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片隅のヒヤシンス

クリスマスのちょっと前、ヒヤシンスの栽培セットを買った。

こどもの頃、育てた覚えがあるヒヤシンス。
根っこが水の中で伸びていくのが好きだった記憶が思い出された。
それは幸せな記憶だった。

私は植物を育てるのが本当に苦手で、花瓶の花も植木の花も、申し訳ないことになってしまうことが多いのだけど、ヒヤシンスなら大丈夫かもしれない、、と思い切って買ってみたのだ。

みんなで過ごす部屋に置こうと思って説明書を見たら、最初は暗いところに置くように書いてあった。暗いところ、、でも目につくところ、、、。私は仕事場の扉の前のゴタゴタスペースに置くことにした。ここなら、仕事場に篭る度に目に付くから。

それから1ヶ月半。

毎日、目の隅にヒヤシンス。根っこが張り、目が出て、葉っぱが育っていく。

愛しい。

仕事場は私のサンクチュアリだから、ヒヤシンスがなんだか門番のように思えてくる。たしかにそこに生きている力強さが、頼もしく感じる。

「今日もありがとね。」


そろそろ花芽が育ってきた。
日の当たる場所に移動する時期だ。

今度は、花が開くのを、家族で見守ろうと思う。

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