「気付いたら、なんか」
登校拒否、とか、不登校って字面を見るとなんだか大層なことのように思うけど、健太(仮名)をみていると、なんだ、別に大したことじゃないな、って思えるほどに、彼は社交的で、普通の中3生っぽくて、前日に会ったばかりのぼくとも、いたって普通の会話をしてくれた。
彼が学校に行っていないことは聞いていたから、なんでこんなイベント(とある教育系のイベント。同じ学校の友だちも来てる)に来てんだろ、と思いながら色々話していた。で、しれっと「てかさ、なんで学校行ってないの?」って聞いて返ってきた答えが表題のそれ。「気づいたら、なんか。」
オトナたちはそこに理由を付けたがる。
前日にもそんな話題が出た。友達と何かがあったとか、それは別にいじめほどじゃなかった、とか。あるいは、その「もっともらしい理由」を聞き出したことに、少し優越案を覚えているような、そんな感じさえした。オトナってほんといやらしいなあ。
ぼくはその「気づいたら」が、なんだかとてもよくわかった。そういうのあるよなー。「行かない」は、連続の中にあったのだ、と素朴に思った。
「でも健太、おまえ学校行かなかったら超ヒマだろ?」って聞いたら、少し黙って、「うん、超ヒマ」って笑って答えた。
はっはっは、やっぱりか!でも、なんでもできるな。