デンマークではそういったことは起こらないのでしょうか。
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②デンマークで、コロナの時の対応が素晴らしかったというのはわかりますが、それをやろうとすると、いくつかの命を犠牲にしていくことを許容しないといけないと思います。
日本社会では、それは到底、受け入れられなかったと思うのですが、デンマークではそれをどのように受け止め、そこにはどのような解釈があったのでしょうか。
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③私が先日、お話をきかせてもらったデンマークのおじいちゃんは、デンマーク政府に対する信頼を10段階で9.9と表現していましたが、これは一般的な感覚なのでしょうか。自分自身や、周囲の人たちの実感と比較するとどのように感じますか?
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④デンマークの公教育の素晴らしさについて多くの場面で良いと耳にしますが、実際にこちらで子育てをされていて、どのように感じていますか?また、家庭教育についてもすごく興味があるのですが、デンマーク人の旦那さんと子育てをしていく中で、どのような特徴を感じていますか?
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⑤デンマークに限らず、欧州では、最近、移民が問題になっているという話をたびたび耳にしますが、実際に、移民についての変化や問題を感じますか?
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⑥こういった本を執筆するにあたって、また主にメディア向けに情報発信をしようとされている活動の背景、動機が気になるのですが、針貝さんは大学、大学院時代に何を考えて、デンマークにやってきて、今も情報発信をされているのでしょうか?
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逆に私が質問をされたこととしては以下のようなものでした。
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①今回の出版にあたって、多くの日本の方から、実際に、これを職場でやろうとしても上司や経営層にひっくり返されて、進まないことが多いと聞きますが、組織に入って支援をしていく中で、実際、どういうことが起こると感じていますか?それに対して、うまく進めていくための工夫はありますか?
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②レゴシリアスプレイをたくさんの現場で実施していると聞いていますが、実際にいろいろな現場で実施していく中でどのような効果を感じていますか?また、どこの現場でもスムーズに進んでいくものでしょうか?スムーズに進めていくためのポイントとして、どういった要素があると感じていますか?
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③自分自身はデンマークで15年ほど生活をしていて、特段、私自身が自分の変化を感じているわけではなく、また日本社会のイメージついては15年前からほとんどアップデートされていないところもあったのではないかと、正直に言うと、不安を感じている部分もありました。
それが、今回、本がこれだけの反響を得ているということで、私自身、驚いています。
日本社会ではいま、一体どういったことに関心が向いていると感じますか?またその関心はどこから生まれてきていると感じますか?
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と言ったものだったでしょうか。
お互いに、インタビューをしたり、されたりしていたら、あっという間に2時間が過ぎておりました。
私がここに対する関心が高いからというのは前提にあると思いますが、どこをどう切り取ってもめちゃくちゃ面白い話だったなと思います。
これはぜひ多くの人に聞いてもらいたいと思い、「いつかyoutubeかポッドキャストで話をしてください」とお願いしたら、今は次の執筆活動のため難しいんですが、時間ができてきたころにはぜひ」と言っていただきました。いやー、これはめちゃ嬉しい。。。
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おかげさまで、最終的には、日本とデンマークの違いがだいぶ見えてきた気がしています。(と言っても、本で読んだり、ほんの少しの間、こちらにやってきて表面的に聞かせてもらっているものばかりなので、まだまだ全然理解できていないのはいうまでもないことですが)
そして、私は、日本とデンマークの間には、社会に前提にある中心的な問いの違いがあるのではないかという仮説が見えてきました。
一言でいうならば、「中長期で全体の幸福のためにみんなで一緒に全体を眺めながら、どうすればここから最も良い状態を生み出せるのか?」という問いを常に持っているデンマーク社会と。
「どうすれば、村のルールを逸脱することなく、もしくは、周囲からの批判を受けることなく、目の前で感じられる不安を解消、もしくは縮小し、前に進めることができるのか?」という問いを持っている日本というイメージでしょうか。(今回、振り返ってみて、以前の私の中には相当強くあったなと思いますし、今も一部あるように思いました)
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改めて、上記にまとめたものを自分で読み直してみると、単純化し過ぎているなと思いますし、そうじゃない領域もいっぱいあるだろうなと思いますが、それぞれの国に大きな影響を生み出している要素の1つの側面はけっこう適切に捉えられているように思います。
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ということで、上記に羅列した問いも含めて、ちゃんと書くととても長くなりそうなんですが、そう遠くない将来には、頑張って書いてみようと思いますので、公開される時をお楽しみに。
そして、今回の北欧の働き方探究ジャーニーはもう少し続くので、より一層理解を深めていけたらと思っております。
素晴らしい学びの機会をどうもありがとうございました。